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【特集・トップに訊く2023】 デイトナ/織田哲司・社長 「新しい価値」創造へ!   海外入荷から出荷など「管理体制」見直し/工場と物流データ共有も

【特集・トップに訊く2023】 デイトナ/織田哲司・社長 「新しい価値」創造へ!   海外入荷から出荷など「管理体制」見直し/工場と物流データ共有も

2023.02.07

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【特集・トップに訊く2023】 デイトナ/織田哲司・社長 「新しい価値」創造へ!   海外入荷から出荷など「管理体制」見直し/工場と物流データ共有も

近年からの原材料の高騰に加え、エネルギー価格の上昇で生産や輸送などの事業コストが高まり、消費では物価高が続く。こうした市場を背景とする、バイク関連部品用品の大手であるデイトナの織田哲司・社長が、本サイトの単独取材に応じた。昨年の部品用品のアフター市場について、さらに今年の見通しや取り組みなどを訊いた。(取材:鈴木香)

 

 

――昨年の市場についての認識と、市場に対しての対応をお聞かせください。

「バイクのアフターセールス市場で言えば、上期は需要が多く堅調であったが、下期以降、特に秋口より市場がやや落ちついた印象です。上期は2020年からの需要の上昇の流れが続き、下期ではユーザーにぼぼ商品がいきわたり落ち着き、年間を通じては前年比で一ケタ台の伸びといった感触です。

 

 

ただ、物価が上昇していますが、現時点ではコロナ禍前の需要を維持している状態で、極端な市場のマイナスは見受けられません。ユーザー層の中心が50代で比較的に経済的に余裕があり、物価上昇がダイレクトに響いていないのでしょう。

 

 

特に車両では251㏄以上の小型二輪は約30年前より毎年のように増加傾向で底堅い市場です。世帯で挙げれば今後も一人世帯が増加傾向で、バイクを含め趣味への消費が安定傾向であると捉えています。

 

 

――昨年は春に続き秋でも、多くバイク関連企業が商品の値上げを実施しました。

「エネルギーや材料、輸送費などの価格が高騰し、私どもでも影響しました。仕入れコストが約3割上昇してくると、価格を改定しても追いつきません。従って商品のリニューアルを含め商品価値と、それに見合う価格の見直し、価格設定という視点から改めて見直しています。

 

取材に応える織田社長

 

――生産や物流コストの高騰、物価高などで、商品の生産や入荷の遅れの影響は。海外生産も多いのでは。

「海外から仕入れている商品は全体の約4割です。今は我慢の時期ですね。海外からの輸入ブランド品などの仕入れコストが膨らみ耐え切れず、価格を上げさせてもらいました。

 

 

仕入れでは昨年の年当初はウクライナとロシアの問題が始まったため、海外からの入荷の影響を懸念して年間分の発注をかけるように方針を変えました。その前には半導体関連の商品を、2021年の後半から約1年半の量を前倒しで発注していたこともあり、2021年は納入遅延による欠品が多くあったが2022年の欠品率は減少しました。

 

 

しかし、海外生産商品のリードタイムが通常の1.5倍以上になり、その分、一回当たりの発注量も増加、倉庫のキャパオーバーとなり、外部倉庫を借りざるを得なくなりました。これを教訓に社内物流体制を見直し、物流全体の流れを再構築する体制を組みました。発注担当者は欠品を懸念して多めに注文する一方で、倉庫管理までは目が行き届きませんので、発注や入荷、倉庫などまで全般をコントロールしなければうまく回らなくなります。

 

 

一方で、国内生産の商品では、私どもより部品を供給して生産する商品もあります。こうした国内生産ではリードタイムの短縮に取りかかっております。商品生産委託先が、私どもの販売数量や部品在庫量などの情報を共有し把握できるクラウドシステムの構築に取り組みました。今年から本格的に運用し、これまで以上に生産と物流が効率的になると考えています」

 

 

――価格の改定や商品価値を高めていくのでしょうが、価格が上がって商品の購入に影響は。

「お客様側でデイトナに対するブランドの価格帯ゾーンがあるので、そうした価格帯の範囲で設定していきます。今年は特に新商品を多く投入していく方針でいます。コロナ需要の追い風が安定期に入りましたので、さらに新しい価値を創造する必要があると考えています」

 

 

――コロナ需要では新規バイクユーザーや若年層が拡大傾向にありました。こうした若者への対応は。

「今の需要の中心は50代のリターンライダーと、その子供であるリターンライダージュニアの年齢構造です。50代はかつてバイク需要が最高であった1980年代の中心層です。47才前後までが次なるリターンライダー候補と想定しておりますが、その人たちが50代半ばになれば経済的に余裕もできリターンしてもらえることから、今後7年間は比較的市場は悪くはない状況であると考ええています。

 

 

そのなかで、20才代の若者へは、デジタル・コミュニケーションに力を入れていきたい。ユーザーとコミュニケーションを図りながら、商品や交流の新たな切っ掛けを発見したい。そうした方法をベンチマークして、いまプランを立てており今年はシステム構築していきます」

 

 

――2017年以降、バイク業界で同業のM&Aも行ってきました。

「特にバイク業界や関連企業や事業などに限定はしていません。ただ、その組織や事業が趣味の領域で、例えばアウトドアなど、最終的にバイクとつながればよいとは考えています。昨年5月は後継者がいなかった有限会社オーディーブレインを取得しました。同社は独自の卓越したコンセプトとデザインを持ち、バイクウェアブランド「Max Fritz」を展開してきましたが、いま同ブランドを引き継ぎ取り組んでいます。

 

 

現在、パタンナーでオーディーブレインの創業者でもある佐藤義幸さんのノウハウのすべてを受け継ぐために、当社の若いスタッフが同社で学んでいるところです。将来的にはデイトナブランドの二輪とアウトドア用アパレル面での商品力強化などにも、佐藤さんのノウハウを浸透させ既存ブランドも変えていこうと考えています。

 

 

また、一方では電動の移動手段への取り組みも考えています。すでに電動アシスト自転車を展開するグループがありますが、近々に法改正もあり前倒しで取り組む考えです。通勤通学用途や免許返納者向けなどで、大手と競合しにくいタイプの商品でコンセプトを決定し商品化を進めていく予定です」

 

 

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