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【調査】中小の人事評価、成長に影響大  日本人事経営研究室が調査  制度運用は92%が賃上げ実施

【調査】中小の人事評価、成長に影響大  日本人事経営研究室が調査  制度運用は92%が賃上げ実施

2025.12.20

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【調査】中小の人事評価、成長に影響大  日本人事経営研究室が調査  制度運用は92%が賃上げ実施

全国の中小企業で人事評価制度を運用している企業と、そうでない企業との差が大きく、人事評価制度の運用が企業の成長に大きく影響していることが、日本人事経営研究室株式会社(東京都渋谷区)の調査でわかったもの。

 

調査は2025年10月10~14日に全国の中小企業の人事評価制度を運用している経営者や役員100人と、同制度を運用していない経営者や役員100人の計200人より、インターネット調査を実施したもの。まず、直近1年間に賃上げを実施についての質問では、人事評価制度を運用している中小企業では92.0%が「賃上げを実施」していたのに対し、運用していない企業は44.0%と両者の間に大きな差があることが判明。

 

人事評価制度を運用している企業では、従業員の業績や貢献度に基づいて賃上げを実行しやすく、評価が賃金に反映される仕組みが整っていることから賃上げに繋がっているとする。制度が運用されていない企業は、賃上げの実施にあたって基準が不明確な場合が多く、賃上げ額が感覚的に決定される場合もあるため、賃上げの実施が不定期、または行われない可能性も指摘する。

 

直近1~2年の業績についての質問では「業績が向上した」と回答したのは、人事評価制度があるが53.0%、ないとしたのは26.0%であった。人事評価制度の有無が業績にも大きく影響していることが明らかとなった。

 

人事評価制度を運用する企業に、人事評価制度による効果を聞いたところ「従業員のモチベーションが向上した」が45.0%となり、次いで「昇進・昇格の実施がスムーズになった」が37.0%、「賃上げができた」が36.0%という結果を得た。人事評価制度は、従業員のモチベーションアップやキャリア成長に直結し、企業全体のパフォーマンス向上に寄与しているとしている。

 

社員に対する評価が適正にできているかどうかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じている」「少し感じている」を合わせると90.0%と大半を占めた。一方、制度を運用していないは53.0%となり大きな差があった。人事評価制度がない企業では、評価基準が曖昧であるため、従業員が評価の公正さに疑念を抱きやすく、会社への信頼感の低下、モチベーションの低下に直結する可能性を指摘する。

 

さらに、社員の離職の原因についての質問では、人事評価制度を運用する中小企業では「職場環境」が38.0%、「給与や待遇への不満」が37.0%で多い結果となった。一方、人事評価制度を運用していない企業は離職原因を「わからない」と回答した割合が44.0%で最多であった。経営層と従業員のコミュニケーション不足が離職の要因となっている可能性も示唆する。

 

「社員が目標を持って、成果を出すことを意識して働いている」と感じるかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じている」と「少し感じている」を合わせると83.0%であった。一方で制度を運用していない中小企業では60.0%にとどまった。人事評価制度があることで従業員が自身の目標や、あるべき状態を理解し業務に臨むことができ、成果への意識も根づいているとしている。

 

 

人事評価制度を導入していない中小企業に、導入しない理由を聞いたところ、最も多かったのは「導入しても効果を感じにくいから」が28.0%、次いで「他の優先事項があるから」が25.0%、「人事評価制度のノウハウを持っていないから」が22.0%であった。「導入しても効果を感じにくい」という理由として、人事評価制度が十分に運用されていない、または間違った運用がされていることを挙げている。

 

今回の調査により人事評価制度を運用している中小企業では、賃上げや業績向上が見られ、従業員のモチベーションや育成効果も高いことが明らかになりました。これに対して、人事評価制度を運用していない中小企業では、賃上げや業績向上に限界があり、従業員とのコミュニケーション不足などの課題が明らかとなりました。これらの課題を解決するためには、人事評価制度や経営計画を効果的に運用し、そして従業員と経営側の双方向のコミュニケーションを促進することが重要としている。

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