千葉県内のバイク販売店組織のAJ千葉(千葉オートバイ事業協同組合/亀田真靖・理事長)は11月18日、県内で非公開による組合員のみでの「第22回通常総会」を開き、すべての議案で可決したとしている。特にAJ千葉は独自の新たなスローガンを打ち出しロゴマークを制作、組合員の結束を強化する。さらに「バイクラブフォーラム」(BLF)開催地として積極的に招致活動を行うことを決めた。一方、同組合による働きかけで、県教育委員会より県立高等学校に自動車運転免許取得に対する規定見直しの通達が行われたとの報告を挙げている。
AJ千葉を取り巻く概況として、今年10月までの国内全体の出荷台数は前年比10.0%の増加で、中古車市場は業者間オークションでの単価高騰する中で、県内の新車販売は軽二輪が前年同期比12%増、小型二輪は5%減少したとしている。こうした販売環境下で、AJ千葉では新スローガンとロゴマークを制作。「競争から抜け出し“きょうそう”へ」を打ちだし、「協走」力を合わせて走る。「共走」仲間として並んで走る。「共創未来を一緒につくる——を掲げた。
ロゴには「共創」の文字だけを入れ、組合員のみんなが力を合わせ、仲間として走りながら、未来を共に創っていく組合でありたいという想いが込めたとする。

事業ではオートバイ業界活性化の施策として、BLF開催地の招致活動に取り組む。県内での大規模オートバイイベントの開催を目的に、その切っ掛けとして県内でのBLF開催で弾みをつけ、翌年以降も千葉の名物イベントとして定着化させる狙い。特に南房総地区は関東でも有数のツーリングコースとして人気が高く、多くのライダーに向けて千葉県の良さを強調していけるイベント開催を目指す。
AJ千葉のこれまでの働きかけで、千葉県教育委員会より県立高等学校に対する自動車運転免許取得に対する通達が行われ、2025年度より「生徒が原動機付き自転車、自動二輪車、普通自動車の免許を取得することについて、一律禁止の規定を見直すこと」が通達された。だた、通達であり校則の決定は各高等学校長が行うものであるものの、通知の受け入れ、生徒の免許取得を各家庭での判断に任せ、免許取得後に高校側へ届け出をする制度(届出制)を採用する高校が増えていることを挙げた。
これについて同組合によれば、千葉県教育委員会はこの新たな通達を受けて、例年より多数の安全運転講習会(2025年5月1日より千葉県教育委員会の主催)への高校生からの申し込みが確認されている報告を行ったているとしている。この取り組み、動きの内容は埼玉県の対応と同一のものであり、全国でも埼玉と千葉の2県のみとしており、二輪業界において極めて重要な通達と強調している。
他方、事業報告ではETC斡旋は車載器の台数、二輪自動車ローン、CLUB AJカードでは取り扱いが前年比で減少したと報告。決算では厳しい結果となった。
次期事業計画では、前年度の事業内容を継続し、新規事業についても積極的な立案と取り組みを視野に入れ、各事業計画を推進。新スローガンの下、組織力の維持強化、組合員と組合の積極的な情報共有と連帯を図る。具体的には、誰でも参加しやすい理事会を目指すため、組合員に対して理事会へのオブザーバー参加の呼びかけ、組合員ライングループへの参加呼びかけなどを行う。同時に今年度も組合員同士が直接会う機会を増やし、会わなければいけない魅力を創造していく。AJ活動やAJ千葉独自事業としてイベント開催やオリジナル顧客管理ソフトRRRの斡旋などの情報を外部に発信し、組合員増員につながる種を引き続き蒔いていく。行政に対しては、二輪車駐車場の拡充や試乗車の試乗ナンバーの幅広い自治体での交付対応を目指し、陳情活動を展開。観光地へのオートバイ活用の提案やバイクラブフォーラム開催地の招致活動も継続していくことを確認した。
新たな取り組みでは、組合員の意見やアイデアの聞き取りを行った「共創シート」の回答から得た新規事業への取り組みを実施するため、次期令和7年度より①高校生向け交通安全講習会の開催(警察、県などと協同)②補助金、助成金など相談会の開催③勉強会の開催(最新技術に関する事項、店長同士の店舗運営関係)④組合主催合同ツーリングの開催⑤海外視察の実施⑥オフィシャルなイベントの開催(コーヒーブレイクミーティングのスタイル)⑦AJ千葉オフィシャルアプリの開発、組合HPの改修――を行う。
実現と実施に向けてプロジェクトチーム(PT)として、「事業開発PT」(共同仕入れ、新規商材&サービス開発案)、「イベント開催PT」(組合員交流やイベントの立案)、「AJ千葉要望PT」(よろず相談や組合への要望、AJ連合会や国県市町村への要望の取りまとめ)、「デジタル化開発PT」(組合アプリの開発、組合HPの刷新)を立ちあげることを決めた。

審議に臨む亀田・理事長




