茨城県の二輪車販売店組織のAJ茨城(茨城県オートバイ事業協同組合)は2月27日、高野弘毅・理事長のもと第18回通常総会を開きすべての議案で可決した。今開催でも地元の国会議員や県会議員、役人、関係団体、近県のAJ役員、業者ら大勢が見守る中で審議が行われた。
AJ茨城は地域のバイクユーザーの環境改善に向けて活動する販売店組織。二輪車の健全な普及、交通安全などに寄与するほか、行政などへETC関連の助成金やキャンペーン、高速道路料金の減額など改善に向けた活動に取り組んでいるもの。
総会では全組合員数27の内委任状を含む出席者27人の中で行われた。議案審議は第18期令和5年度の事業報告および収支予算、第19期の令和6年度の事業計画、収支予算などのすべての議案で可決した。
この中で事業報告では、共同購買事業の成果として取引高の少ない業者との提携を解除し事務局運営の簡素化を図ったとした。全国オートバイ協同組合で展開するユーザー向けクレジットカードの「クラブAJカード」の普及促進では、新規獲得キャンペーンで目標の倍を超える達成率213%の49件を獲得し、全国1位、年度内の獲得は233件であった。収支決算報告では、当期純利益を上げて次期繰越剰余金を上積みした。
19期の事業計画では、方針としてオートバイの飛躍的な安全性の向上を知ってもらうための普及活動、新たな免許制度や特定原付車などの電動キックボードの長所、短所を伝え利用者に安心して安全に利用してもらうための事業を展開する。一方でクラブAJカードの普及を重点課題として組合員全店で取り組む。
また、マナーアップ運動の推進とグッドライダー防犯登録の加入促進を継続する。同組合取材の試乗会、協力団体の主催イベントに協賛し、ライダーに楽しんでもらえる試乗会および安全運転教室を実施。
組織力の維持強化としては、緊急課題と位置づけ、組合の原点に立ち返り新たな挑戦として、情報発信を通じてAJ茨城の知名度を高める。組合員相互の交流を深めるほか、組合員の増強活動、若い世代の人材育成を行うなどの確認をした。特にクラブAJカードは前年度比28%増加の300件を目指すことを決めた。
今総会の来賓では地元茨城の国会議員や県議会議員、AJ全国の大村直幸・会長、近隣の各AJ単組の役員、関係業者らが出席した。祝辞のあいさつに立ったのは、地元の石井章・国会議員、赤池誠章・国会議員も駆け付けた。そして髙崎進・県会議員、関東運輸局茨城運輸支局の古賀重徳・支局長、茨城県産業戦略部中小企業課の廣瀬史明・課長、茨城県警察本部交通部交通総務課の石井仁志・管理官、同警察本部生活安全部生活安全総務課の勝村茂樹・課長補佐が、それぞれ立場で二輪環境整備や安全に向けた活動などの報告に加え、組合員に活動への協力を呼びかけたほか組合員らを励ました。
総会後にはAJ大村会長による講演会を開いた。講演ではAJの活動成果や昨今の取り組みなどをテーマにAJ、各AJ単組の重要性を強調した。その後は懇親会が開かれ、福島伸享・国会議員、高橋靖・水戸市長、長田麻美・県議会議員が駆けつけ、それぞれがあいさつに立った。祝杯はAJ大村会長の音頭のもとで乾杯が行われ、集まった大勢の参加者らで情報交換が行われた。
高野理事長のあいさつ
冒頭で高野理事長は活動に協力した議員や関係団体役人、関係業者らに感謝のことばを述べた。あいさつではオートバイ市場について取り上げ「オートバイはエコな乗り物でソーシャルディスタンスなどにより、その良さが見直され販売台数が増加し、明るい兆しも見えてきた」と昨今の状況を振り返った。一方ではガソリン価格の高騰や新車の供給不足、少子高齢化、ユーザーの減少、販売店後継者不足など「様々な課題に直面している」とオートバイを取り巻く環境への懸念を挙げ「しかし、ここからが私たち組合の力が試させる」と力強いことばで述べた。
コロナ禍では「車両の供給が間に合わす、新車が定価を大きく上回る値段で販売したり、整備を全くしない車両を販売するなど、利益が優先されユーザーのことを考えずに販売する業者もあった」と指摘した上で、「私たちの組合員の中には、こうした店はほぼなかった。なぜならライダーの安全・安心を第一に考えて行動することの大切さや、商売を続けていくために、利益優先ではなく、社会への貢献や社会に投資することの大切さを共有してきたからだ」と組合員の健全性を強調。
「これからもオートバイを取り巻く環境がより健全で、明るく楽しいものになり二輪業界が発展していけるように活動してまいります」と決意を述べると同時に、出席者に引き続き活動への協力を呼びかけた。
出席しあいさつに立った来賓