
山梨県の二輪車販売店組織のAJ山梨(山梨県オートバイ事業協同組合)は2月10日、吉田雄介・理事長のもと第14回通常総会を甲府市内で開き、すべての議案で可決した。特に組合費については、一組合員費の増額を決めた。当日は総会開催の前にAJ(オートバイ協同組合連合会)の大村直幸・会長による講演会が行われ、組合活動の重要性や行政などへの取り組み、現行の原付一種の生産終了から今年から始まる「新基準原付」についての経緯、AJの活動の成果などを取り上げた。
AJ山梨は同県内のバイクユーザーの環境改善などに向けて活動するバイク販売店組織。二輪車の健全な普及、交通安全などに寄与するほか、行政などへETC関連の助成金やキャンペーン、高速道路料金の減額などの改善に向け数々の活動に取り組んでいる。
今総会には委任状含めすべての組合員19人が出席した。今開催でも地元の関係団体や近隣のAJ役員、関係業者ら大勢が見守る中で審議が行われた。総会の冒頭で吉田理事長があいさつの中で、組合活動の意義や存在の重要性、安全への各活動などを取り上げるとともに、今後も積極的に活動するといった方針を強調、組合員への参加と協力を呼びかけた。
その後、来賓として出席した関係組織や団体の担当者らのあいさつが行われた。あいさつしたのは山梨県警察本部交通部の内藤智・参事、同本部生活安全部の笹本正賢・生活安全対策官、関東運輸局山梨運輸支局の木村健二・首席陸運技術専門官、山梨県交通安全協会の内藤譲・事務局長、山梨県二輪車普及安全協会の塚原重一・会長、最後にAJの大村会長の6人。それぞれの分野での県内の状況や取り組みについて述べると同時に、組合員らに活動への協力を呼びかけた。
総会審議では、令和6年度の事業報告および収支決算承認の件、令和7年度の事業計画および収支予算案、賦課金の額および徴収方法の件、役員報酬の件、手数料の率の最高限度額決定の件について審議が行われた。いずれの議案も満場一致で可決された。
このうち令和7年度の事業計画では、従来の各事業について引き続き積極的に推進していくことを確認した。活動では交通事故防止を山梨県から全国へと発信できるような活動を通じ、二輪車の健全化環境づくりを進める。グッドライダー防犯登録でも、積極的に登録への活動と店頭での盗難防止を推進。ETCやクレジットの斡旋オークションやクラブAJカード会員の募集などを行うとした。
また、組合員の経営の一助を担い、組合活動の原資の確保し事業を通じて二輪業界の経済的地位の向上を目指し、二輪ユーザーが楽しめる環境づくりを進めることを確認した。
賦課金の額および徴収方法の件では、1組合員の月額費500円の値上げを決めた。関東地区のAJは100人超え、または100人弱のAJ単組がほとんどの中で、AJ山梨の組合員は19人で活動費の原資となる事業収益性、出張機会の増加などと組合費の値上げ理由に挙げた。
総会終了間際駆けつけた地元山梨出身の赤池誠章・議員もあいさつに立ち、希望ナンバー制の実現の成果を強調した。
総会閉会後には、懇親会が行われ約60人が参加。懇親会では甲府市の樋口雄一・市長、地元の赤池誠章・議員、石井章議員の代理で石井めぐみ・議員が祝賀のあいさつを行っている。このほかにも卯月政人・議員、石原政信・議員、桐原正仁・議員、望月利樹・議員、志村直毅・議員、内藤巧・議員らも参加。乾杯の音頭は山梨県二輪車普及安全協会の小笠原雅則・事務局長が同組合や組合員の発展を願い、参加者らと盛大に乾杯を行った。
なお、AJ大村会長の講演会の内容については、新たな取り組みなどを含め、本サイトのオートバイ流通新聞の特報「業界革新」として後日取り上げる。
◆吉田理事長のあいさつ
総会審議の前にあいさつに立った吉田理事長は、冒頭で、関係団体や関係者や組合員への感謝のことばを述べた。あいさつでは山梨県内の販売を取り上げ、グッドライダー防犯登録件数で2024年1639件と前年比85%で、全国平均の93%と比較し、やや厳しい状況であったことを挙げた。コロナの状況からすっかり変化し「二輪車のここ数年の状況にブレーキがかかった。コロナ前の状況に戻りつつある」と市場の冷えに懸念を示すことばを述べた。
ただ、「2024年昨年の軽二輪と小型二輪の登録台数を、2019年と比較し121%でした。県内で二輪車の愛好者がいまだ増加傾向にある」と強調した。ユーザーに「安全に楽しく利用して頂くための、定期点検、整備、二輪車の交通事故・盗難の防止に活動を積極的に行う必要がある」と販売店としての役割を改めて確認し、昨年のユーザーへの安全に関する各活動について振り返った。こうした活動が「健全な二輪文化の醸成し、県内の安全で安心な街づくりが、地域社会への貢献につながると、確信している」と組合の使命を改めて強要した。
また、県内の議員で構成される「山梨県二輪文化創成政治連盟と連携し、交通安全啓蒙活動、安全運転大会、親睦ツーリング、県内に二輪政策懇談会など、昨年に続き今年度もますます活発に活動していく」とし組合員への活動への理解を求めた。

指針などを述べる吉田AJ山梨理事長
今年度の活動としては「警察の皆様、二輪車安全普及協会・指導員の皆様、整備振興会の皆様とさらなる連携を強化し、街頭での交通安全指導や安全運転活動、二輪車の盗難防止、定期点検整備に推進、二輪車安全運転大会の開催などの活動を行っていく」と、具体的な取り組みを明言した。
AJ大村会長が強調する「AJの存在意義は二輪業界で大変重要な存在であると、確信している。皆様のお店から、そして地域社会から日本全体へと、二輪を愛するすべての皆様が幸せになることを信じて、これからも様々な活動の推進していく」とし、組合員へ活動の協力を呼びかけた。さらに「二輪販売店が、さらに経済的、社会的な地位についても、高めていくことを目標にし、今年1年もしっかりとした活動・指針を皆さんにお示しながら各活動を推進していきたい」などと考え述べた。
最後に、二輪業界が大きな変革期にあるとして「二輪業界、これからの未来をこの手で創造していくことが、重要です。一人ではできないことでも、組合という組織力を活かすことで、大きな活動の力を発揮することができる」と組合の存在意義を強調し、あいさつを締めくくった。
総会での審議の様子
あいさつに立つ山梨県警察本部交通部の内藤・参事

来賓の山梨県警察本部生活安全部の笹本・生活安全対策官

来賓の関東運輸局山梨運輸支局の木村・首席陸運技術専門官

山梨県交通安全協会の内藤・事務局長

来賓の山梨県二輪車普及安全協会の塚原・会長

あいさつに立つAJ大村・会長

来賓で地元の赤池・議員

総会出席者一同

懇親会であいさつに立つ甲府市の樋口・市長

石井章議員の代理で石井めぐみ・議員

乾杯の音頭をとった山梨県二輪車普及安全協会の小笠原・事務局長