ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)は2月20日、2026年モデルのハーレーダビッドソン(HD)発表の場で、日本市場における今後の戦略について表明した。同社の玉木・社長は、ユーザーの「いつかはHD」「選ばれる理由」に対して「選んでもらえる機会」など、HDの強みとユーザーの選択といった基本に視点を向け、ユーザーの意識の段階に合わせて各種イベントなどを展開していく方針と施策をなどを挙げた。
玉木・社長は2025年 1月に代表に就任後、自社の社員はもとより、全国のディーラーや顧客であるオーナー個々に意見交換を行い、対話を重ねてきたとして市場や流通段階の把握により「今年から目指していく方向性が見えてきました」と述べ、市場に対応していく戦略の一部、具体的な施策を説明した。
戦略については「HDは日本でも長い年月をかけて憧れのブランドとして受け止められてきました。HDが持つ世界観価値観、生き方そのものが多くの人の心に残り続けてきたからだ」と市場やユーザーの認識を述べた。現在のハーレーダビッドソンについての意見交換では「多くのオーナーの皆さんに“なぜ”、“どんな機会に”ハーレーのある暮らしを選んでくれたのか。HDに乗り始めてから“どうライフスタイルが変化されたのか”をイベント会場でオーナーらとの会話や聞き取り調査に至るまで、様々な機会で顧客の声を吸い上げてきたとした。
こうした対話を重ねる中で「HDがなぜ選ばれてきたのか」「人生の中でどんな意味を持っているのか」との考えが浮かんだことを強調。そのうえで「社会に対して、十分にことばにされてこなかったのではないか」と、HDからのメッセージがユーザーに伝えられていないと、これまでの調査結果での認識を挙げた。これまでにも「いつかはHDに乗ってみたい」とする多くのユーザーの思いは、我々HDブランドにとって誇るべきことばとしながらも、その“いつか”ということばが、いつまでも先送りされてしまう理由になっていたのではなか」と、自ら問題提起をしている。

方針と戦略を説明する玉木・社長
こうした市場調査から玉木・社長は、今後の課題として「HDがなぜ人生のある瞬間に選ばれてきたのか」「なぜ多くのオーナーが、HDを選んでよかったと語っているのか」その理由を、改めて日本で明確により強く打ち出していく考えを示している。さらに「憧れというものが人生の中で、現実の選択肢として想像できるものになることが重要だ」とも述べ、ユーザーの憧れをいかに現実のものとして提供できるかを、2026年からの方針として挙げた。
具体的な取り組みでは、2026年のビジョンを具体化の一環で、HDの体験機会のバリエーションを改善する。ユーザーがディーラーに出向く前の段階でも、HDを選ぶ理由があるのかを確かめてもらうための体験の選択肢を増やしていく。ただ、体験機会を増やしHDを単に選択にするための体験機会ではなく「ユーザーの日々の暮らし、ライフスタイルの中にHDを選ぶ理由が本当にあるのか」という、一過性の体験提供よりも、ライフスタイルの中でのHDを植え付けていきたい考えだ。
試乗体験の施策ではイベント「ライド・オン・ツアー」という、最新モデルの試乗、乗り比べ体験会として、全国約10カ所で開催しHDの判断材料としてもらう。ユーザー自身が自分に乗りこなせるかといった不安解消の機会としては、HDが世界各国で展開中の公式「ワンデーライディングレッスン」でのスキルライダートレーニングを、各地での展開を始めた。また、免許取得前の前後のユーザーに向けても選択を現実にするための準備として「教習所での体験機会の提供」、免許取得費用のサポートキャンペーン「パスポート・フリーダム」も展開し、ハーレー公式「レンタル」でも再編成し拡充させる。
バイクにまだ縁のないユーザーへの接点の強化では、来月3月20日に新たにHD公式アパレル専門店を「東京・新宿に開設」し開店。これまでもHDハーレーのTシャツなどコーディネートに取り入れるスタイリングが幅広い世代に浸透していることもあり、ライダーに限らず、HDの価値観を日常に取り入れてもらうための入り口として期待を寄せている。
各施策は、すべて既存のハーレーダビットソンディーラー店舗の外での施策となるものの「全国のディーラーと連携をして共に作り上げていく取り組み」と述べており、ディーラーもイベントに参加することでユーザーとの接点の機会としていきたい考えだ。HDを選ぶ理由、確かめる機会などのユーザーの意識の状態に合わせて、段階的に様々なバリエーションで展開していきたい考えを明らかにしている。
さらに、玉木・社長は「こうした取り組みの先に、もう一つ大きなコミュニケーションを準備しております」と言及。HDのスペックや性能、気軽さや今すぐ伝えるものでもないといいとどめた。そのうえで「我々が向き合おうとしているのは“なぜ人はある瞬間にHDを選んだのか”という問いです。“どんな人が”“どんなタイミングで”“どんな迷いや覚悟の中で”、その選択に至ったのか。その答えは、派手なことばでも、わかりやすい物語でもなく、静かで、しかし確かな理由として皆様の前にあらわれるはずです」と、後日そのコミュニケーションでの取り組みが、公にあらわれていくと述べている。
最後に玉木・社長は、製品自体のほかに、特に「なぜこのブランドは人の人生に残り続けてきたのか。なぜ多くのオーナーが選んでよかったと語るのか。その理由をきちんと日本の社会に示していく覚悟」と、思いを述べており、今後の取り組みへ注目してもらいたいと強調している。

◆イベントからディーラーに誘因へ 「どの様に思われたいのか?」も重要に
ユーザー向けのイベントは、ユーザーの意識の状況に合わせて、段階的に展開することが重要だ。さらに、イベント参加後などのHDとの接点の機会を持ったユーザーを誘因、すべての受け皿を、最終的にウェブサイトでもない、ディーラー店舗にユーザーを集中させることがメーカーとしての重要な役割の一つといえる。



