広告掲載について
トップ連載/インタビューバイク業界ウォッチ

伊MVアグスタ、体制改善進む  製品開発・生産・物流など強化   新型モデル投入も計画

伊MVアグスタ、体制改善進む  製品開発・生産・物流など強化   新型モデル投入も計画

2025.06.13

twitter facebook line
伊MVアグスタ、体制改善進む  製品開発・生産・物流など強化   新型モデル投入も計画

伊MVアグスタは6月9日、新たな資本の下で製品開発や物流、販売体制などで早期回復が進んでいることを表明した。最新の開発情報を提供できる段階にあるという。KTMグループからの分離、必要な基礎業務システムなどは稼働しているなどとしており、さらにビジネスの継続性を確保し、サプライヤーなどと顧客への混乱回避を進めるとしている。

 

同社はKTMグループからの脱退が順調に進んでおり、すべてのITシステム関連や業務などの既存プロセスは必要な限り稼働していることを明らかにしている。さらに今後の活動の継続性を確保し、パーツメーカなどのパートナーと、市場や顧客の混乱を回避することを進めているという。

 

これまでのPIERER Mobility AGの傘下より、Art of Mobilityへの完全所有権の正式な譲渡が最終段階にあるという。これにより世界のオートバイ市場での独立性を再確認や、地位を強化などにおける重要な一歩としている。世界の国際市場での事業の大幅な拡大に着手しており、ヨーロッパやアメリカ、オセアニア、アジアの主要市場を管理するために、各市場で独立した事務所を開設する準備を進めている。

 

各市場では輸入業者と契約が締結しており、既存のディーラーネットワークの全体は確保し、世界中で戦略的な拡大のための取り組みを進めているとしている。

 

特にスペアパーツは当面の間、KTMのロジスティクスネットワークと連携して運用を続け供給の安定化を図る。一方で、同社は倉庫保管からパーツ配送までの全体を管理する世界有数の物流パートナーとの契約を結んでいるという。パーツは注文から7営業日以内に世界中に配送することを目的に、独自のスペアパーツ流通システムへ今年の年末までに移行させ完了させる予定。

 

今年1月にKTMグループより分離契約して以来、同社は運用効率とブランドアイデンティティ強化のため、デザイン部門であるCentro Stileをシランナにある歴史的なMVアグスタ工場に移転させる。これにより部門間のシナジー効果を高め、製品開発プロセスの合理化、当社のMade in Vareseの伝統が強化できるという。

 

並行して、リーン生産モデルを取り入れた新しい工場レイアウトが実装でき、プロセスの効率とコスト最の適化を向上させ、以前、外部で管理されていた生産段階を内部に取り込むとしている。

 

製品では、今年の見本市であるEICMA 2025の直前に発表予定の新モデルの開発が最終段階にあることも示している。このモデルは前世代のパーツがわずか1%で、それまでとは異なる革新と卓越性を示すモデルという。2026年以降も追加の新モデル開発も順調に進め、全製品ラインナップを刷新して新しい市場セグメントに参入する計画も明かしており、飛躍への段階にあることを強調する。

 

さらにハイパーパフォーマンスを再定義することを目的とした新しいエンジンプラットフォームの開発を開始。今年のEICMA 2025で発表するとしている。

 

価格戦略でも見直す機会として、新しい価格設定ではブランドの独占性の維持、市場での需要のバランスを反映したものに設定。キャッシュプランやバルーン決済などの金融決済などを展開。製品の品質へ強調では、5年間の工場保証を導入。保証はすべての製品モデルを対象としている。

 

 

MV Agusta Motor S.p.A.のエグゼクティブディレクターのルカ・マーティンは「KTMの財政難の初期から私たちが直面してきた課題を考えると、短期間での進歩は私たち人々の強さと献身について多くを語っています。オペレーション、デザイン、プロダクションなど、あらゆる分野で目覚ましい反響が見られました」などとしている。さらに「これからの道のりにさらにモチベーションが上がっています。MVアグスタは、その独立性を再確認しているだけではありません。それは、卓越性と信頼性の上に築かれた新時代の基盤を築いています」と、飛躍への期待のことばを述べている。

twitter facebook line