住友ゴム工業は2023年12月期の第3四半期連結決算で、7~9月の事業利益が過去最高の249億円であったとしている。1~9月の累計で増収、増益であった。
通期累計での売上高は前年同期比8.9%増加の8507億0200万円、事業利益が239.1%増加し同419億6400万円、営業利益は同321.3%増加して414億4300万円となり、税金費用を計上後の最終的な親会社の所有者に帰属する四半期利益は同89.3%増加の272億0500万円であった。自己資本比率は昨年末時点の44.6%から今年9月では3.5ポイント増やし48.1%に高まった。
海上輸送コストが前年同期と比較して大きく低下し、原材料価格の高騰やエネルギーコスト高も一服したため前年同期比で利益が大幅に改善した。一方で、グループ全体で2027年を目標年度とした中期計画の実現に向けて経営基盤強化、全社プロジェクトを強力に推進、顧客ニーズに対応した高機能商品を開発や増販などでの取り組みを理由に挙げている。
この内、タイヤ事業の売上収益は前年同期比9.0%増加の7205億9400万円、事業利益は同835.3%増加し318億5300万円であった。国内新車用タイヤは、自動車メーカーの生産制約は緩和し足元の販売状況は前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは市況の停滞に加え、7月からの冬タイヤの値上げの影響で販売がやや低調であったことで前年同期よりも減少。海外では新車用タイヤは、主要の中国で前年同期割れが響き前年同期をわずかに下回ったほか、市販用タイヤはアジア、中国ではコロナの影響で大きく落ち込んだ前年同期を超えたが、市況低迷の影響で低水準であった。東南アジアも市況が低調な中で販売が下回った。
欧州ではインフレ進行の影響で消費マインドが低下に加え、暖冬により冬タイヤの需要の低調が影響し販売は前年同期を下回った。北米では低採算品の販売を抑制したことで前年同期を割ったが、主力のファルケンブランドは市場で好評を得ているワイルドピークシリーズが好調で前年同期を超えた。南米は前年同期並みであった。
1~9月の二輪・産業用他のタイヤ本数は前年同期比で新車用が110%、市販用が81%で合計では91%であった。