日本自動車工業会(自工会)が「2025年度 二輪車市場動向調査報告書」を公開した。調査は国産二輪車新車購入者の属性、需要構造、購入・使用の実態など調査し、今後の市場動向を把握や二輪車需要の維持と拡大向けた取り組みの検討材料にしていくものとしている。調査は2025年8月29日~同年9月24日の期間に、郵送での書面とインターネットでの有効回答数4164を集計したもの。
調査での重要ポイントの要約としては、「二輪車需要と供給の現状と推移」として、二輪車の普及状況や人口動態の変化を踏まえ、需要と保有台数の推移を分析。二輪車需要台数は2010年度に大きく減少後、2015年度以降は30万台後半で推移。 2021年度に42万台超えたが、2023年度以降は再び30万台後半に減少したことを示している。
保有台数は緩やかに減少し続け、2022年度に微増した後、再び微減。総人口は減少傾向のあり、70代以上の高齢者人口は増加し、高齢化が進み二輪車の需要の変化を指摘する。排気量別需要は、国産車は251cc以上、輸入車は251cc以上の新車・中古車が中心となる。需要の変動は、コロナ禍の影響と高齢化に伴う市場環境の変化によるものとしている。
「二輪車ユーザーの属性と特性」については、ユーザーの性別や年齢、免許取得状況、保有台数などの属性と運転者の特性を分析している。このうち、男性が84%、平均年齢は56.5歳。40代以下は21%、若年層は少ないとする。オンロードの中では、251~400ccの平均年齢が53.6歳と最も若い。新規購入者の平均年齢は45.3歳となった。免許取得者は2023年度も30万人前後で推移。普通・大型二輪免許は微減、原付免許は微増。高齢者の免許保有率については高く、70代以上の大型二輪免許保有者が多い。二輪車の複数保有率は57%、平均保有台数は1.6台。普通自動車の世帯保有率は70%、軽四輪は46%。性別・年代別では、50代以上の男性が中心。女性や若年層の割合は少ない結果となる。

「二輪車の購入動機と興味のきっかけ」については、ユーザーが二輪車に興味を持ったきっかけや購入理由を分析している。興味・関心のきっかけは「友人・知人が乗っていた」「乗り物の魅力」「移動手段として必要」が多かった。購入理由は「経済性」「維持費」「乗り慣れた感覚」「爽快感」「カッコ良さ」などであった。
都市部では駐車の困難さが課題。特に東京23区では55%が駐車に困った経験あり。ツーリングやイベント参加も盛んで、楽しみ方や情報源は男性若年層が仲間や動画、専門誌が多かった。今後の需要拡大には、魅力や安全性の再認識と新ターゲット層への訴求が必要と指摘する。
「二輪車の購入・使用行動と意識」について、購買行動や使用状況、今後の意向について詳細に調査している。買い替えや増車の割合は「微増」傾向。「買い替え」は53%、「増車」は17%であった。使用頻度は「週3.2日」、月間走行距離は「約229km」。 大排気量モデルの「使用頻度が高い」結果であった。
二輪車の情報源は販売店、WEB、動画、専門誌。若年層は友人やSNSを重視としている。購入先の評価は、メーカー専売店が「信頼性高く満足度も高い」が、そのほかの正規販売店の満足度は「低め」となった。今後も継続乗車意向は「高い」が、駐車スペース不足や経済的理由で保有中止も懸念されていることがわかった。一方で、大型二輪免許「取得意向」や「女性」の免許取得意欲も高まっているとしている。


「免許取得と校則の影響」については、普通二輪免許は2023年度も30万人前後で推移。大型二輪免許は「微減」であった。免許取得者の年齢層は「50代以上」が多く、「70代以上」の保有者も多い。高校などの校則で免許取得を「制限した」ケースは60%、「免許禁止」は33%。特に男性の方が影響を受けやすいことが判明。このうち、校則の影響は「なかった」53%、一方「あった」は33%。オンロードや軽二輪で影響が高いとしている。免許取得のきっかけは「友人・知人」「移動手段」「魅力」など多様となる。
「使用状況と用途」では、二輪車の実態と用途は多様で、全体では「買い物・用足し」「ツーリング」「街乗り」が主要用途となる。男性は「ツーリング」「街乗り」「レジャー」が高く、女性は「買い物・用足し」「通勤・通学」が高い。原付二種やオンロード車は用途により「ツーリング」や「近場の趣味・レジャー」が多い。輸入車も「ツーリング」が人気。スクーターは日常用途、排気量の大きいオンロード車は非日常のツーリングに使われるケースが高い。平均週間使用日数は3.2日、月間走行距離は229kmで、女性の方が使用日数は多かった。
