MV アグスタ「Superveloce 1000 Serie Oro」発表　　KTMジャパン　　限定500台、予約対象外の車両が購入可

KTM JAPANは7月10日、KTMグループブランドのMV Agustaで、500台限定生産の「Superveloce 1000 Serie Oro」を発表した。伝統のスポーツバイクをモチーフに高価な素材を採用するなど新旧を融合させた。細部にまでこだわり抜いた設計により形状や素材、性能の優れたバランスを実現したとしている。

 

最も特徴的なのが同社の最新技術が注ぎ込まれた空力ウィングで、新した設計・開発思想が色濃く反映したという。徹底的に試験走行を実施、空気抵抗やライディング時の操作性に大きく影響する垂直荷重の最適化することで最高速度と加速性能に欠かせない優れた安定性を実現したとしている。

 

高速走行時の優れた防風性能、全般的な快適性の向上、パフォーマンスの最適化、エンジン吸気の最適化、エンジンからの熱気の拡散による実用性の改善に加えて、下部フェアリングの突出しを抑えるとともに、ボディ側面に空力性能を高める開口部を設け、エアフローを改善した。

 

ホイールはF4 750 Serie Oroの星型ホイールをオマージュしたキャストホイールとスポークホイールを融合させたデザインを採用。エキゾーストもアクラポビッチ社が専用に開発したチタン製4本出しエキゾーストを採用した。

 

シートには、本革とアルカンターラの高級素材を使用したという。最適な人間工学的デザインを施すことで高い快適性を確保したとしている。ボディカラーは、アゴシルバー、パールショックレッド、ゴールドチクリスティカの3色を用意。

 

予約注文はブランドコレクター限定。受付は終了しているがMV Agusta正規ディーラーで全500台のうち予約対象外の車両が購入可能としている。

 

 

◆エンジンと電子制御系統について

13,000 回転で208 PS/153 kW、11,000 回転で116.5 Nmのトルクを発生する4気筒直列エンジンを搭載。MV Agusta製4気筒エンジンならではの16本のチタン製ラジアルバルブに加え、鍛造チタン製コネクティングロッド、DLCコーディング済みカムを採用したことで、最高回転数は14,000 回転を達成。カウンターシャフトによって振動が最小限に抑えられており、最高出力でもスムーズな走り心地を実現したとしている。

 

電子制御系統は、専用に入念な調整が施されている。トラクションコントロールは解除可能であり、8段階の介入レベル（雨天用2段階、公道走行用3段階、サーキット用3段階）に対応している。FLC（フロントリフトコントロール）も解除可能で、慣性プラットフォームで収集したデータを基に、ウィリーを防ぐのではなく猛烈な加速性能を最大限に活かせるリフト角度を維持することで、最適なフロントリフトを実現。このような運転支援システムは、ローンチコントロールと連携して作動する。

 

ライディングモードは、プリセット3種と、ライダーがカスタマイズ可能な1種（カスタム）の計4種類。カスタムモードでは、スロットル感度、エンジンのトルク、吸気、リミッター、電子制御サスペンションなどのパラメーターをライダー自身で設定が可能。

 

MV EAS 4.0電子制御ギアボックスは、スロットル全開時もアップ/ダウンシフト操作をサポート。ライドバイワイヤのスロットルシステムはトルク管理アルゴリズムを搭載し、スロットルグリップを負方向に回転させることでクルーズコントロールを解除できる。

 

GPSモジュールが内蔵されており、MV Agustaの全シリーズで無料利用可能なMV Rideアプリと直接通信が可能。このアプリに目的地を入力するだけで、5.5TFTカラーダッシュボードに分岐点を網羅した経路が表示される。MV Rideアプリの一番の特徴は、バイクの応答をカスタマイズできるカスタムマップ機能で、作成したカスタムマップには任意の名前を付けられ、他のユーザーと共有することもできるとしている。

 

さらに、モビサットモジュール搭載のサテライトアラームシステムが搭載されており、同システムはGreenboxアプリで管理でき、購入1年目はサービスを無料で利用できる。

 

◆シャーシ

クロムモリブデン鋼製パイプのトレリスフレームにアルミニウム製プレートを組み付け、アルミ合金製の片持ちスイングアームを取り付けている。

 

足廻りはオーリンズ製の電子制御サスペンションシステムを採用。直径43mm径、トラベル120mm、Tin表面仕上げの倒立型フロントフォークを装着。電子的にコンプレッション、リバウンド、スプリングプリロード（手動調整にも対応）の調整が可能。最適な安定性を得るため、オーリンズ製の電子制御式ステアリングダンパーが組み込まれている。

 

ダンパーは自動介入と手動調整の両方に対応しており、ライダーの好みに合わせた最適なセットアップが可能。リアには、直径36mm、可動域120mmのオーリンズ製のモノショック式サスペンションシステムを採用。こちらも、プリロード、リバウンド、コンプレッションを電子的に調整が可能としている。

 

ハイパワーを受け止めるブレーキシステムには、ブレンボ社製の320mmフロントディスク、アルミ製フランジ、30mmピストン搭載のStylemaラジアルキャリパー、ラジアルマスターシリンダーを採用。リアには220mmディスクを採用し、34mm径2ピストンキャリパーを搭載している。同ブレーキシステムは制動力をスポーツモードトレースモデルの2段階に設定できるABSシステムを採用、タイヤは、ピレリ製Diablo Supercorsa SP V4のSuperveloce 1000 Serie Oro専用バージョンを採用。

 

◆専用キットについて

専用キットが付属。内容は、車両と同じシリアルナンバーが記載された真正証明書、専用カバーが提供される。この他、以下の装備も同梱される。

 

• 本革とアルカンターラ素材を配したパッセンジャーシート
• パッセンジャー用フットペグおよびサポート
• カーボン製パッセンジャーヒールガード
• CNC削り出しブレーキレバーおよびクラッチレバー
• スイングアームピンの高さ調整用プレート