伊ドゥカティは、創業100周年を記念した特別コレクション「Collezione 100」を発表した。ブランドの歴史を象徴する10台の名車をモチーフに、現行モデルへ特別なカラーリングと専用装備を施した限定シリーズで、各モデル世界100台のみを生産する。
発表はMotoGPイタリアGPの開催地として知られるムジェロ・サーキット。ドゥカティが歩んできた100年の歴史の中から、レースでの栄光や技術革新、市場拡大の転機となった出来事をテーマに選定し、それぞれを現代のフラッグシップモデルで表現した。
コレクションは単なる記念モデルにとどまらない。各車にはシリアルナンバー入りプレート、専用カラー「チェンテナリオ・ブロンゾ」、刺繍入りシート、専用ダッシュボードアニメーションなどを採用。さらに専用バイクカバーやリアスタンド、真正証明書に加え、イタリア人アーティストのウーゴ・ネスポロ氏による直筆サイン入りアート作品も付属する。V4モデルには専用木製クレートでの納車も用意されるなど、コレクターズアイテムとしての価値を高めている。

モデル構成は以下の10機種。
・Panigale V4 S 100(750 Imola Desmo/1972年)
・Panigale V2 S 100(750 Super Sport Desmo/1975年)
・Streetfighter V4 S 100(900 Sport Desmo Darmah/1979年)
・Monster 100(Monster S4Rs Tricolore/2008年)
・XDiavel V4 100(750 Super Sport “California Hot Rod”/1977年)
・Diavel V4 RS 100(900 Replica/1979年)
・Multistrada V4 RS 100(500 SL Pantah/1979年)
・Scrambler 100(250 Scrambler/1962年)
・Hypermotard V2 SP 100(860 24 Horas de Montjuïc/1975年)
・DesertX 100(Pantah Ice/1981年)

中でも象徴的なのが「Panigale V4 S 100」。1972年のイモラ200マイルレースで、ポール・スマートとブルーノ・スパッジアーリが優勝した750 Imola Desmoをオマージュしたモデルだ。この勝利は当時絶対王者だったMVアグスタ勢を破る歴史的快挙であり、ドゥカティを世界的ブランドへ押し上げた原点ともいえる。
また、1977年のデイトナでクック・ニールソンが勝利した「California Hot Rod」をモチーフとしたXDiavel V4 100は、ドゥカティが北米市場で飛躍する契機となった出来事を再現。さらに、ブランドの代名詞ともいえるMonsterやScrambler、近代ドゥカティの技術的転換点となったPantahなどもラインアップに含まれている。
100周年を「走るアート」で表現 世界へも発信
Collezione 100の特徴は、単なるヘリテージカラーの再現ではなく、歴史やデザイン、テクノロジー、アートを融合させた点にある。
10種類のカラーリングは、それぞれドゥカティ史における重要な出来事を現代的な感性で再解釈したもの。さらに、そのデザインはMotoGP参戦マシン「Desmosedici GP」にも採用され、ムジェロGPで特別カラーとして走行する予定となっている。
同シリーズに合わせて専用ヘルメットやジャケットを展開するほか、アイウェアブランドCarrera、ラゲッジブランドPiquadroとのコラボレーション商品も発表している。
Collezione 100は、7月開催の世界最大級のドゥカティファンイベント「World Ducati Week」で一般公開した後、英国のGoodwood Festival of Speedでも展示される予定。その後はイタリア・ボローニャ周辺のミュージアムで公開する。
創業100周年という大きな節目を迎えたドゥカティは、Collezione 100を、単なる限定車ではなく、レース活動、技術革新、デザイン哲学によって築き上げたブランドの歴史そのものを商品化したプロジェクトといえる。世界限定100台という希少性も相まって、熱心なドゥカティスタやコレクターの間で高い注目を集めることだろう。




