日本自動車工業会(自工会)が「2025年度 二輪車市場動向調査報告書」を公開している。本サイトでは前回4月27日の掲載に続き、二輪車の乗車意向や今後の動向などについての調査報告の内容を取り上げた。調査は2025年8月29日~同年9月24日の期間に、郵送での書面とインターネットでの有効回答数4164件を集計したもの。
既存ユーザーへの「二輪車の乗車意向や今後の動向」についての調査では、二輪車の継続乗車意向や環境変化による保有・乗車意向、次期購入計画など多角的な調査結果を示している。この中で「二輪車の継続乗車意向と年齢・性別」については、男性30~50代やオンロード大排気量ユーザーの継続意向が高い。
特に「ずっと乗り続けたい」が55%、「あと10年ぐらいは乗る」と答えた者は25%に及ぶ。60代では「ずっと乗り続けたい」は22%、「10年以内に乗らなくなる」が16%、70代以上では30%が乗らなくなる見込みが示された。女性では60代・70代では継続意向がさらに低下し、それぞれ17%と45%であった。
「環境変化による二輪車保有・乗車意向」については、駐車スペース喪失が最も保有中止の理由として挙げられ53%。経済的余裕喪失では47%、修理不能が40%と高い。「保有は続けるが乗る機会が減る」とする割合は、時間喪失が57%、体力低下として47%で高い。定年や新しい電動アシスト自転車購入、盗難は「乗り続ける」割合が高い結果であった。
「次期購入意向」と免許取得計画については、大型二輪免許の取得意向は27%で変動がなかった。最も希望される免許は「大型二輪」で14%、「普通二輪限定なし」は4%。20~50代男性やオンロード車ユーザーの取得意向が高い傾向となる。免許取得を希望しない理由は「時間・費用の制約」を理由にする回答が多く、取得したいが未取得の理由は「教習所通学時間」「費用高額」が上位であった。
一方、「二輪車の購入・買い替え・買い増し意向」については、買い替え・買い増し意向率は全体で41%と高い。20~50代男性は特に高く、57%の買い替え・買い増し意向。排気量の希望変更は大きく、現在より大きい車種を希望する割合が高かった。新規購入者は少なく、買い替え層が中心となっている。
調査では「任意保険加入状況と理由についても実施しており、任意保険の加入率は91%と高く、対人・対物賠償は90%超、対人傷害は71%、車両保険は19%で、加入理由は「自損事故の賠償負担回避」が最も多い。未加入理由は「保険料高額」が最多となる。高年収層ほど加入率が高く、低年収層は未加入が多い。任意保険の加入先と属性別傾向では、加入先は「保険代理店」が41%とトップで、インターネットや購入先も多く、特に50代男性やリターンライダーの利用が高い。性別・年代により加入先の偏りが見られた。
「任意保険の支払額と満足度」では、年間支払額の中央値は2.5万円であった。排気量や性別・年齢層で高額支払い層が存在。満足度は高く92%以上のユーザーが満足していると回答した。
「新基準原付については、原付免許保有者の関心が高く、「新基準原付」に対する興味の有無を免許種類別で見ると「原付免許」「四輪普通免許で原付」での興味関心度が高い。自身が保有する免許の基準変更ということから関心が高いと推察している。新基準原付の購入検討の意向率で「すぐに購入を検討したい」「近いうちに購入を検討したい」を合わせると、全体の10%にすぎない。一方で、属性別では、ビジネス原付第一種の「すぐに検討」の意向が高いほか、輸入車ユーザーや非ユーザーで「近いうちに検討」の意向が高いことが分かった。

「二輪車の貸出サービスの利用状況と理由」については、利用率は11%と低いが、オンロード車や輸入車ユーザーの利用は多い結果となった。利用理由は「乗ったことがない二輪車に乗りたかった」が最多。利用先はメーカー正規販売店や全国チェーン店が中心。レンタルバイクの利用が圧倒的に多く、試乗や趣味・レジャー目的が多かった。
【非購入・非保有者について】
調査では非購入・非保有者についても、二輪車に関心を持つ非購入者・非保有者の意識や行動、免許取得意向、情報源、購入意向などを詳細に調査している。調査対象と調査設計で、対象者は免許保有・非保有、二輪車保有・非保有の3グループに分かれ、全国のインターネット調査で2025年9月に実施。サンプル数は非購入者150人、二輪非保有者300人、免許非保有者300人の回答をまとめたもの。
それによると「二輪車に対する意識と関心」については、最初のきっかけは「友人・知人」が多く、移動手段やデザイン性、楽しさに関心。今後の免許・車両取得意向は「ツーリングしたい」「興味があった」が多く、上位クラス免許取得理由は「ツーリング」「興味」が占めた。免許取得意向がない理由は「事故・ケガの心配」「通学時間の確保不足」が多い。二輪車のメリットは「狭い道路で走行しやすい」「ツーリングが楽しい」が上位。デメリットは「悪天候に運転しにくい」「冬・夏の運転が厳しい」が多く、特に40代以上や免許非保有者で顕著にあらわれた。
