循環型マーケットデザイン事業を展開する株式会社オークネットは、業者向け中古バイクオークションをはじめ、バイク販売店の経営・運営業務を総合的に支援する各種サービスを提供している。同社が運営する業者向け中古バイクオークション「i-moto-auc」では、6月からバイクオークションで落札された車両の陸送体制を大幅に見直した。さらに4月からは、落札車両が現在どこまで輸送されているのかを確認できるサービスも開始しするなど、二輪販売店が同社オークションを利用するメリットに注目した。
今回の取り組みは、単に物流面の改善にとどまらず、オークションで車両を仕入れる販売店にとって、落札後の車両管理や販売計画を立てやすくすることが大きなメリットとなる。
従来の週1回の長距離輸送から、週5回の中距離リレー輸送に切り替えたことで、落札店への配送を「15日以内」を目安とする体制に変更。これまでの陸送体制では、木曜日に開催されるオークションで落札した車両が、週1回の長距離輸送によって各地域へ配送されていた。そのため、販売店に届くまで数週間を要するケースもあり、落札後の車両がいつ店舗に到着するのかを見通しにくい面があった。

中古車両をオークションで仕入れる販売店にとって、車両が店舗へ届くまでの時間は、仕入れ後の業務計画に直結する。車両が到着しなければ整備にも取り掛かれず、整備完了後の店頭展示やユーザーへの納車予定も決めにくい。特に、すでに販売先が決まっている車両では、陸送の遅れがそのまま納車スケジュールにも影響する。
今回、配送までの目安が「15日以内」となったことで、落札店は車両の到着時期を想定しながら、整備工場の入庫予定や整備担当者の作業計画、店頭への展示時期、さらにはユーザーへの納車予定まで組みやすくなる。
また、車両の陸送状況を確認できるサービスの開始も、落札店にとって重要なポイントだ。4月から提供を始めたトレースシステムによって、落札後の車両が現在どのような輸送状況にあるのかを確認できるようにした。
従来は「落札した車両の届くまでの期間がわからない」という不確定要素があったが、配送状況を把握できれば、販売店側も車両到着後の準備を前倒しして考えられる。ユーザーから納車時期について問い合わせを受けた場合にも、これまで以上に具体的な説明がしやすくなる。
さらに、販売店経営の観点から見れば、陸送期間の短縮は、仕入れから販売までの期間を短くすることにもつながる可能性がある。中古車両は店舗に到着して初めて整備・商品化を進められるため、配送期間が長ければ、その分だけ販売開始までの時間も延びる。今回の改善によって車両到着までの目安が明確になれば、仕入れた車両をより計画的に商品化し、販売につなげられる環境が整う。
今回の背景には、物流業界全体のドライバー不足や輸送能力低下に加え、バイク特有の輸送事情がある。オークネットでは、新型コロナ後の市場におけるオークション流通台数の増加や、原付一種の生産終了を前にした駆け込み生産などによって、二輪車の陸送量にも波が生じ、配送に影響していた。
陸送体制の大幅改善では、週5回の中距離リレー輸送への変更により、配送頻度を大幅に高めるだけでなく、地域ごとの輸送台数の偏りを補完し、輸送能力そのものも強化する。
オークションにおける販売店のメリットは、良質な車両を落札できることだけではない。落札した車両をいかに早く、確実に店舗へ届け、商品化して販売につなげられるかも、オークションを仕入れ先として利用するうえで重要な要素となる。
今回の陸送改善は、こうした「落札後」の部分に踏み込んだ会員サービスの強化といえる。オークネットでは今後も、今回の改善にとどまらず、よりきめ細かな陸送体制の構築を進め、さらなる配送時間の短縮を目指すとしている。
オークションを仕入れの一手段として活用する販売店にとって、「落札できること」に加えて「落札した車両がいつ届くのかが分かること」「届いた後の販売計画を立てやすいこと」も、オークションサービスを評価する重要なポイントになる。




