
住友ゴム工業(山本悟・社長)は2024年度の連結決算が、売上高と事業利益で過去最高であった。タイヤ事業の売上が過去最高で、事業利益率では7.3%となり2027年目標の中期計画を前倒して達成した。為替での1米ドルあたり前年比11円増の152円、1ユーロあたり同12円増の164円であった。
2024年度の売上収益は前年比3%増の1兆2119億円、売上収益から売上原価と販管費を引いた事業収益が同13%増の879億円、営業利益では同83%減の112億円、当期利益は同73%減で99億円であった。税引き後の事業利益を投下資本で割ったROICは前年5.7%から6.5%になり、自己資本利益率のROEは同6.3%から24年度は1.5%、総資産利益率のROAが同6.2%から6.7%とした。
事業別ではタイヤの売上収益が前年比4%増の1兆0464億円、事業利益は同20%増の762億円。スポーツ事業の売上収益が同1%減で1257億円、事業収益は同37%減で79億円、産業品他での売上収益は同10%減の398億円、事業利益では140%増の39億円となる。
タイヤ事業では国内新車用タイヤは、一部の自動車メーカーの減産の影響と冬用タイヤで前年を割った。また、戦略的に低採算品を減らしたことで全体の販売本数が前期を下回った。一方で次世代オールシーズンタイヤを10月に発売し、市場で高い評価を受け、同時に初年度の販売目標を上回ったとしている。
海外での新車用タイヤでは、アジアでの日系自動車メーカー向けが大きく減少し、市販用タイヤはアジア・太平洋州地域で、中国での市況低迷の影響、東南アジアでも低調であったが、太平洋地域全体では前年並みであった。欧州ではFALKENブランドの強みであるオールシーズンタイヤなどで拡販を進め効果を得たが、一時的な供給不足が響き前期を下回った。北米では前期比で微減となったが、主力シリーズ製品を中心に増販したほか、二輪車用タイヤも堅調に推移した。南米は海上運賃の下落を背景に市場に輸入品が増加し厳しい販売環境であったが、販売代理店との連携で拡販に努めたことで前期を超えた。
タイヤ本数は全体で前期を下回ったが、為替の影響もありタイヤ事業は売上収益、事業利益で増益となった。
期末の資産合計は1兆3411億円で前年比744億円増えた。負債合計は6653億円で400億円の増加し、資本合計が6758億円となり344億円の増加となる。自己資本比率は前年よりも0.4ポイント減って48.9%とした。

決算説明に臨む山本社長
◆2025年度の見通し
売上収益は前年比3%増の1兆2500億円、事業収益が同8%増の950億円、営業利益では同651%増加の840億円に大きく伸長、当期利益でも同356%増の450億円を見込む。指標のROICでは前年6.5%と同じ6.5%、ROEは同1.5%から6.7%、ROAが同6.7%と同じ6.7%としている。
タイヤでは売上収益を前年比4%増加、事業利益では9%の増加としている。米グッドイヤー社よりダンロップの商標権などを取得し、一部地域を除き同社がグローバルにダンロップブランドを展開していく。