ヤマハ発　新型「Ténéré700 ABS」発売　　「走破性」進化・ツーリング「利便性」高めた

ヤマハ発動機販売は、アドベンチャーモデル「Ténéré700ABS」をモデルチェンジした2025年モデルを3月31日に発売する。“クロスプレーン・コンセプト”に基づく、水冷4ストロークDOHC、直列2気筒の270度クランク688cm3エンジンを、軽量ボディに搭載した。国内年間販売数は500台を見込む。

 

同機種は、“The Total Ténéré – Top in Adventure”をコンセプトに開発。オフロードでの高い走破性を進化させながらツーリングでの利便性も高めた。主な変更点は、「YCC-T」（電子制御スロットル）採用、走行モード切り替えシステムやトラクションコントロール、機能を充実させたクイックシフター（アクセサリー設定）など走行支援テクノロジー、前後サスペンションの最適化、一体型フラットシート採用やタンク形状変更などによるライディング自由度向上、“つながる”機能搭載の専用設計6.3インチフルカラーTFT縦型メーター、ラリーイメージの新作ヘッドライトを装備した。

 

車体耐久性や整備性の高さ、荷物積載時の高い適応力など、オフロードの走破性とツーリングでのユーティリティ性を高次元でバランスさせたアドベンチャーモデルとしている。また、「Ténéré700 ABS」（145万2000円）に加えて、ローダウンシート＆ローダウンリンクを装備したアクセサリーパッケージ「Ténéré700 ABS Low」（税込価格147万4000円）の販売も予定。詳細は後日発表する。

 

【主な特徴】

◆「YCC-T」採用、全回転域で滑らかなトルク特性を実現

「YCC-T（Yamaha Chip Controlled Throttle＝ヤマハ電子制御スロットル）」を新たに採用した。これによりCP2（クロスプレーン・コンセプトの2 気筒）エンジンが備える全回転域でのリニアでスムーズな吹け上がりを支え、ライダーの操作にリニアに反応する出力特性を実現したという。またインテーク形状を変更したことで低回転域でのトルクアップを達成し、低速域でのオフロード走破性をさらに高めたという。

 

◆走行モード切り替えシステムやトラクションコントロールなど走行支援テクノロジー

2つの走行モードを選べる機能と、ON・OFF 可能なトラクションコントロール（TCS）を搭載した。走行モードは、オフロード走行用に鋭いスロットルレスポンスが得られる「SPORT」と街中での扱いやすさを重視した「EXPLORER」の2つから選択が可能。

また、加/減速時いずれもシフトアップ＆ダウン可能なクイックシフターも別売アクセサリーとして設定した。継続して、前後ON、前後OFF、リアのみOFF が可能な3 モードABS を搭載する。

 

◆高性能な走りを支える前後サスペンションの最適化

43mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションは、バルブのセッティングを見直すとともにプリロードアジャスター付とした。初期作動がよりなめらかになり、接地感を得やすいという。リアもストローク量を増やし、底付きしにくい減衰特性を備えたリザーバータンク付きリンク式モノクロスサスペンションを採用。フロントと調和して作動し、過酷な条件下でも高いパフォーマンスを発揮するという。

 

◆ライディング自由度の向上

ライダー側とパッセンジャー側とが一体となったフラットシートを採用した。また、燃料キャップをフラットタイプのものへ変更し、燃料タンク形状も見直して天面を低く抑えることで、車両上でライダーが動きやすいよう視覚的に表現したという。さらに、クラッチのプッシュレバー位置を変更し、アクチュエーションポイント（赤丸のクラッチワイヤーがエンジン側に接続される部分）を35度後部に移動。プロテクションカバーも変更し、ライディングブーツの邪魔になりにくいレイアウトとしている。

 

◆つながる機能搭載の専用設計6.3 インチフルカラーTFT 縦型メーター

直感的に操作可能な新作ハンドルスイッチなどの機能装備を同機種専用に新設計した6.3 インチフルカラーTFT縦型メーターを採用した。走行に必要な情報が見やすいレイアウトとし、スピードメーターやタコメーターの他、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。各機能の情報操作、セレクトは直感的に操作できる新作の統合型ハンドルスイッチで行うとしている。表示パターンは、従来同様、好みに応じて「EXPLORER」と「STREET」の2つのデザインテーマから選択が可能。専用アプリ「Y-Connect (Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続することで、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できるという。さらにスマートフォン経由でGoogle Mapsを連携させるで、交差点などでの進行方向を矢印アイコンなどで表示するターンバイターン表示にてナビゲーションを表示するという。USB-C充電ポートも標準装備している。

 

◆ラリーイメージの新作ヘッドライトと新スタイリング

ヘッドライトの4灯LEDを従来の丸からシャープな印象の四角へ変更した。取り付け位置を若干高めにし、配光などを新たに作り込んで光量を十分に確保したとしている。同時に新鮮でアグレッシブな印象を作りあげたという。ヘッドライトのアップデートにあわせて、外装も一新した。特徴的なハイフェイスと細身の車体による、一目でアドベンチャーモデルとわかる独創的なシルエットを継承してたという。カラーリングは、YZF-R やYZ シリーズとも連動したヤマハのスポーツイメージを象徴する“ブルー”、堅牢さとアドベンチャーイメージを表現し、アウトドアシチュエーションにマッチする“マットグレー”、1980 年代前半のヤマハのラリーマシンを想起させる“ライトブルー”の3色を用意した。

 

◆その他の新装備

• 搭載位置を変更しカバーを装着したサイドスタンドスイッチ。丸太や岩場に乗り上げた際にも抵触しにくくなり、オフロード走行を支える。
• 大型化により、快適性とマシンコントロール性の向上に寄与するフットレスト。ラバーの取り外しが可能で、ラバー装着時はツーリング時の快適性、ラバーを取り外すとオフロード走行時のグリップ性に貢献。
• 「二段階フラッシャー機能」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー

 

◆カラー / 税込価格

・ディープパープリッシュブルーメタリックC (ブルー/新色）/ 145万2000 円

・マットイエローイッシュグレーメタリック2 (マットグレー/新色）/ 145万2000 円

・ブルーソリッドA (ライトブルー/新色）/ 145万2000 円

 

◆主要仕様諸元

・全長×全幅×全高 2,370mm×935mm×1,455mm

・シート高 875mm

・車両重量 208kg

・原動機種類 水冷・4 ストローク・DOHC・4 バルブ気筒数配列 直列2 気筒

・総排気量 688cm3

・最高出力 54kW（73PS）／9000r/min

・最大トルク 68N・m（6.9kgf・m）／6,500r/min

・エンジンオイル容量 3.00L

・燃料タンク容量 16L（無鉛レギュラーガソリン指定）

・変速装置／変速方式 常時噛合式6 速／リターン式

・タイヤサイズ（前／後） 90/90-21M/C 54V／150/70R18 M/C 70V （前後チューブタイプ）