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【特集・トップに訊く2023】 キムコジャパン/蔡・会長  今年の販売「前年並み」  部品、約95%即日発送、輸入車上位レベル

【特集・トップに訊く2023】 キムコジャパン/蔡・会長  今年の販売「前年並み」  部品、約95%即日発送、輸入車上位レベル

2023.03.09

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【特集・トップに訊く2023】 キムコジャパン/蔡・会長  今年の販売「前年並み」  部品、約95%即日発送、輸入車上位レベル

昨年のオートバイ市場は出荷台数で小型二輪車と原付一種が前年を超えた。こうした中で主力モデルがスクーターである台湾キムコの日本法人キムコジャパンは「昨年、目標の販売台数を超えた」としている。本サイトでは今年2月、同社の蔡百誠・会長に昨年の取り組みや今年の見通しなどについて訊いた。

 

 

――昨年の二輪車市場をどのように捉えていますか。

「昨年の市場について私どもでは比較的に安定していたと捉えています。新型コロナの影響があるものの、バイク免許の取得者や購入ユーザーも安定していたと思います。

 

 

こうした中で、私たちは2つの方針の下で活動してきました。一つは販売について、2つ目はアフターサービスに注力してきました。

 

 

販売については全国に200拠点ある販売店で、全体では我々の目標は達成することができました。本国の台湾ではモデル数が充実していますが、その中でも日本の市場ニーズに合わせて車種を選択して投入しています」

 

 

――これまで新型コロナ以前からあるユーザーの余暇・心の充実といったことから、一層ツーリングに出かけるユーザーが増えています。こうした需要に対しての取り組みは。

「現在、キムコ最高峰の先進技術を採用するラグジュアリースクーターでツーリングに適している『AK550』は、残念ながら日本での販売を止めていますが、今後も大型スクーターの可能性はあると考えています。ただ、販売店様とユーザーの要望をしっかり聞いたうえで、日本導入を慎重に判断したいと思います。

 

 

一方で、昨年は『KYMCO-KRV180TCS』を導入しました。当初、日本への導入は予定していませんでしたが、ネット上では台湾での発売やメディアの市場などの情報掲載があり、日本でも販売店様やお客様からの問い合わせが多く寄せられ、検討した結果、日本でも導入することにしました。

 

 

しかし、台湾発売当時は、台湾国内向けでも車両が品薄で、さらに他の国からもKRV180が求められていたことで、日本導入に時間を要し、ようやく昨年4月の日本輸入自動車組合主催の試乗会に試乗車が間に合った状況でした。

 

取材に応える蔡・会長

 

入荷については他社同様に多くのモデルで遅れが発生しました。スペアパーツの入荷も月4回行っていますが、入荷遅れが発生。ただ、部品に関しては重要項目のため、対応として車両・部品ともに入荷を大量に増やし在庫を確保しました。車両を含め、部品でも販売店様やお客様に大きな迷惑がかからないように、対応できたと思っています。

 

 

キムコは他社と比べて生産工場が比較的日本に近いこともあり、入荷が少し遅れたものの、他社より状況は良い方だったと思います。従って長期の在庫不足といった心配はありませんでした。部品の供給体制は、他の輸入メーカーの中では、キムコが上位だと思っています。

 

 

現在、私どもでは車両と部品を合わせて5つの倉庫を確保しています。本社と近接する部品倉庫は約350㎡で約1万3000点の部品を確保し、私どものスタッフが日々対応しています。法人設立以前に販売された車両も含め、受注した部品のうち即日発送可能な割合は約95%となっています」

 

 

――昨年の取り組みについては。

「特に施策があったわけではありません。ただ、マーケティングの基本である4Pについて実践しました。具体的には、プロダクト、プライス、プレイス、そしてプロモーションに沿って取り組みました。

 

 

特にプレイスである流通ですが、販売店の拡大は重要です。現在、取扱販売店は全国に約200店です。地域の市場における販売や利益をみたうえで、店舗の商圏を確保しながら取扱販売店を置いています。取扱店の店舗数は重要なため、その地域の需要をみた上で取扱店を拡大しつつ、店舗当たりの台数も高めていきたいと考えています。

 

 

販売店の中には年間販売で2桁台数に届かない販売店も少なくないため、こうした販売店にも今後は力を入れたいです。また、車両の販売台数だけではなく、アフターサービスも重要分野ですので、こうした分野に強い販売店もあるので一概に台数だけでは判断でいないこともあります。

 

 

また、特に主催イベントの開催はしていませんが、販売店様主催の店頭イベントやキャンペーンには支援を行てきました。

 

 

一方で、昨年4月にはウェブサイトの全面的な改善を行いました。それまで以上にスマートフォンでの閲覧を考慮し、写真掲載点数も増やしたほか、動画の掲載などでもモデルのイメージや情報を伝えやすくしました」

 

 

――2023年で注力していくことは。

「昨年は7モデルを投入しました。今年も2月からモダン・クラシックなデザインの『AROMA150』を発売しました。販売促進ではこれまで以上にインターネットやSNSを利用して宣伝していきたいと思います。特にSNSでは車両モデルのほかに、テーマをライフスタイルなどに広げて広く発信して、キムコおよび車両モデル、活動などを発信していきたいと思います。

 

 

一方で、キムコを通勤や通学などの利用にとどまらず、短距離ツーリングなどの楽しみ方も提案していきたいです。

 

また、先にも挙げましたアフターサービス体制、部品供給も重要分野です」

 

 

――販売店ネットワークでの取り組みは。

「取扱店で展示車両を拡大していき、さらに試乗車の用意を提案していきたいと思います。先にも挙げましたが、取扱店は地域の需要や販売店の商圏を確保したうえで拡大を検討していきます。店舗当たりの販売台数を拡大していきたいと考えていますが、メーカーとして魅力ある製品とアフターサービスの窓口としても訴求して、お客様が取扱店に来店してもらえるようにしていきたいです」

 

 

――今年の計画販売台数は。

「私どもでは、為替変動や仕入れコストの上昇などにともない価格改定を行い、これが販売にどのように影響してくるのかわかりませんが、昨年でレベルの台数は見込んでいます。

 

 

一方で、さらなるエネルギー価格の高騰で物流費用の上昇や為替相場などのコストに注力しなければなりません。いずれにしても市場や、販売店様の様子を見ながら目標台数に達すように取り組んでいきます」

 

 

――電動モデルの導入予定については。

「今のところ電動モデルの導入は、販売価格や充電のためのインフラなどの面から発売は考えていません。キムコ本社のある台湾では電動車両について政府による援助があるため、充電設備などのインフラが進んでいますが、日本ではそうしたことはなく市場が不安定です。ただ、いつでも導入できる準備は必要ですので、導入のタイミングは慎重にみています」

 

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