二輪車の国内新車「出荷台数」が微増にとどまっている。8月の出荷台数(自工会=日本自動車工業会調べ)は、全排気量クラスの合計は7月の4カ月連続して前年同月を割ったものの、8月は若干前年月を超えにとどまった。クラス間で毎月増減が激しく、251㏄以上の小型二輪車と50cc以下の原付一種はともに前年同月を30%以上超え、51~125㏄の原付二種と126~250㏄の軽二輪車は減少であった。ただ、前月の7月に比べては各クラス増加している。1~8月までの累計で原付一種、小型二輪車が前年同期を超えている。
出荷台数は、メーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付車から251㏄以上の小型二輪車まで、全クラスを通して一つの指標で流通台数が把握できる唯一のデータとして、バイク業界の関係者らが注目する重要な指標となっている。
8月の4排気量クラス全体では、前年同月に比べ0.8%し2万9717台であった。先月の7月までは4カ月連続で前年同月を割っていたが、8月は5カ月ぶりにプラスに転じた。1~8月の累計台数では3カ月連続で前年同期を割り5.6%減少し、23万8564台となった。
排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」は前年同月に比べ38.0%増加に転じ、1万1603台であった。前月の7月の9879台に比べても若干+となった。原付一種の今年8月までの累計台数では、前年同期に比べ10.7%増加しており8万7637台となる。
51~125㏄の「原付二種」が前年月比で8カ月連続の減少を更新。前年同月に比べ36.6%減少して6504台であった。ただ、前月7月の5764台との比較では増加している。8月までの累計台数では、1月からマイナスが続き前年同期比32.7%減少の6万2065台にとどまった。
126~250㏄クラスの「軽二輪車」については、前年同月に比べ11.8%減少して5516台であった。軽二輪車も前年同月比ではマイナスであったが、前月の7月3097台に比べて大きく増加している。今年8月までの累計台数では、前年同期に比べ1.0%減少して4万2844台となった。軽二輪車は累計台数が7月までプラスであったが、8月ではマイナスに転じた。
251㏄以上の「小型二輪車」は、前年同月に比べ33.6%増加となり6094台であった。小型二輪車は6月4668台で7月が5491台で前年同月を2カ月間割ったが、8月はプラスに転じた。8月までの累計台数では、前年同期比21.3増加となった。
8月の出荷台数の原付一種と小型二輪車は比較的に安定した台数で推移しているが、原付二種と軽二輪車の中間排気量の台数が伸びない。各メーカーでは、いまだに部品納入による生産遅延が続くのに加え、排ガス規制により11月以降で既存モデルが生産できなくなる車両もあり、一部ではすでに生産を中止しているモデルもあることが影響しているといえなくない。
その一方で、10月まで国内生産できる車両については部品納入が遅れている中で、活発な生産が行われているともいえ、こうした生産状況のため、今後の台数は各クラスで大きく増減するといえそうだ。メーカー系専売店でも、今後の入荷予測が立たず今年前半の台数を割る覚悟でいる販売店もある模様。