
伊ファンティック・モーター社(FANTIC MOTOR S.P.A.)の輸入代理店モータリスト合同会社(東京都大田区)は、ファンティック初のストリートスポーツモデル「STEALTH(ステルス)125」を発売する。
同機種は昨年のイタリア・ミラノで開催されたEICMA(国際モーターサイクルショー)で披露されたもの。125㏄と500㏄の2種類のエンジン、2種類のボディの計4モデルが用意され、人気の125㏄モデルより市場投入が開始され日本でもすでにファンティック正規販売店の店頭で予約受付が開始。早ければ3月にデリバリーが始まる見通しという。
ファンティックは1970年代にGranTourismo GT50というストリートスポーツモデルを導入し、当時ボーイズレーサーたちの羨望の的となった。初期のGT50はペダルバイクのエンジンを4速化してのデビューだったが、Super Sixと呼ばれる76年モデルからは6速のギアボックスを搭載。わずか66.3㎏の車重に40.3×39㎜のミナレリ製ショートストローク・エンジンを搭載し、デロルト製キャブレターによって高度にチューニングされ、13bhpを発揮、最高速も97.4km/hを公称するという、50㏄とは思えない超高性能であった。1981年にカタログ落ちするまで、GT50はファンティック唯一のストリートスポーツだったとしている。
ステルス125は2025年1月から導入された欧州の新環境規制のEURO-5+(ユーロ・ファイブ・プラス)に適合。可変バルブタイミング機構を備えるMM125エンジンは、ファンティックのエンジン開発からマシン製造までを一手に引き受ける北イタリア・ボローニャにあるモトーリ・ミナレッリ社が誇る高性能ユニットという。
EURO-5環境規制導入時にアップグレードされたばかりの水冷124.66㏄は事実上ヨーロッパの小規模メーカーのベンチマークとなり、BETA、SHERCO、RIEJU、VENTなど多くのメーカーがこのエンジンを
採用し、自社のマシンに搭載している。ファンティックはグループ会社としてのメリットを最大限に生かしてMM125に絶妙なチューニングを施し、4サイクル125㏄エンジンならではの扱いやすさと伸びやかなパワーキャラクター、そして高燃費で多くのライダーを魅了。
「ステルス125」はより厳しい環境規制に適合しながらも、MotoGP(MOTO-2)への参戦で培われた経験を生かしたエキゾーストなど魅力あふれる装備でストリートモデルへと昇華させているという。
ステルスのシャシーは、クロモリ鋼パイプをトラス状に組み合わせた堅牢なメインフレームに、アルミ削り出しのフレーム・プレート(スイングアームピボット&ステッププレート)を組み合わせたコンパクトな設計。エアボックスを前に、燃料タンクを中央に配置し、マスを集中化させた。若者層をはじめベテラン層にも充実した楽しみを存分に味わえるという。
FANTIC STEALTH 125 (ファンティック ステルス 125)
仕様諸元:
・車体寸法:全長1996㎜、シート高810㎜、ホイールベース1355㎜
・エンジン:水冷4サイクルSOHC単気筒、EURO-5+ 環境規制適合、可変バルブタイミング機構(VVT)
・最高出力:11kw@10,250rpm、
・排気量:124.66㏄ (52×58.7㎜)
・燃料供給:電子制御燃料噴射式(EFI)スロットルボディ口径:30㎜
・トランスミッション: 常時噛合式6速
・タイヤ:前110/70-17(F)、後150/60-17、ピレリ・ディアブロ
・ブレーキ:前320㎜+ラジアルキャリパー、後230㎜(R)
・フロントサスペンション:ファンティックFRS プリロード調整機構付
・リアショック:ファンティックFRS プリロード調整機構付
・灯火類:5インチTFTディスプレイ、Bluetoothユニット付き
・車両重量:129㎏
・燃料タンク容量: 12L
・安全装備:前後ABSシステム、コーナリングABSシステム、トラクションコントロールシステム(オプション)