7月の新車「出荷台数」今年最高の伸び　　前年月比34.1％増　　自工会調べ　　供給過多の懸念も

国内の二輪車出荷台数が51～125㏄の原付二種以上のクラスで拡大している。自工会（日本自動車工業会）がまとめた7月の国内「新車出荷台数」の全体は前年同月比で今年最高の伸びを示した。前月の6月に比べても増加し2ヵ月連続の前年越えであった。一方で、原付一種が10ヵ月連続して前年月を割り1万台を下回る。

 

新車出荷台数はメーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付一種から251㏄以上の大型二輪車である小型二輪までの、全クラスを通して一つの指標で流通台数として確認できる唯一のデータ。さらにオートバイ業界全体に大きく影響するため、関係企業や担当者らが注目する重要な指標の一つとなっている。

 

 

7月の全排気量クラスの合計は、前年同月の2万4231台に比べ34.1％増加の3万2503台であった。今年最高の増加率となる。前月6月の3万1693台に比べ2.5％増加、約800台の増加であった。これで5月以降連続して前年同月を超えた。

 

排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」が、前年同月に比べ28.2％減少の7091台であった。前月の6月の6637台に比べ6.8％の増加となる。同クラスは昨年年間で1万台以上は10カ月間あったが、今年は3月に1万台を超えたのみで、1万台を大きく下回る月が目立つ。1月から7月までの累計台数では、前年同期比27.8％減少の5万4901台にとどまる。

 

51～125㏄の「原付二種」は、前年同月に比べ114.3％増加して1万2353台で、今年最も伸びた台数を上げた。前月6月の1万1403台に比べても8.3％増加の950台多い。同クラスは昨年の出荷台数が少なかっただけに、コロナ前までのレベルに回復した。1月から7月までの累計台数では、前年同期比で62.0％の増加で9万0009台となり、1月から50％超え維持している。

 

126～250㏄クラスの「軽二輪車」は、前年同月に比べ104.8％の増加とし6344台であった。前月6月6168台に比べると2.8％の増加で台数にした176台増えた。7月までの累計台数は、前年同期比で今年初の1.1％の増加に転じ3万7739台となった。累計では昨年7月以来12か月ぶりに同期を超えた。

 

251㏄以上の「小型二輪車」は、前年月に比べ22.2％増加して6715台であった。前月の6月7485台に比べ10。3％少なく台数にして770台の減少となる。1月からの累計台数では、前年同期に比べ6.2％少なく3万7443台で前年を割っているものの、昨年の高い数値からすると今年も比較的に台数は少なくないといえそうだ。

 

 

オートバイ流通新聞では7月の出荷状況をみて、原付二種以上のクラスで前年月を超え、今年は昨年の様な旺盛な需要がみられないとこから、今後の供給過多が懸念されるところだ。

 

原付一種は需要も拡大しているとはいえないが、昨年後半より出荷台数が前年月で大幅割れが続いており、供給の減少で多くの販売店での有益が懸念される。原付二種については昨年の高い需要から一転し、今年は供給過多の傾向が懸念される。軽二輪では今年も昨年比で前年月割れできていたが、累計では7月で前年並みの台数に並ぶ。軽二輪の6月までの販売では特にホンダが大幅な増加を示しており、他の銘柄は比較的に低調に推移しており、今後の各銘柄の販売台数に注目されるところだ。小型二輪は、出荷台数、6月までの販売台数も前年の推移との比較では少ないものの、今年の推移では出荷台数、販売台数ともに傾向としては増加が続いており、後半も活発な流通がみられそうだ。