国内における3月の「新車出荷台数」は全体では増加したものの、内訳ではよろこぶものではなさそうだ。3月の「新車出荷台数」(自工会=日本自動車工業会調べ)は、今年の推移でみると全クラスで前月の2月よりも拡大した。ただ、2月同様に、51~125㏄の原付二種を除いた他のクラスでは前年月に比べ減少であった。
新車出荷台数は、メーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付車から251㏄以上の小型二輪車までの、全クラスを通して一つの指標で流通台数として確認できる唯一のデータ。さらにオートバイ業界全体に大きく影響するため、関係企業や担当者らが注目する重要な指標の一つとなっている。
3月の排気量各クラスの合計は、前月の2月に比べて19.2%増加し、前年同月比では4.1%の増加で3万9073台であった。2月の前年同月比2.2%増加よりも3月は伸び幅が拡大した。1月からの累計でも2月までは前年同期比でマイナスであったが、3月にようやく0.6%超えて9万9286台となった。
排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」は前年同月に比べ17.2%減少の1万1863台であったが、前月の2月に比べると63.1%の増加となり、年頭からの推移からみると大幅な増加といえる。1月から3月までの累計台数は前年同期比23.2%減少2万6356台となる。
51~125㏄の「原付二種」は前年同月比で59.3%の大幅な増加で1万6417台であった。原付二種は1月から連続の前年月比で大幅な増加をしめし、前月の2月に比べても3月は2.7%増加し、1月から3月までの累計台数でも同期比で58.7%の増加で4万3509台となる。
126~250㏄クラスの「軽二輪車」の3月は、前年同月に比べ6.3%の減少で5311台であった。軽二輪車は昨年7月から9カ月連続の前年月割れを更新した。ただ、今年の傾向からみて前月の2月に比べると22.6%の増加となる。軽二輪車の1月からの累計販売台数は、前年同期比で7.6%減少の1万5706台となる。
251㏄以上の「小型二輪車」は前年同月に比べ24.1%の減少で5482台であった。ただ、前月の2月に比べると5.7%増加となる。1月からの累計台数では前年同期比で31.3%減少して、昨年とは異なり低調に推移している。
3月の出荷台数は、全体の合計台数では前年比でプラスとしたが、主に貢献したのは原付二種でほか3クラスは軒並み前年月比でマイナスであった。ただし、いずれのクラスも前月の2月に比べて増加となっている。
昨年は原付二種、軽二輪車の台数が伸び悩んだが、今年は原付二種が大幅に増え、逆に小型二輪車と原付一種の減少が目立つ。特に小型二輪車は今年の推移では1月からの推移をみると増えているが、昨年に比べ減少していることから、販売店にとって収益性が高くアフターサービスでも点検実施の見込みが高いため今後の推移に注目が集まるところだ。