ヤマハ発動機は11月8日、2021年12月期の第3四半期連結累計期間の業績を発表した。売上高は、前年同期比27.7%増加の1兆3626億円、営業利益は同74.4%増加させ1546億円、経常利益では68.9%増加させ1606億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1370億円で、第3四半期連結累計期間で過去最高となるとした。
売上高は、半導体をはじめとした部品供給不足を受けた生産減少などの影響を受けたものの、販売台数や販売単価の増加により、全社では増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、リモートワークなどのデジタル活用による固定費や製造経費の抑制、販売金融引当費用の減少などの結果、物流費や原材料費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となった。8月に実施したヤマハ株式会社の株式売却益128億円を特別利益に計上した。
二輪車を含むランドモビリティ分野では、売上高は同29.3%増加し8820億円、営業利益が14.7%増加させ604億円とした。先進国での二輪車は、コロナ禍でアウトドア・ファミリーレジャーの活況により、オフロード系製品を中心に需要を伸ばし、販売台数も増加し増収・増益とした。一方、半導体等の部品不足とコンテナ不足による物流の遅れで市場在庫不足が続いた。東南アジアでの新型コロナの影響で、工場・販売店稼働率が低下したが、インドネシアなど活動制限も緩和され回復傾向という。同時にプレミアム製品の販売増加でモデルミックス改善が進み、増収・増益とした。
RV製品でもレジャー需要が継続したほか、電動アシスト自転車では日本向けの完成車や欧州向けE-kitの販売好調が続きなど、いずれも増収・増益とした。
営業利益で上方修正
11月8日は、今年12月期通期の連結業績予想の営業利益で上方修正を発表した。修正の理由に、売上高は半導体などの部品不足で販売機会損失と東南アジアなどでの新型コロナウイルス感染症の再拡大影響を受け、前回予想を下回る見通しとした。一方で、営業利益は減収の影響はあるが、より一層の経費削減を実行し、前回8月5日発表の1600億円の予想を、120億円上回る1720億円の見通しと上方修正した。