伊ファンティックやランブレッタなど世界の多数メーカーの日本総代理店であるモータリスト合同会社(東京都大田区)は、中国・重慶(Chongqing)のChongqing Nicot Industry and Trade Co., Ltd. (Nicot社)の商品取り扱いを開始した。取り扱いモデルは150~250㏄クラスのオフロードモデルや電動モデルの7機種。価格帯は税込33~77万円となる。
モータリストは「バイクを楽しむこと」を第一の目的としており、課題の一つである車両金額を抑えてユーザーが購入しやすく、容易に遊びに出かけられる商品を用意することを目指している。「遊びづくりこそがオートバイへの世界を広げていく」をポリシーに挙げている。
取り扱うNicot車両は、モータリストがテストし価格、製品のバランスに優れ、圧倒的な高性能でほかには得られない製品である点などの特徴を持つ車両に絞り込んだとする。
◆ピットバイクシリーズ
・PT150(税込価格36万3000円)
横型の空冷4サイクル単気筒エンジンを搭載。これまでの125㏄モデルからフレームの設計を変更し、150㏄の出力、トルクに適した車体に改善。ファンバイクとして信頼性に優れるエンジンは、ミニサイズの車体と合わせバイク遊びの窓口として楽しめるモデルに仕上げられたという。
・PT190(税込価格44万円)
横型の空冷4サイクルエンジン車としては最大の排気量の190㏄エンジンを搭載。Zongshen社が製造する信頼性の高いエンジンとしている。車体は専用設計とし力強い角型パイプによるメインバックボーンフレームが強力なトルクを支える。サスペンションストロークも豊かになりピットバイクシリーズながらも本格的な走りでファンライドの実現を提供する。
・Korak ADV140(税込価格33万円)
縦型の空冷4サイクルエンジンを搭載したミニアドベンチャーモデル。サイズ感を超える装備と小粋なデザインが魅力となる。KorakのKorは、カモシカのように敏捷に都会を駆け抜けるという意味。楽しさ抜群でありながら驚異の価格も魅力としている。
◆フルサイズオフロードシリーズ
・230X(税込価格44万円)
空冷230㏄エンジンをフルサイズのボディに搭載。安価にオフロード走行をフルサイズモデルで乗りたいと考えるユーザーにアピールするファンモデル。
・250XT(税込価格77万円)
水冷2ストロークエンジンは自社開発製。欧州トップブランドで設計に従事してきた技術者もが求める1台とするならば、レーシングマシンよりも耐久性に優れるビッグタンクを装備する同モデルの様なスポーツマシンとなる。混合給油のため実質的にはクローズドコース向けのファンモデルとなる。
◆電動モーターサイクルシリーズ
・eWOLF(税込価格55万円)
キッズバイクを超えるキッズバイクがeWOLFという。TORROTのような既存の電動キッズマシンをサイズアウトした次に乗りたい電動バイクを目指し、価格と性能、耐久性のバランスを徹底的して設計された。eBikeで実績にあふれるトップブランド、Bafangが設計、提供するパワーユニットは5kwを超える高出力を発揮し大人も虜にしてしまう魅力にあふれるモデルとする。
・eFOX SS(税込価格74万年)
Nicotが目指す電動モーターサイクルの一つがスポーツオフロードモデル。オリジナルのフレームにパワフルな10kwモーターを搭載。トランスミッションを備えたモデルの提供を目指し実証実験を重ねてきたが、コストバランスやマーケットニーズによりシングルモーターで市販モデルに仕上げた。コストパフォーマンス最強の電動オフロードとしてゲームチェンジャーを目指すモデルという。
Nicot Moto正規販売店については、既存のモータリスト契約販売店で取り扱う。同時にモータリストでは新規契約販売店も募る。これまでNicot車両を販売してきた店舗も取り引き可能としている。モータリストならではのアフターサービス体制とパーツ供給を武器に、ライダーへの窓口を広げていきたいと考える積極的な販売店との契約を求めている。
◆Nicot社についてとモータリスト取り扱い経緯
Nicot社は2014年に起業。モーターサイクル向けの部品やアクセサリーを製造し、次第にモーターサイクル本体開発へと傾倒。現在ではキッズバイクから450㏄クラスのオフロードモデルまでのラインアップを誇る。
エンジンは当初、中国国内で入手しやすい4サイクルエンジンを中心に構成してきたが、欧州の大手メーカーのエンジニアを招き技術力を高めているという。中国で多くみられる部品を集めて組み立てるメーカーとは大きく異なり、オリジナルの2サイクルエンジンを開発するなど、自社で設計し目的に合った商品を製造する力のあるマニファクチャラとして成長しつつあるメーカーという。
製品モデルをオフロードに絞り込んでおり、レースを通じて技術力向上を図り、深化の著しいオフロードバイクを開発し続けることで自社の技術力を高めていく姿勢によるものとしている。Nicot社では新たに工場を建設。3万平方メートルを超える広大な工場を製造拠点とし、現在では世界50か国以上に車両を輸出。
Nicot社の車両はすでに日本で一部の車両が販売されていたが、Nicot社は正規契約を締結し正式パートナーを探求してきたとする。一方、モータリストはその幅広い人脈、さらには自社開発による電動モーターサイクルの設計などから中国のモーターサイクル産業や自転車産業界の多くの知己などのつながりを頼る形でNicot社からアプローチを受けた。通常のインポーターを超える長期的なパートナーとして製品の開発、品質向上を支援しながら日本における販売代理店をモータリストが務める方向で合意。Nicot社が開発し車両テストを行い情報提供することで車両の熟成を加速させ、先に開催された東京モーターサイクルショーで公開に至ったもの。