ホンダは10月31日、排気量50㏄スクーターで大規模な台数に及ぶリコールを国土交通省に届け出た。不具合対象機種はタクトやジョルノ、OEM生産するヤマハ発動機のJOG、Vinoのなどで、2件2部位の不具合で合計108万3789台と交換修理用部品として出荷した3632個となる。
不具合は、ストップスイッチ接点潤滑用グリースの材質および当該スイッチのブレーキレバーブラケット組付作業が不適切なため、スイッチ接点間のアーク放電によりグリースが炭化することがある。そのため、そのまま使用を続けると炭化したグリースによる発熱でスイッチ内の樹脂が溶けて、接点部の可動接点が作動不良によりブレーキレバーを握らなくても制動灯が点灯する。または、接点部の導通不良によりブレーキレバーを握っても制動灯が点灯せず、エンジンが始動できなくなるおそれがあるというもの。
対象機種はタクトで平成30年4月13日~令和6年3月29日、ジョルノで平成30年4月16日~令和6年3月29日に製造車両 ヤマハのJOGとJOG Deluxeで平成30年3月15日~令和6年3月28日の製造車両、Vinoが平成30年4月18日~令和6年3月28日の製造車両で計43万3498台。交換修理用部品として出荷し組付けられた車両が特定できたものでヤマハのJOG1台とストップスイッチ3632個。
2件目の不具合は、原動機においてクランクケースとミッションケースの製造工程での管理方法が不適切なため、当該ケースの合わせ面の密着性が不足し、ミッションオイルが漏れることがある。そのため、オイルの潤滑不良で異音が発生し、そのまま使用を続けるとケース内のベアリングが破損して最悪の場合、走行中に後輪がロックし転倒するおそれがあるというもの。
対象機種は、タクトで平成28年1月20日~令和6年9月18日の製造車両、ジョルノは平成27年9月18日~令和6年9月4日、Dunkの平成28年2月2日~令和6年8月1日、ヤマハのJOGとJOG Deluxeで平成30年3月15日~令和6年8月1日、Vinoで平成30年4月18日~令和6年7月19日の6車種で計59万8797台。Honda Vietnam製造のタクトとDunkで平成25年12月26日~平成27年9月30日製造の5万1493台となる。
不具合対象車両は最新技術や機能を搭載する大型車両とは異なり、比較的に従来からの基幹部位で、同社としては珍しい。だた、日常の利用で使われるスクーターとあって、大規模な台数にのぼったといえそうだ。