
ホンダは、2029年中に本社を東京・八重洲(中央区)に移転すると発表した。ホンダ青山ビルの所有権の一部を三井不動産レジデンシャルへ譲渡する。
同社はあらためて次の本社機能を担うオフィスを検討してきた。この結果、1960年から1974年まで本社機能を担っていた八重洲ビルの跡地を含む八重洲地区再開発エリアへの本社機能移転が最適と結論づけ八重洲への移転を決めた。
八重洲地区再開発エリアにオフィスを構えた場合、1フロアあたりの面積は、青山ビルと比べて約6.8倍、さまざまな領域、部門を超えて従業員が集まり働くことができるようにする。これにより組織としてのさらなる生産性向上や新たな価値の創出を目指す。
八重洲はホンダにとって東京進出を果たした地。世界に向けて果敢にチャレンジし続けて現在のHondaの礎を築いた、ゆかりのある場所です。八重洲地区は東京駅に近接しており、国内外からの交通利便性に加え、最先端の技術や情報が集積するグローバルでも有数のオフィス街となっている。現在、各所で再開発が進み、今後さらなる都市機能の強化が期待される地域。
一方、青山ビルはビル設計の考え方やホンダを取り巻く事業環境などを総合的に踏まえ、自社で有する建物および土地の所有権の一部を、三井不動産レジデンシャルへ譲渡する。譲渡後はホンダと三井不動産レジデンシャルが共同で新築建物への建て替えを進め、その後、同建物内の一部フロアをホンダが使用する予定で、ブランド価値向上のための新たな活用の場として、幅広く検討を進めていくとしている。
本社機能を八重洲に決定したことについて同社は、青山ビル誕生から40年が経ち、社会や産業が急速に変革に向かう状況の中で、ホンダは将来にわたり人々や社会から「存在を期待される企業」であり続けるために、「イノベーションを生み出す変革と発信の拠点」となるグローバル本社機能の構築を目指し検討。この実現できる新たなビルへの建て替えを2023年9月に決定し、2030年度の完成を目標に準備を進めてきた。
イノベーションを生み出す源泉は、個人が役割を超えて徹底的にお互いの意見をぶつけ合い、成果を出す「ワイガヤ」というコミュニケーション文化にあり、現在の本社機能の仮移転先の虎ノ門は、多くのフロアに分かれず、1つの空間で従業員が働く「ワンフロア」のスタイルを採っており、その中で部門などを超えて従業員同士の結びつきが強まるとともに、多様な人材が集まり従来以上に活発な意見交換、ワイガヤが行われることで、さまざまなイノベーションのアイデアが生まれつつあることを実感したことを挙げている。
・本社移転先:八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業、東京都中央区八重洲二丁目4~7番
・竣工年月:2029年1月末
・階数・高さ:地上43階 地下3階、約227m
・敷地面積:約1万9560㎡
・延床面積:約38万9290㎡
・主要用途:事務所、店舗、劇場、サービスアパートメント、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場など

ホンダが入る「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」 外観イメージパース(東京駅八重洲口側)