ヤマハ発動機は2025年12月の通期業績が、減収・減益であった。米国の関税政策を含む各国の経済政策や為替変動などの不透明が続いた一方で、米国・欧州の政策金利の引き下げなど、政府の景気刺激策が経済を下支えした。主力の二輪であるMC事業の需要は底堅く推移したものの、マリン事業とロボティクス事業、SPV 事業、アウトドアランドビークル(OLV)事業である戦略事業では、一部需要が想定を下回ったことが影響した。
2025年の売上収益は前連結会計年度に比べ1.6%下回る2兆5342億円、営業利益が同30.4%下回る1264億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同85.1%下回り161億円であった。当連結会計年度の為替換算レートは、米ドルが前期比2 円の円高の150 円、ユーロは同5 円の円安169 円であった。

事業別業績では、主力のランドモビリティ事業は増収増益を確保した一方、マリンおよびアウトドアランドビークル(OLV)事業が大幅減益となり、米国関税や固定資産減損の影響が収益を圧迫した。
ランドモビリティ事業は増収増益であったが、MC事業は減益。ランドモビリティ事業の売上収益は前年度比0.3%上回る1兆6151億円、営業利益は同4.7%上回る1087億円と増収増益であった。ただ、MC事業の売上収益は前年並みの1兆5781億円、営業収益が同2.0%下回る1235億円となる。二輪の日本市場が伸長したものの、欧米需要の減少により販売台数は微減。新興国ではベトナムが減少した一方、インドネシア、フィリピン、タイが増加し、全体では前年並みの売上であった。ただし、調達コスト上昇や研究開発費・人件費増、米国関税の影響により営業利益は減少した。
SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車椅子)は海外完成車事業の見直しにより減収。一方、販管費削減や前期減損の反動で営業損失は縮小した。なお、ドイツのYamaha Motor eBike Systems GmbHの2025年8~12月分業績を含む。
マリン事業はウォータービークル不振で大幅減益。マリン事業は売上収益が前年度比1.9%下回る5276億円、営業利益では同39.0%下回る536億円であった。船外機需要は米国で軟調ながら全体では前年並みで、販売も欧米は堅調、アジア減少で横ばいとなった。一方、ウォータービークルは米国需要減少により販売減した。販管費増加や関税影響も重なり減益となった。
アウトドアランドビークルなどのOLV事業の売上収益は前年度比17.2%下回る1485億円、営業損失が前年度は174億円であったが損失398億円となり赤字が拡大した。RV事業では四輪バギーが堅調だったが、ROV減少や米国関税、固定資産減損の計上が響いた。LSM事業(ゴルフカーなど)は米国を中心に需要減少し、販管費増も加わり減収減益となった。
ロボティクス事業は売上収益が前年度比1.6%下回る1115億円、営業損失は前年度の30億円の損失から6億円に縮小。生成AIや先端パッケージ向け半導体後工程装置が伸長した。製造経費削減と採算改善で赤字は大幅に縮小した。
金融サービス事業は売上収益が前年度比1.7%上回る1140億円、営業利益は同7.3%下回り211億円であった。販売金融債権増加で増収となったが、金利スワップ評価益が評価損へ転じたことで減益となった。その他事業は、売上収益が同27.4%下回る174億円、営業損失は前年度の124億円から166億円に膨らんだ。パワープロダクツ事業の事業譲渡関連費用が影響した。
2025年の二輪車の世界市場での販売台数は、前年度496万1000台に比べ微増の499万9000台であった。このうち日本が前年度7万2000台であったが2025年は7万6000台に増加、北米が同8万2000台であったが2025年は7万9000台、欧州は同22万6000台が21万台、アジアは同386万3000台であったが2025年は390万3000台、その他は同71万8000台が2025年は73万1000台であった。


◆2026年(1月~12月)連結業績の見通し
2026 年度の当社グループを取り巻く環境は、通期での米国関税の影響などがあるものの、2025年度に比べ増収・増益を見込む。売上収益では前年度比6.5%上回る2兆7000億円、営業利益では同42.4%上回る1800億円、親会社の所有者に帰属する当期利益では同621%上回る1000億円としている。
MC事業の新興国での販売台数が増加、マリン事業の船外機の販売台数も増加を見込む。戦略事業(ロボティクス事業、SPV 事業、OLV 事業)では、2025年度に発生した有形固定資産の減損損失がなくなることや構造改革の効果により、収益性の改善を見込む。為替レートは米ドル155 円(当期比5 円の円安)、ユーロ175 円(同6 円の円安)を前提とする。




