
いまや単なる趣味を超え、Z世代の価値観や消費行動に深く根付く「推し活」が若者文化として定着している。こうした「推し活」が、若者の金銭感覚や情報行動にどのような影響を与えているのかを把握するため、Z世代の中心である現役大学生・大学院生を対象に、テテマーチ株式会社(東京都目黒区)が運営するサキダチラボは、Z世代の「推し活」に関する実態調査を行った。
調査はサークルアップ内のアンケートオファーにより、今年3月12日~13日の期間、全国の大学生・大学院生(男性109人、女性241人)のうち、「推し」がいると回答した350人の回答をまとめたもの。調査結果より、「推し活」を行う大学生の多くが、時間もお金も過度に使わず無理のない範囲で楽しむ、Z世代ならではの堅実な消費行動が浮き彫りになったとしている。
調査では推し活は、Z世代の間で一つのカルチャーとして確立されていますが、推し活に使う時間についての質問では「週5時間未満」が63.1%、使うお金は「月1000円未満」が44.0%で、堅実さが際立ったとしており、ライト層が約半数が推し活の主流は「週5時間未満・月3,000円未満」の無理しないスタイルとしている。さらに「推し活=ハマると散財」といったイメージとは異なり、推し活への時間とお金の消費の仕方が多様化してきているという。
推し活におけるお金の使い道について尋ねたところ、惜しみなくお金を使っている活動として最も票を集めたのは、「イベントに参加する」が40.9%、次いで「公式グッズを買う」は17.4%、「CD・DVDを買う」が16.3%の順に割合が高たっか。このように上位の項目は、推しに直接つながる消費が多いことがわかり、支出は“体験型”を重視傾向が強く、モノ消費は“賢く選ぶ”が基本という。
また、推し活の情報収集については、SNSが中心で全体の86%がSNSを活用。ヘビー層はXが95.5%の利用率が特に高く、Instagramは77.3%、YouTubeでは54.5%、TikTokが45.5%などで、複数SNSを併用する傾向が見られたという。ライト層もSNSが主流でったが、テレビや知人など身近な情報源を使う割合が相対的に高いことが特徴であったという。
お金の“使い方”だけではなく“作り方”にも影響しており、節約・バイト時間の増加で、推し活資金を確保する動きが顕著としている。推し活に力を入れる層では、「節約」は95.5%であったに加え、「バイトの掛け持ち・シフトを増やす」が63.6%、「不用品の販売」も22.7%などとなり、資金を生み出す行動も活発であったという。また、ライトな層では「特に意識していない」が約3割を占め、無理のない範囲で楽しむスタイルが主流。推し活は、お金の“使い方”だけでなく“作り方”にも影響しているという。
また、自らの情報発信についての質問では、ライト層は、消極的で「まったく発信しない」と回答した者が49.1%、発信する場合でも週1回以上発信する人は約2割にとどまり、ライト層は情報発信するよりも「受け手」として、提供される情報やコンテンツを純粋に楽しんでいることがわかった。
一方、ヘビー層は情報発信に積極的な人が多く「ほぼ毎日」が22.7%と、「週に数回」の22.7%を合わせると、約半数が週1回以上の頻度で発信。また、「まったく発信しない」と回答した者はわずか4.5%であった。この比較から、推し活レベルの高さと、推しに関する情報発信の活発さとの間には、正の相関があることがわかったとしている。
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