二輪車の情報源と楽しみ方については、情報源は「メーカーWEBサイト」「動画サイト」が多く、購入意向者は特に閲覧頻度が高い。今後やってみたいことは「日帰りツーリング」「宿泊ツーリング」が多く、特にオンロード保有者や再購入意向者で割合が高かった。二輪車やライダーのイメージは「かっこいい」「趣味性」「スポーティ」が強く、免許非保有者は「スポーティ」「おしゃれ」も関心を集めていることがわかった。
「二輪免許取得意向とその動機」については、免許取得意向は全体で高く、特に免許非保有者は「取得したい」「興味があった」を合わせ81%と多く、40代以上は他の年代と比べ免許取得意向が高い結果となった。取得したい免許は「大型」「普通二輪車限定なし」が多く、40代以上や再購入意向者で高い。免許取得理由は「ツーリング」「趣味」「周囲の影響」が上位。 取得意向がない理由は「事故・ケガの心配」「通学時間不足」「費用高」が多かった。取得条件は「時間的余裕」「費用低下」「経済的余裕」が重要という結果であった。
「今後の二輪車の購入・買替意向」については、非購入者の購入意向は43%、特に30代は40代以上に比べ10ポイント以上高い。二輪非保有者の購入意向は23%にとどまるが、大型免許保有者は高い。免許非保有者の購入意向は35%、年代が上がるほど購入意向が高い。次回購入排気量は126cc~400ccが多く、特に非購入者は36%となる。購入検討意向者は約30~40%の割合で存在し、特に免許非保有者は高い結果となった。

「レンタルバイクの利用と意向」については、非購入者では利用経験者は少なく、非購入者は11%、二輪非保有者では13%であった。利用理由は「乗ってみたかった」「出先で使いたかった」が多い。利用意向は免許非保有者が48%と高く、原付免許意向者は61%。利用検討や利用しなかった理由は「料金高」「場所不足」「乗りたいバイクがなかった」。将来的にはレンタル普及により「保有する」割合は増加し、愛着や便利さを理由に保有継続を希望している結果となった。
EV二輪車の認知と関心については、EV二輪車の認知率は「名称と特徴も知っている」が29%、「聞いたことがある」は63%。非購入者の興味・関心は「スクーター」「オンロード」が多く、購入意向者は「スクーター」が高い。EV二輪車のタイプは「スクーター」「オンロード」が人気。認知度は「名称と特徴も知っている」割合は低いが、「聞いたことがある」は高い。興味・関心は免許取得意向者や再購入意向者で高く、42%が購入検討意向を示した。
125㏄以下の原付一種の出力4kW以下に抑えた新基準原付と規制の認知については、新基準原付の認知率は37%と低く、詳細内容まで知っているのは11%にとどまった。40代以上や原付免許意向者で認知率が高い。興味・関心は免許取得意向者で高く、53%が興味ありという結果であった。購入検討意向は36%で、再購入意向者は39%に及ぶ。制度改革や規制緩和の要望は「税制」「駐輪場」「免許制度」が多い。
【調査結果のまとめ】
調査結果では、非購入・非保有者の二輪車に対する意識や行動、免許取得・購入意向、EV二輪車の認知・関心、制度改革の要望など多角的なデータを提供し、今後のマーケティングや政策に役立つ重要な情報を示している。
◆二輪車購入検討意向の現状
二輪車に対する購入検討意向は高く、特に40歳以上では49%、免許非保有者の41%が購入を検討している。
◆新基準原付の購入意向と興味
新基準原付に興味を持つ保有者は多く、すぐに購入検討したい層は平均3.06%、40代以上では38%、免許取得意向者は平均3.30%。また、免許非保有者の興味はやや低い。
◆二輪車の乗車きっかけ
趣味や実用性がきっかけとなり、アニメや映画、レース、アルバイト、家族の影響など多様な理由が挙げられる。実用的な理由と趣味性の両面が存在。
◆二輪車の機能・装備への関心
LEDヘッドライトやグリップヒーター、ドラレコなど安全・利便性向上の装備に高い関心。グリップヒーターは人気だが、手の甲を温められない課題も指摘。
◆販売店の評価と信頼感
「店の信頼感」「対応の良さ」が満足度の上位要素。 メーカー専売店はラインナップや信頼性で優位。 地元や信頼できる店舗を重視する声が多い。
◆若者の二輪車意識
デザイン性や旅行目的での利用を重視し、周囲の影響も強い。 若年層は二輪車を趣味や移動手段として捉え、親や友人の影響が大きい。
◆新規顧客へのアプローチ
体験機会の提供や女性向け商品・情報発信が重要。 魅力的な商品開発と安全性・マナー向上の活動が求められる。
◆リターンライダーの動機
趣味や回想、家族の理解不足が再購入の理由。出産や盗難、維持費負担などの理由で一度離れた後、再び乗り始めるケースが多い。
◆新基準原付への認知と関心
認知率は高いが、興味は原付免許所有層に限定。 サイズや重さに不安を抱くユーザーも多く、状況次第で検討を控える傾向。
◆今後の市場活性化方針
魅力や機能の再整理と情報発信、若年層や新規層への訴求、安全性の向上、体験機会の拡大、店舗の信頼性向上、デザインやツーリングの提案、保険加入促進、新基準原付の魅力訴求を推進が挙げられる。



