日本二輪車オークション協会(福田博介・会長)は3月23日、「第11回通常総会」を都内のホテルで開き、令和4年2月から令和5年1月までの事業報告と決算、次期事業計画案と収支予算案などすべての議案で可決した。
総会は全14会場で出席は12会場、委任2会場で議案審議が行われた。事業報告では警察庁生活安全局生活安全企画課の指導と協力の下、盗難二輪車の照会回答業務、走行距離改ざん防止のための二輪車走行距離管理システムの運用、加盟会員によるオークション流通実績などの取り組みについて報告された。
このうち盗難二輪車の照会回答業務では、盗難の延べヒット件数は362件あった。二輪車走行距離管理システムでは加盟会場の会員業者に、新規で警告文発送件数が2件、車両の異常件数は4万8608台であったとした。
令和4年のオークション流通台数では、全14会場で出品台数は前年比0.2%減の39万0955台、成約台数が同2.8%減の32万7178台で、成約率は同2.2ポイント減って83.7%であったと報告。決算は黒字で報告されている。
次期事業計画では既存の活動を重点に取り組むほか、予算案でも承認を得た。役員の改選では理事であった﨑本雄介氏に代わって、内藤崇史氏が就く人事を決めた。
◆福田・会長の開会のあいさつ
関係省庁や団体ほか関係各社に日頃の協力に対し感謝のことばを述べた。一方で、福田会長は半導体不足の影響もいまだに続きており、新車生産の完全な回復には至っていないなどと、中古バイクのオークションを取り巻く環境について触れ「オークション出品台数では4年連続での減少となる一方、平均成約率は85%と高い水準を維持している。円安基調による輸出増や販売店様のオークションへの出品減少などが背景ある」とオークション流通の状況を挙げた。
こうした環境を背景に「引き続き販売店様からの中古バイク需要は高まるものと考え、走行表示の適正化や距離数の巻き戻しなど、一層に流通の健全な発展に取り組んでいきたい」と姿勢を述べた。
◆徳山勇秀・副会長の閉会あいさつ
ここ数年間で、新しくオートバイに乗り始めたライダーが相当増えたことを取り上げ「我々オートバイ業界としては、ありがたいこと」とする一方で「同時に我々の責務である、贓物品の流通を防ぎオートバイ流通を健全なものにすることの重要性と使命感を感じる」などと述べ閉会した。
◆懇親会に逢沢議員らが駆け付けた
総会後には懇親会が開かれ、来賓として自民党オートバイ議員連盟会長の逢沢一郎・議員、同連盟の今村雅弘・議員、三原じゅん子・議員の代理人、そして全国オートバイ組合連合会の大村直幸・会長が出席した。
逢沢議員と今村議員は同協会への理解と今後の取り組みにエールを送るあいさつをした。また、AJ大村会長は、乾杯のあいさつで「オークション協会が取り組んでいる二輪車の健全な流通は、非常に重たい事業であり、盗難情報の開示であったりメーターの不正の確認作業だったり、大切な事業が行われており、そこで我々が扱うオートバイが、いま非常に健全な状態で行われるようになってきた」とオートバイ業界での同協会の活動の重要性を挙げた上で、感謝のことばを述べた。また、AJとしても健全化に取り組む同協会の協力を呼びかけた。その後、バイクオークションなどの発展を祈念して乾杯を行った。