ENEOSホールディングスと国産二輪車メーカー4社は3月30日、電動二輪車の共通仕様バッテリーのインフラ整備を目的とする新会社「株式会社Gachaco(ガチャコ)」を4月1日に設立したと発表した。今年の秋をめどに電動二輪車の共通仕様に適合したバッテリーのシェアリングサービスを東京などの大都市圏から開始する予定。バッテリー交換ステーションは、駅前やENEOSのサービスステーションなどへの設置を検討する。
新会社会Gachacoへの出資比率はENEOSホールディングスが51%、ホンダは34%、カワサキモータースとスズキ、ヤマハ発動機の3社がそれぞれ5%となる。Gachacoの代表者には渡辺一成氏がCEO(最高経営責任者)に就く。同社では電動二輪車の共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供、シェアリングサービスのためのインフラ整備を行う。
ENEOSは電動モビリティをはじめ、バッテリー循環利用の仕組みBaaS(Battery as a Service)プラットフォームの構築を通じて、電動モビリティ普及の課題である「長時間充電の面倒さ」「外出時のバッテリー充電切れへの懸念」を、エネルギー供給事業者の立場から解決し、循環型社会の実現に貢献する。一方、ホンダ、ヤマハ発動機、カワサキモータース、スズキは電動二輪車の普及、拡大に向けた、電動二輪車用交換式バッテリーの共通仕様合意、共通利用環境整備の検討。5社は電動モビリティの普及という共通の目標から連携して、共通仕様バッテリーのシェアリングサービスを提供することで循環型社会の実現にさらに貢献していく。
Gachacoは今年秋に、電動二輪車の共通仕様に適合したバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」のシェアリングサービスを東京などの大都市圏から開始する計画。バッテリー交換ステーションでは「Honda Mobile Power Pack Exchanger e:」を、駅前などやENEOSのサービスステーションなどへの設置を検討するとしている。
将来的にGachacoでは電動二輪車用にとどまらず、商業施設や住宅などに設置する蓄電池などの様々な製品においても共通仕様バッテリー利用の促進を目指すとしている。さらにシェアリングサービスで発生した消耗バッテリーは、ENEOSが検討しているBaaSプラットフォームを通して、2次利用・3次利用・リサイクルすることで、バッテリーの循環利用を促進する。
Gachacoは電動モビリティを利用するすべての人に、充電切れの心配がなく、安全・安心に利用してもらうためにバッテリーの給電ネットワークをインフラとして構築することを目指し脱炭素、循環型社会の実現に貢献していくという。