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【特集・トップに訊く】BRPジャパン 西カントリー・マネージャー  「Can-Am On-Road」拡大への考えなど

【特集・トップに訊く】BRPジャパン 西カントリー・マネージャー  「Can-Am On-Road」拡大への考えなど

2024.05.01

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【特集・トップに訊く】BRPジャパン 西カントリー・マネージャー  「Can-Am On-Road」拡大への考えなど

BRPジャパン株式会社は4月1日、トップであるカントリー・マネージャー(CM)に西 光寿氏を迎え入れた。本サイトでは4月下旬、西CMに初年度の活動や同社製品の水上バイクSea-DooやスノーモービルSki-Doo、3輪バイクCan-Am On-Roadなどの市場やユーザー、流通が大きく異なる製品群への取り組み、Can-Am On-Roadでは今後一段の成長についてなど、現段階で思い描く考えを聞いた。

 

——組織経営で重要と考える事柄を挙げるとすると、どの様なことが挙げられますか。

「一つの目標があって仮に『楽』と『厳しい』選択肢があったとすると、私は『厳しい』方を選びます。『楽』を選ぶと後で必ずぼろがでます。最終的に目標に到達するために時間もかかり、ましてや到達もできないかもしれません。ならば最初から困難で『厳しい』方から始めた方が結果的に早く目標に到達でき、学ぶ機会も多いと思っています」

 

「失敗してもいいと思います。そこからどの様に立て直すのか。変化に当たってどの様に前進するか。何が必要なのかといった、学ぶことが重要であると考えています」

 

取材に応える西カントリー・マネージャー

 

——これまでの経歴で、日本法人のトップとしては初めてとなります。

「正式には初めてですが、これまでも輸入モーターサイクルメーカー日本法人の責任者として取り組み、役職としては異なりますが、仕事としては以前と同じ立場になり仕事に対する意識、取り組みとしては基本的に以前と変わりません」

 

「ただ、製品のカテゴリーや販売体制、購入者層も異なりますが、モーターサイクルも製品カテゴリーが変われば購入者もそれぞれ異なる点ではBRP製品も同じです。逆にそのことが私どもの強みであり、Can-A m On-RoadとSea-Dooは春から秋、Ski-Dooは冬季でそれぞれの製品で閑散期を補え、年間を通して回せます」

 

「製品の取り扱い割合を挙げるとメーンはSea-Dooが大きく、次にCan-Am On-Road、そしてSki-Dooの順になります。Sea-Dooは国産メーカーと私どもで、ほぼ市場を占めている状態で、稼ぎ頭になっています。だた、もう一つの柱としてCan-Am On-Roadにもこれから力を入れていきたいと考えています」

 

「Can-Am On-Roadの市場としては、日本のモーターサイクルユーザーを含め、高齢化やそうした方々の体力的に不安をお持ちのお客様にとっては倒れづらい前2輪のCan-Am Spyder、Rykerをお奨めできます。普通自動車免許など保有者は比較的に高齢者のユーザーが多く、将来的にCan-Am On-Roadのお客様となり得ます」

 

「Can-Am On-Roadのお客様像としては、熟年層で郊外に住み駐車スペースを確保でき、比較的に富裕層になります。一方で、普通自動車免許で乗ることができ100万円台とコストを抑えたベーシックモデルのCan-Am Rykerもあるため、若いユーザーも購入が容易です。四輪自動車の価格高騰や転倒が少なく安全性が高いので、高齢者の移動手段や楽しみといった点から、社会的に見ても一つの代替車両としての在り方としても挙げられます」

 

 

——着任の初年度、今年の抱負は。

「主力のSea-Dooをプロテクトしていきながら、Can-Am On-Roadも市場でのポテンシャルがあると感じていますので、特に力を注ぎたいです。Ski-Dooは降雪量が近年減り、市場では一気に伸びないとしても、しっかりとプロテクトしていきます」

 

「私どもの製品は生活に必要なものというよりも楽しむための製品で、生活に必要な四輪車などで価格が高騰している中で、比較的に購入は二の次になりがちです。とはいっても富裕層は必ず存在しています。また、私どもの製品は乗って楽しめ、ユーザーの意識には余暇への時間、お金をかけるユーザーは将来も少なくありません。こうした製品と市場にあっては当社の強みとなります」

 

「また、製品を市場やユーザーに知って頂くといった点では、まだまだ充分とはいえません。まずはお客様に『見て』『触れて』『感じて』『乗って』頂ける機会づくりが重要なポイントであると考えています。そうした要素をカバーできる新たな施策を検討していきたいと思います」

 

——初の電動モーターサイクルをウェブ上で公開されています。日本で導入予定は。

「本国でアドベンチャー系とネイキッド系の2モデルを発表しています。だた、四輪でのヨーロッパメーカーではEV市場への方針をハイブリットに転換するなど、EVは足踏み状態にあります。日本でも充電インフラと充電時間などの課題があることから、発表されたEV車2モデルの日本導入は未定です。」

 

——日本法人と本社とのコミュニケーションはポイントとなります。

「日本法人としては本社との折衝が重要になります。日本の市場については、私どもの方がよく理解していますので、良い意味でも本社との議論、理解してもらえるように働きかけることが問われます。こうした折衝はこれまでにも経験してきたので、根気強く行っていきたいと思っています」

 

「本国のカナダですが、これまでの経験では一般的に北米企業でしたら、多くは主に北米市場を捉えての感覚で施策などを求めてくる場合が少なくありません。ヨーロッパ企業も同様です。とはいえ本国が考える意向も理解できる部分も多々ありますが、市場環境が異なれば取り組み方も市場に適した方法、現状に変えなければなりません」

 

「特に課題になるのは北米と比べ日本の国土により、ディーラーの店舗の規模や敷地、地価の制約のほかに、お客様でも自宅の駐車スペースで日本特有の制約があります。ですから本国に日本市場や現況、ユーザー意識などを根気強く伝え理解を深めてもらう様に働きかけていきます」

 

——Can-Am On-Roadは日本法人設立以降、年間販売台数300台前後で推移しています。

「まだ伸びる要素が多いと考えています。先に挙げたお客様に『見て』『触れて』『感じて』『乗って』頂ける機会の場を提供していきたいです。ただ、今は社内スタッフの活動状況を把握していくことと同時に、マーケティングではどの様に展開していけばよいのかなど、市場のニーズを把握した取り組みを行っていきます」

 

「だた、必要なキャンペーンは別にしても、その場しのぎの気休なキャンペーンは避けたいと考えています。表面上のキャンペーンよりも販売、購買を高めるための基本、土台なしにはキャンペーンを展開しても効果は薄い。まずは土台をこれまで以上に固める必要があると考えています。お客様に『欲しいと思ってもらえる』ようにすることが重要です。そのために基本的なプロセスを作り、うまく回るようにしていこうと考えています」

 

 

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