スズキのブースでは「JOY! FUN! SUZUKI!」を掲げ、スズキの二輪車と人々の思い描く彩豊かなことを結びつける喜び、嬉しさ、楽しさ、面白さを表現する内容とし21車種を展示。今年7月に開催される鈴鹿8時間耐久ロードレースで、サステナブル燃料を使用し継続的な参戦を発表した。将来への環境性能技術の開発を加速させ人材育成などを目指すとした。
開催初日の報道公開時のカンファレンスでは、二輪事業本部の田中強・部長がブースのテーマや展示内容を紹介。この中で今年度の活動を取り上げ「安全運転推進の観点より、本年も『under30セイフティスクール』『北川ライディングスクール」を開催していきます。under30セイフティスクールは昨年より開催回数を増やし東北、関東、中部、近畿、九州の5ブロックで開催。ユーザーイベントでは8月の「隼駅祭り」をはじめ、9月「刀ミーティング」、11月「V-Stromミーティング」、新たに10月は「GSX-S、Rミーティング」を開催して参ります』とイベントへの来場を呼びかけた。
さらに2030年度に向けた成長戦略の一環としての取り組みを上げ、その一つとして「カーボンニュートラルに向けた取り組みで通勤通学や買い物など生活の足として使用される小型・中型二輪車はバッテリーEVで対応、2030年までに全世界で8モデルのバッテリーEVを投入致します。一方、趣味性が高い大型二輪車は内燃機関を継続し、カーボンニュートラル燃料での対応おすすめ取り組んでまいります」とEVモデルの投入と環境に配慮した大型車の投入する意向を述べた。
その一環として新たなチャレンジとして「世界耐久選手権仕様のGSX-R1000R。スズキはこの車両でサステナブル燃料を使用し本年7月に開催される2024 FIM世界耐久選手権コカコーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会に参戦致します。チーム名は『チームスズキCNチャレンジ』で、参戦クラスはエクスペリメンタルクラスとしサステナブル燃料のほか、プロジェクトにご賛同いただいたパートナー企業様のタイヤ、オイル、カウル、ブレーキなど複数のサステナブルアイテムを使用して新技術の開発を兼ねて挑戦いたします」と発表した。
さらに「耐久レースの厳しい条件での実走行を通して環境性能技術の開発を加速させることを目的としています。このチャレンジで環境性能技術向上のみならず人材育成やモチベーション向上にもつなげ、将来のより良い製品づくりのために取り組んでまいります」などと述べ、将来的に環境性能技術を採用した大型車両の投入を示唆した。
◆主な注目の出展モデルなど
「スポーツバイクの新基準」と位置付け、1月に発表した「GSX-8R」を出展。同機種はシャープな外観デザインに街中やワインディングでの楽しさにとどまらず、ロングツーリングやサーキットでのスポーツ走行を爽快に楽しむことができる。エンジンやシートレールなどの機能部品は大胆に露出させ、メカニカルな機能美の魅力を強調するモデル。
「GSX-S1000GX」はスズキのスーパースポーツのDNAを受け継ぎ、最新の電子制御システムの搭載によりさまざまな走行シーンで求められる高い操縦安定性と快適な乗り心地を実現するというもの。ポジションは、ややアップライトにするなどスポーツツアラーの快適性とスポーツアドベンチャーツアラーの多様性を融合。スポーツライディングからコンフォートな走りにも対応する同社が提案する新しいグランドクロスオーバーと位置付ける。
同機種は最新のスズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)という、路面の変化やライダーの好みに合わせた最適なパフォーマンスを提供し、ライディングに集中できるよう同システムが電子制御によりアシストするもの。ライダーの疲れを軽減し走る楽しさをさらに感じられるとしている。
人気でラインアップも充実するスポーツアドベンチャーモデルのV-STROMでは「V-STROM800」を前面に出展。「意のままに反応するパワー。素直なハンドリング。ずっと乗っていたくなる快適性」を掲げる同機種は、道を選ばない楽しさ溢れるライディングを提供する。
エンジンは新開発の775cm3パラレルツインエンジンで、革新的な2軸1次バランサーのスズキクロスバランサーを採用してエンジンからの振動を抑制。エンジンの小型化と軽快なハンドリングに貢献する。また、心地よい鼓動感で低回転域から滑らかで扱いやすい出力特性と、高回転域までスムーズに吹けあがる絶妙なバランスに仕上げたという。
スズキクラッチアシストシステム(SCAS)の採用によりクラッチ操作をアシスト、軽量化にも貢献する。
スリーブハブとプレッシャディスクに設けたアシストカムとスリッパーカム構造により、加速時にはアシストクラッチとして機能、エンジントルクを効率よく伝達しながらレバーの操作力を低減し長時間のツーリングでの疲労を軽減する。
世界耐久選手権仕様のGSX-R1000Rのマシンも公開。同マシンはサステナブル燃料を使用し、今年7月に開催される2024 FIM世界耐久選手権コカコーラ鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦マシン。サステナブル燃料のほか、プロジェクト賛同パートナー企業のタイヤ、オイル、カウル、ブレーキなど複数のサステナブル製品を使用して新技術の開発を兼ねて挑戦する。ヨシムラジャパンもプロジェクトの開発当初から関係して協力し準備を進めているもの。燃料はエルフのR40FIMという40%バイオ由来の原料でできているという。
このほかに「GSX-S1000GXトークショー」として鈴木大五郎さんと谷田貝洋暁さんらが出演。「隼フォトスポット」で、車両の背景に大型ビジョンを設置、走行風を浴びながら走っているような気分が味わえるアトラクション、隼にライディングしているような動画や写真が撮れるフォトスポットを設置。SNSにスズキブースに関する投稿した来場者にはオリジナルステッカーを進呈するなど、多く来場者を集めた。