二輪車の市販用タイヤの販売が急降下した。日本自動車タイヤ協会の調べによる4月のタイヤ販売本数によると、新車用タイヤは前年同月を超えたが、アフター市場での市販用タイヤは、タイヤ各社の値上げによる影響が挙げられる。
自動車タイヤ協会に加盟するメーカー、輸入メーカー品を含めた4月の国内二輪車「新車用タイヤ販売本数」は、前年同月に比べて9.5%増加し8万1000本であった。しかし、前月の3月の8万3000本との比較では2.4%減少となるものの、昨年に比べて比較的に安定して推移しており、新車の生産状況に比例しているものといえる。1月からの新車用の累計本数は前年同期比8.7%増加の33万7000本で、累計では昨年7月から連続して同期を超えている。
一方、4月の「市販用タイヤ販売本数」は前年同月に比べ26.6%減少して9万4000本にとどまった。前月の3月に比べると41.6%の減少となり、大きく落ち込んだ。タイヤメーカー各社がこの春の一斉値上げをしたことで買い控えが影響したといえそうだ。1月からの累計本数では、前年同期に比べ29.6%少ない41万6000本となる。
他方で、海外からの二輪車用「輸入タイヤ本数」は財務省の貿易統計によると、3月は前年同月比で3.5%減少して25万8412本であった。しかし、前月の2月の19万4434本との比較では32.9%増えた。流通では為替の円安が続く一方で、タイヤメーカー各社の値上げを見据えて3月に業者らが通常以上に輸入したものと思われる。
主な輸入先地域では、前月に続き最も多いのがタイで2月の8万1584本であったが3月は8万9958本に拡大。次いで3月は台湾が多く4万4842本。中国が2月の3万2300本よりも若干減って3万1704本、ベトナムが2月の1万7533本よりも減少して1万0800本。続いて欧州からスペインの1万0519本と続く。