SHOEIの2025年9月期の連結決算は、売上高が前年度比9.6%(34億2700円減)下回る323億6300万円、営業利益が同13.9%(14億3100万円減)下回り88億9900万円、経常利益は同15.3%(16億0200万円減)下回り89億円、親会社の株主に帰属する当期純利益では同14.4%(10億5900万円減)下回り63億1800万円であった。2026年9月期の予想では増収で、設備投資などがかさみ減益としている。
値上げなどで単価が上昇したが、販売数量が前年度に比べ減少したことで販売が減少し、生産数の減少に比べて製造原価が増え、広告宣伝費などの販売管理費が増加したことで、減収・減益となった。自己資本に対する利益率のROEは前年度26.0%から20.5%、売上高営業利益率では27.5%となった。
欧州市場では前期に発売した主力2モデルの反動減に加え、天候不順や不安定な政治経済状況が影響し、日本市場については、流通段階での過剰在庫の調整が期末まで継続し長引いたことから、欧州と日本市場は2ケタの減少となった。北米市場は第3四半期までは好調を維持したが、以降は米国の関税引き上げ交渉の影響を受けて、行方を見守るといった影響で販売数量を微減にとどめた。アジアでは最大市場の中国で低迷が続くなか、第2四半期中心に発注が一時的に大きく減少したが、第3四半期以降は高いブランド力を背景に需要が底堅く推移したことで微減にとどまったなどとしている。
ヘルメットの販売シェアはSHOEIが「世界市場のプレミアムヘルメット市場で約6割を占めている。ほとんどの国と地域でトップシェア」(石田・社長)としている。今年9月期までの販売個数は前年度比11.9%減少の63万6000個であった。

決算説明に臨む石田・社長
地域別の業績は、日本が販売個数で前年度比25.4%減少11万8000個、売上高は同18.3%下回る56億5500万円。欧州は販売個数が同12.4%減少の24万2000個、売上高が同12.6%減少の144億4400万円。北米の販売個数は同3.1%減少の10万5000個、売上高は同0.5%増加の50億3700円。中国の販売個数は同6.1%減少の11万個、売上高では同4.1%減少の45億1200万円、オセアニアや南米などのその他の販売個数は同1.0%減少の6万個で、売上高は同3.7%上回る27億1200万円。為替相場は米ドル149.63円、1ユーロは164.34円とした。
一方で、資産は現金及び預金などの流動資産が前年度比で増加、棚卸資産は同減少させ、固定資産も同減少させた。負債では流動負債は増加したが、固定負債は減少、純資産では利益剰余金などを増やし純資産が大幅に増加した。自己資本比率は前年度の84.2%から85.1%と上昇。強い財務体質を堅持した。
2026年9月期の予想
2026年9月期の予想は、売上高を前年同期比4.9%上回る339億5000万円、営業利益が同5.9%下回る83億7000万円、親会社の株主に帰属する当期純利益では同6.0%下回る59億4000万円としている。為替は米1ドル145円、1ユーロは174円とする。
欧州の一部や日本市場での流通での過剰在庫がほぼ解消し適正化、欧州や中国などでの景況の回復が見通せないものの、底打ち感から主要製品のモデルチェンジなどで連結の販売数量が前年度比4.0%増加。売上高も4.9%の増加を見込む。
北米は販売数量が前年度比6.9%下回るが10万個弱と高水準を維持。日本は流通在庫の解消で同7.7%の増加、中国では同18.6%の増加としている。
米国の関税や原価、販管費のほか、設備投資などでは、来年4月に開設公開するミュージアム「SHOEI HELMET PARK」や、新規のキャリーケース事業などの影響で、営業利益は前年度に比べやや減少するとみている。




