8月の二輪車用「タイヤ販売本数」は新車用、市販車用ともに前年月比で大きく増加した。特に新車用では前年比同月に比べ、今年最高の伸びを示した。バイク需要や利用の拡大に加え、タイヤメーカー各社の秋の値上げによる駆け込み需要が拡大要因に挙げられそうだ。
日本自動車タイヤ協会の調べによる、今年8月の加盟メーカーの輸入品を含めた国内での二輪車用「市販用タイヤ販売本数」は、前年同月に比べ17.9%増加の13万2000本であった。今年6、7月は前年同月を割ったものの、8月は3か月ぶりに前年同月を超えた。また、2月の比較的に大きな伸びに続く拡大となった。市販用の今年1月から8月までの累計販売本数では、前年同期比で3.7%増加を維持し、94万7000本となった。
一方、8月の「新車用タイヤ販売本数」は、前年同月に比べ45.5%増加して9万6000本であった。8月は7月に続いて2か月続いて前年同月を超えた。1月から6月までの累計本数では、前年同期比では5.9%の増加で64万6000本となった。
8月のタイヤ販売本数は、昨年からのバイク需要の拡大やイベントなどの催しやツーリングなどが活発なことで、消耗品となるタイヤ製品などのアフターセールスの好調が続いていることが挙げられる。さらに車両生産も回復傾向が続いている。しかし、他方では輸送費の高騰に加え、原料の高騰により各メーカーが春の値上げに続いて、今年の秋にも値上げ実施されることから、8月には駆け込み需要が増加要因に挙げられる。特に市販用タイヤでは、春の値上げ前の2、3月にも大きく前年同月を超えて拡大している。
一方で、財務省がまとめる海外からの7月の「輸入タイヤ本数」は、前年同月比で10.0%増加して25万2929本であった。今年1月からの累計本数では前年同期に比べ4.9%増加の181万5658本となる。累計本数では昨年2月より連続して前年同期を超えており、日本国内の活発な需要がうかがえる。輸入国や地域はタイ、インドネシア、中国、台湾の順に多い。