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【特集・トップに訊く2023】 BMW Motorrad/佐伯要Gマネージャー   店舗は「体験の場」へ!  今年は、供給などの基本分野・ブランド認知向上に取り組みたい

【特集・トップに訊く2023】 BMW Motorrad/佐伯要Gマネージャー   店舗は「体験の場」へ!  今年は、供給などの基本分野・ブランド認知向上に取り組みたい

2023.02.18

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【特集・トップに訊く2023】 BMW Motorrad/佐伯要Gマネージャー   店舗は「体験の場」へ!  今年は、供給などの基本分野・ブランド認知向上に取り組みたい

2021年12月にBMW Motorradの責任者に着任した佐伯要ジェネラルマネージャーは昨年、車両の入荷遅れなどで前年比を割ったものの、5000台以上の販売台数を維持した。佐伯ジェネラルマネージャーにとって昨年が通年での初年度にあたる。1年の活動で見えてきた課題、今後の取り組みなどについて本サイトの取材に応じ考えを述べた。(取材:鈴木香)

 

 

――着任後に間もなく2022年がはじまりました。二輪の市場で見えたものは。

「モーターサイクル市場は2年連続で伸びています。ただ、売れているのは各メーカーでも一部の車種がけん引しています。BMWの車両でいえばレトロ調のR nine Tシリーズが好調でした。そのほかに主力のアドベンチャー系のGSは日本で好調なモデルで、変わらず市場ニーズをとらえたモデルといえます。

 

 

結果的に、2022年のBMWの販売は小型二輪が5387台で、軽二輪に属する電動スクーターCE‐04を含めると約5500台になりました。本音を言えばもう少しいけたのではないかと思っていますが、世界的にもBMWは好調でしたし全体的には良かったと思います。当然、日本市場の需要も悪くはないと捉えています」

 

 

――ここ3年間で二輪免許取得者が増えました。

「二輪免許取得者が増えましたが、BMWの商品の主力は必ずしも『初めてのバイク』の選択肢に入るモデルではありませんので、免許取得後、3年から5年後に『次のバイク』としてステップアップしたいと考えるお客様にしっかりと購入していただける様に、いろいろアプローチしていければと考えています」

 

 

――昨年の取り組みについては。

「昨年が着任1年目でしたので、まずは積極的にディーラーへ足を運び、直接話す機会を数多く作りました。いままでと異なり通訳を介さずにディーラーの方々と直接コミュニケーションが行えることで、ディーラーからも意思疎通がしやすくなったのではないかと思います。課題も少しずつみえ始めてきましたので、今後も引き続きディーラーの方々と直接話をしながら課題解決を図っていこうと思います。

 

 

また、昨年はコロナの感染対策を施した上でイベントを開催しました。イベントは有益で重要な要素だと思います。その点ディーラーの皆さんにもきちんとお伝えをしていますし、ディーラー主体のイベントも非常に活気があります。ディーラーの方の中にはイベントに参加されるお客様に、タイヤを交換されてから参加してはいかがですかなどといった提案を行い、お客様のモチベーションを高めると同時に販売促進にもつなげている方もいらっしゃいます」

 

本サイトの取材に応える佐伯ジェネラルマネージャー

 

――1年間取り組まれ、課題が見えてきたと思いますが、どのような事柄でしょうか。

「業界全体の課題でもありますが、ディーラーの人員不足は課題のひとつです。私どももディーラーの人材募集の支援は積極的に行っていますが、なかなか難しいのが現状です。

 

 

人材募集では二輪業界はじめ、ディーラーでの待遇面が背景にあるように思います。昔に比べるとやや改善傾向にあるかと思いますが、待遇面も含めてより魅力的な仕事だと認識していただけるように業界全体で頑張っていかなくてはいけないかと思います。

 

 

もう一つの課題としては、ディーラーネットワークです。約10年で倍近いほどBMW Motorradの市場が広がり、ビジネスを長期にわたって展開しているディーラーや比較的に新しいディーラーなど多様化してきました。しかし、店舗数をみると増減を繰り返しながらも過去10年で劇的には増えていません。年間6000台までは冬季を除き販売の季節変動をある程度平準化できれば、現在のネットワーク体制で達成可能と考えています。同時に、将来的な成長を視野に入れると、ソフト・ハードの両面で、その先を考えていかなければなりません。

 

 

また、BMW Motorradのウェアやパーツは品質が良く、ラインアップも充実しています。一人でも多くのお客様にこの世界観に共感してもらえるように、ディーラー内でも積極的に展示をしてBMWの世界観を演出してもらえればと考えています。この点は今後より力を入れて取り組んでいきたいと思います。

 

 

――2023年の市場を、どのように視ていますか。

「業界全体でみると品薄状態が続いているようですので、BMWとしてはまず安定した供給体制を確立したいと思います。需要が高い今は、私どもにとっても非常にありがたいことで、ディーラーもお客様に対して納得してプロダクトを提案することができるほか、私どももその他のサービスなどへの投資や還元をすることができ、良い傾向だと思います。同時にお客様にはご迷惑をおかけするかもしれませんが、私どもや人手が限られるディーラーとしても在庫が少なくて済み、非常に効率的な状況であると捉えています。

 

 

一方で、今後はこれまでの2年間とは異なり商品の納入が多少増え、販売しやすい環境となるため、お客様の要望する仕様やカスタムが提供できる状況になるものと考えています」

 

 

――今年、注力していきたいと考える分野は。

「まずは原点に立ち返ってビジネスにしっかり取り組もうと思います。昨年は需要が高いシーズンに車両が間に合わなかった面もあり、今後は改善しなければと考えています。今年はBMW Motorradが設立100周年記念の年ですので、100周年を境にBMW Motorradがさらに良くなったといわれるように頑張っていきたいと思います。

 

BMW Motorrad誕生100周年の記念モデル(左右)

 

ただ、ドイツ本国のように大きなイベントを日本で行うというよりも、まずはBMW Motorrad設立100周年をきちんと訴求していきます。さらに今年も新型モデルの導入が複数控えていますので、それらのモデルの導入を成功させたいと思います。

 

 

直近3年間に大々的な発表会を開催できませんでしたが、やはりローンチ時のコミュニケーションは重要だと考えています。ローンチは商品発売後の販売を左右するため、発売時に勢いをつけておく必要があります。メディアやディーラー、お客様それぞれに向けて訴求していくことが必要で、製品紹介でも細部まで丁寧に説明してしっかりと商品の魅力を伝えることが重要だと思います。

 

 

一方、昨年も取り組んできましたが、今年も引き続き新規免許取得者へアプローチをしていきます。昨年実施した免許取得費用サポートキャンペーンでは、このキャンペーンを通じて全販売台数の約20%を販売したディーラーもいらっしゃいました。引き続き近隣の教習所とも連携を深めていけるよう積極的に取り組んでいこうと思います。

 

 

また、BMW Motorradの認知は世間一般的に、まだまだ伸び代があると考えており、この点も今後改善していこうと思います。ドイツ本社ではこれまでの様にディーラーでは『車両を販売する場』という捉え方から、『BMW Motorradの体験を提供する場』へ舵を切っています。すでに日本の国内にも、そういった考え方を取り入れている店舗もあり、今後はBMW Motorradはバイクがあるライフスタイルを提供するブランドとして認識されるように取り組んでいきます」

 

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