国内外メーカーの販売各社は、自社ブランドの訴求の一環として、ブランドを掲げた専売店ネットワーク構築、提供するサービスの充実に懸命だ。今年3月にヤマハ発動機販売の社長に就いた松岡大司・社長に、同社が展開してきたヤマハブランドの専売店「YSP」(ヤマハモーターサイクル・スポーツ・プラザ)の今後の取り組みを聞いた。
――販売会社として、今の段階で目標を挙げるとすると、どの様なことが挙げられますか。
「身近なところでは日本市場でのバイク総需要が下がってきた中で、近年の新型コロナによりバイクの利便性がユーザーから見直され、若いお客様がどんどんバイクの世界に入ってきました。この流れは止めたくないと考えています。前社長の石井が挙げていたように、お客様に長くバイクに乗り続けてもらうことで、初心者からベテランライダーも含めて皆で楽しめるバイクライフを広めていきたいと考えています」
――これまでYSPを推進してきましたが、YSP構築、質の充実での次の一手は。
「これまでにまだできていない部分をしっかりやっていきたいと思います。私の性分でもある『かならずやる』『ずっとやる』からすると、まだやり切れていないところもあります。現在YSPは全国に74店あり、さらに改装や新規オープンを進めています。一方で専売店としての強みを高めていく取り組みを実施していきます」
「バイク利用者の拡大に対して、若者へ向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えています。まずはトライしやすい125ccギア付きモデルから若者に楽しんで頂き、YSPのツーリングやヤマハライダースカフェなどのイベントなどを、お客様とYSPとで一緒に楽しんでいただきながら、ゆくゆくは上級モデルへステップアップしてもらいたいです」
――YSPの内面での充実についての取り組みは。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組まなければならないと考えています。お客様と長期的に良好な関係を構築・継続していくために、CRM(顧客管理)の使い勝手を高める必要があると考えています」