日本二輪車オークション協会は3月21日、第12回通常総会を開き役員改選で会長を福田博介氏に代わって金島雅哉氏の就任を決めた。第11期の事業と決算および12期事業計画と予算など議案についても可決した。
新たな役員は会長に金島氏(ジャパンバイクオークション)、副会長は徳山勇秀氏(ビーディーエス)、福井二朗氏(大阪オートバイ事業協同組合)、理事には内藤崇史氏(荒井商事)、福田博介氏(オークネット)、筧洋一氏(同協会)、監事に和田剛氏(ジャパンバイクオークション)、成島正幸氏(ビーディーエス)とした。
総会への参加は13会場のうち委任状含め13会場が参加する中で議案審議が行われた。第11期事業報告では、昨年2月今年1月末までの盗難車照会回答業務では、12会場で検索件数104万7398台中、延べヒット件数は336台であった。走行距離の改ざんや不正防止を監視する走行距離管理システムでの走行距離減少が見られた車両は、新規履歴登録41万8882台のうち、異常件数4万8814台であった。警告文書発送は4件であった。
13会場のオークション流通では、出品台数が前期比7.0%増加の41万8471台、成約台数は同5.0%増加し34万3573台、成約率は同1.6ポイント下落し82.1%であった。
一方で、12期事業計画では引き続き盗難車照会回答業務、走行距離管理システムなどの各事業運営などを実施することを確認した。走行距離確認サービスのAPI版の提供を見込んでおり、費用については販売店管理事業費として走行距離確認サービスAPI版の開発費を計上し、全体では前年並みとした。
今総会では来賓として祝辞を述べた、警察庁生活安全局生活安全企画課の犯罪抑止対策の前田浩一郎・室長は令和5年のバイクの窃盗は約9900件、令和4年比で約2000件の増加。鍵つきでの被害が約4割を占めたとして注意を呼びかけた。また安全安心については地域の協力が必要だなどとし協力を呼びかけた。経済産業省製造産業局自動車課の是安俊宏・課長補佐は、コロナより経済が再始動し二輪車市場ではコロナ禍でも売り上げが好調で約40万台の水準を維持した。二輪車産業の成長では中古車市場の発展が必要不可欠として、健全な中古車市場、安心して購入できる市場への期待を述べた。バイクラブフォーラムを9月に宮崎で開催するなどとし協力を呼びかけた。
総会後は懇親会が開かれ、逢沢一郎・議員や今村雅弘・議員、三原じゅん子議員の代理人が駆け付けた。逢沢議員はこれまでの取り組みについて「結果も上がってきたかな」などと、自民党オートバイ議員連盟などによる成果を示唆した。全国オートバイ組合連合会の大村直幸・会長、同協会の関係者らも参加し情報交換に賑わいを見せた。乾杯は大村会長が音頭を取り祝杯を上げた。
◆金島氏の会長就任あいさつ
歴代会長をはじめ、役員、会員、関係各所の方々などに協力により相克距離管理システム、盗難情報の開示の運用など健全な中古バイク流通に必要不可欠なサービスを承継することができたとして感謝のことばを述べた。
走行距離管理システムのビッグデータなどは企業や団体、媒体や販売店への広く活用してもらい「中古バイク流通ではなくてはならないツールになった」と活動の重要性を強調。
また、昨年のオークション流通台数を取り上げ「4年ぶりの40万台超えとなった。コロナ禍での新車の供給遅延やバイクが注目されたが、バイクの相場も高騰に落ちつきつつあるが、円安による海外ニーズで高値を維持している状況だ」と現況を取り上げた。今後については「新基準原付の導入予定や特定小型自転車の動向、サブスクやレンタルなど新サービスが一般化し、将来の動向予測は困難だが、常に時代に合わせながら協会の皆さんと協力して役割分担をするように努める」などと意向を示した。
「安心な中古バイク市場の拡大に向け、走行距離改ざんシステムを推進し、バイク販売店や消費者に向け、より一層の健全なバイク流通の発展に努めていきたい」と決意強調した。