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ヤマハ発「2024年12月期の連結業績」売上高で過去最高  利益は減少

ヤマハ発「2024年12月期の連結業績」売上高で過去最高  利益は減少

2025.02.14

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ヤマハ発「2024年12月期の連結業績」売上高で過去最高  利益は減少

ヤマハ発動機は2024年12月期の連結業績で、売上高が過去最高を更新した。売上高が前年よりも6.7%増の1614億円多い2兆5762億円。一方で、営業利益は同25.6%減の624億円少ない1815億円、営業利益率は前期10.1%から3.1%マイナスの7.0%、親会社の所有者に帰属する当期利益では同31.8%減の504億円少ない1081億円であった。為替換算レートは、米ドル152円(前期比11 円安)、ユーロが164円(同12円安)であった。

 

自己資本利益率のROEも前期よりも5.9ポイント減の9.7%、総資産に対する利益率ROAは3.5ポイント減の6.8%であった。販売金融を含むフリー・キャッシュ・フローは前期比782億円増の481億円のプラスとなった。

 

 

本業の儲けの営業利益は4 年ぶりの減益となった。半導体の供給が改善し、二輪車のプレミアムモデルの供給が回復した一方、コロナ禍に高まったアウトドアレジャー需要は先進国を中心に落ち着き、マリン事業やRV事業、SPV事業については、需給の調整に取り組んだ。こうした経営環境で、中期経営計画に基づき各事業の戦略の推進と同時にコストダウンなどに取り組んだ。結果、全社の成長性、収益性の各財務指標は目標を達成したとしている。

 

特に、二輪車のコア事業が安定的に収益を上げた一方で、成長事業は市況悪化の影響を受け、成長率が低下した。また、新規事業は新ビジネス、新会社の立ち上げなどが進捗したが目標とする売上収益には届かなかった。構造改革事業ではパワープロダクツ、プール、スノーモビル事業の整理、連結子会社ヤマハモーターエレクトロニクスの吸収合併などは、当初計画通りに進んだ。

 

二輪車事業が含まれるランドモビリティの業績は、売上収益が前期比1301億円増で8.2%多い1兆7154 億円、営業利益は同420億円減で33.0%少ない855 億円であった。二輪車事業については、先進国の販売台数が欧州主要国で需要が増加し、欧米の販売も増加したことで前年を上回った。新興国は需要が増加しているインドやブラジルを中心に販売が増加し前年を超えた。

 

この結果、事業全体の販売台数は増加した。売上収益ではブラジル、インドにおける販売台数の増加および台当たり単価の向上により増収。営業利益は、新興国でのプレミアムモデルの供給改善により販売台数は増加した一方、物価高騰に伴う人件費や製品保証引当金繰入額などの販管費の増加により前年並みとなった。

 

地域別の出荷台数は、日本が前年比1%増の7万3000台、北米は同7%減の7万6000台、欧州は同10%増の24万7000台、アジアが同11%増加で430万台、その他が同2%増の73万3000台であった。

 

 

マリン事業の売上収益が前期比98億円増で1.8%減の5377億円、営業利益は同164億円減で15.7%少ない878億円。ロボティクス事業では、売上収益が前期比115億円多く11.4%増の1133億円、営業損失は前期の営業利益7億円が30億円であった。金融サービスは、売上収益が前期比257億円増で29.7%多い1122億円、営業利益では同56億円増で32.6%増えて227億円。その他の事業は、売上収益が前期比39億円・増え4.1%増の976億円、営業損失が前期の営業損失56億円から115億円となった。

 

◆次期の見通し

中東情勢や地政学リスク、中国経済の低迷、米国新政権の追加関税などの各種経済政策に伴う世界経済への影響や為替変動など、不透明な状況が続く中で、ランドモビリティ事業における新興国での二輪車需要は堅調とし、マリン事業の船外機需要は緩やかに回復すると予想。一方、資材価格の高騰や人件費およびエネルギーコストの継続的な上昇が予想されることから、コストダウンや生産性向上に取り組む。コア事業については、研究開発や新製品開発、生産設備の強化など持続的成長を図る。

 

これにより売上収益は前年比4.8%増の2兆7000億円、営業利益が同26.7%増の2300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益では同29.5%増の1400億円を見込む。為替レートは米ドル145 円(当期比7円高)、ユーロ155円(同9円高)を前提とする。

 

2025 年~2027 年までの新中期経営計画では、ポートフォリオ経営をさらに進化させ、事業セグメントをコア事業、戦略事業、新規事業に変更。将来的に保持するすべての事業で、投下資本利益率であるROICで12.5%を上回る経営を目指すとしている。

 

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