二輪車の国内新車「出荷台数」が減少傾向を示している。7月の出荷台数(自工会=日本自動車工業会調べ)は、全排気量クラスの合計で4カ月連続して前年同月を割った。唯一、成長をみせてきた251㏄以上の小型二輪車でも6月から7月にかけて鈍化傾向を示した。前の6月に比べると7月は250㏄以下のクラスで台数が減少、小型二輪車だけが前の月を超えた。1~7月までの累計では126~250㏄の軽二輪車と小型二輪車が前年同期超えを維持した。
出荷台数は、メーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付車から251㏄以上の小型二輪車まで、全クラスを通して一つの指標で流通台数が把握できる唯一のデータとして、バイク業界の関係者らが注目する重要な指標となっている。
出荷台数の全体では、今年4月より4カ月連続の前年同月比で減少となった。7月全体の出荷台数は、前年同月に比べ36.0%で2万4231台であった。先月の6月に続き今年最大の減少幅で、最も台数が少なくなった。1~7月の累計台数でみても2カ月連続で前年同期を割り、6.4%に減少し、減少幅も6月よりも広がった。
排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」は前年同月に比べ1.8%減少に転じ、1万台を割り9879台であった。前の月の6月に比べても若干台数を落とした。原付一種の今年7月までの累計台数は、前年同期に比べ7.4%増加しており7万6034台となる。
51~125㏄の「原付二種」では前年月比で7カ月連続へと減少を更新し、前年同月に比べ半数に満たない59.4%減少の大幅なマイナスとなり5764台であった。原付二種は6月と比較しても比較的に大きく減少した。7月までの累計台数では、前年同期比32.2%減少の5万5561にとどまった。
さらに、126~250㏄クラスの「軽二輪車」でも、前年同月に比べ50.5%減少して3097台であった。今年7月までの累計台数では、前年同期に比べ若干増え0.8%増加となり3万7328台であった。
251㏄以上の「小型二輪車」は、前年同月に比べ25.3%減少となり5491台にとどまった。小型二輪車については唯一、前の月の6月4668台よりも台数は増えた。累計台数では、5月まで前年同月を大きく上回ったことで、6、7月のマイナスを穴埋めでき、前年同期比19.6%増加を維持した。
7月の出荷台数は昨今では最大の下げ幅となる。7月全体の2万4231台だけで、全国の法人化する販売店の事業者数は、2016年時点で2866法人(経産省調の経済センサス)にとどまる。1事業所あたりにすると7月の納入台数は8・45台となる。全国の販売店の事業者は個人を含めて7698事業者で、このうち4832事業者が個人となり、メーカー系専売店化が進む中では、こうした個人事業者には新車が行き届かないといえそうだ。