「ツーリング相手と行動パターン」については、全体の84%が「一人で」ツーリングし、次いで「バイク仲間」27%、「友人・知人」19%。女性は「一人で」が57%と最も多く、「夫婦・恋人」45%、「家族」17%も高い。オンロード車は「バイク仲間」「友人・知人」が多く、小型二輪や大排気量車は「家族」も高い結果であった。
「需要構造の変化と購入形態」では、全体の購入は「代替(買い替え・複数所有買い替え)」が53%、「再購入」は19%、「買い増し」が17%、新規購入は11%であった。特に若年層や女性は新規が多く、50代以上は「買い替えや買い増し」が中心。オンロード車は多様な購入パターン。排気量別では、増車は50ccと251~400cc、代替は401cc以上、再購入は126~250ccで増加であった。
「購入理由と動機」については、新規購入は「生活の必要性」(移動時間短縮、交通不便解消)が高く、オンロードは「趣味として楽しみたい」「憧れ」「デザイン」などのポジティブ理由が多い。買い替え理由は「古くなった」「調子が悪くなった」が多く、趣味やデザイン重視の理由もある。
さらに「購入時の情報源と検討期間」では、販売店の「実物」が最も多く17%、次いで「メーカーWEBサイト」が16%、「動画サイト」は15%。若年層はSNSや口コミも重視する傾向が高かった。購入検討は「2カ月前まで」が多く、スクーターは「1カ月前」、オンロードは「半年以上前」から検討される傾向。
「支払い方法と価格」については、全体の88%が「一括払い」、「分割払い」は11%。平均車両価格は約50万円。401cc以上の「小型二輪や軽二輪」は分割払いの割合が高く、29%に達する場合もあった。
「二輪車の駐車問題など」については、都市部では駐車に困るケースが多く、特に駅周辺や繁華街での経験が高い。全体の「出先で駐車困難経験者」は31%、「自宅や月極め駐車場」では3%であった。特に東京23区では出先の駐車困難率が55%、繁華街も高い。駐車困難の場所は「駅周辺」が70%、「繁華街」では63%で観光地も割合が高い。
「二輪車の楽しみ方と情報源」では、ツーリングやカスタム、ドレスアップなどの楽しみ方があり、男性は多くの趣味を楽しむ一方、女性は控えめ問結果であった。最も多い楽しみ方は「日帰りツーリング」に72%で、次いで「宿泊ツーリングやワインディングロード」走行。男性はツーリングやカスタム、SNS発信を楽しむが、女性はあまり活動しない結果。情報源は動画サイトや二輪車専門誌、口コミが多く、若年層は友人・知人の話を重視。今後の参加意向では、工場見学や試乗会、海外ツーリングなどの割合が高かった。
「二輪車の購入先と満足度」については、購入先はメーカー正規販売店やメーカー専売店が多く、満足度はメーカー専売店が高かった。購入先は46%が「メーカー正規販売店」で、37%が「メーカー専売店」。オンロード車はメーカー専売店、スクーターやビジネス車は正規販売店での購入が多かった。満足度はメーカー専売店が高く「店の信頼感」「対応の良さ」「提案力」が重視されていることが示された。満足度の高い項目は「店の信頼感」「対応の良さ」「店内の雰囲気」。一方、正規販売店の満足度は低く「修理技術力」「試乗車の有無」の課題が浮き彫りになった。
「点検・整備と入庫理由」では、購入先への入庫が多く82%が「購入先」と回答。購入先以外の入庫理由は「訪ねるのに不便」「馴染みがない」「対応が良くない」などとなった。購入先に入庫しなかった理由は「訪問場所の不便さ」「費用の高さ」などで、購入先に入庫しなかった層は、予約の必要性や費用面を重視している。購入先への入庫は「店の対応」「メンテナンスパック加入」が理由として多かった。
購入先選択では「信頼感」「対応の良さ」「相談しやすさ」を重要視する者が多い。特にオンロード車は30~50代は多岐にわたる重視点を持つ。店舗選択の重視点は「信頼感」「対応の良さ」「提案力」「店内の雰囲気」など。これらの点は全体的に高い比率で重視されている。
「購入先の満足度と評価」については、満足度はメーカー専売店が最も多く、多くの項目で高評価となった。メーカー専売店は「店の信頼感」「対応の良さ」「提案力」が高く、満足度も高い結果であった。正規販売店は満足度が低く、「修理技術力」「試乗車の有無」が課題として浮き彫りになった。全国チェーン店は「展示」「店内の広さ」などで高評価だが、「修理力」は低い結果であった。



