
循環型マーケットデザインを展開するオークネットの子会社の、株式会社オークネット・モーターサイクル(オークネットMC)は、バイク販売店の経営・運営業務を総合的にサポートする。同社の主力事業、バイク販売店にとっても同社の業者間の中古バイクオークションが出品台数をはじめ、成約率でも高い伸びをみせている。バイク店はこうした同社オークション流通の活発な傾向を、改めて認識し上手く利用していけるように、考え方を変える転換点、また好機ととらえることもできる。
同社の7月の記念開催では昨年の同開催に比べて若干流通が後退したが、一時的な傾向して捉えることができ、今年6月までの月間では、全体的には上昇傾向を示し活発な流通をみせている。
昨年7月18日の第1463回の同じ記念開催では、出品台数2658台、成約台数1159台、成約率43.6%で成約車の平均落札単価は41万7000円であった。今年の同記念開催では出品台数が2648台、成約台数1044台、成約率は41.2%で平均単価が36万9000円で、昨年の同じ記念開催に比べ流通台数と平均単価は、やや後退したものの、昨年から流通台数は全体的に上昇傾向を示している。さらに今年6月までの平均単価は、昨年後半に比べやや下がったものの、前年同月に比べると上昇傾向にある。
同社の中古バイクオークションの出品台数の平均は、昨年の月あたりが4729台であったが、今年6月までの平均は前年比16.5%の増加で5511台およぶ。成約台数でも昨年の平均が2513台であったが、今年6月までの平均は前年比15.1%の増加となり2893台となる。ただ、成約率では今年の出品台数が増えたことで、1台に対しての応札が散らばったとみられ、昨年の平均54.5%に比べ今年6月までの平均は52.7%で若干後退。
特に近年では、バイク店の応札に加え、輸出業者による軽二輪の排気量126㏄以上の車両が、海外への輸出が活発で輸出台数は長期的に増える傾向にあるとみられ、平均単価も高止まりしている。こうしたオークション取り引きの状態にあっては、売り手にとっては好都合だ。
バイク店は経営者が気にいった車両は手放さないといった傾向が強く、店頭在庫として長期間確保するといったことが少なくない。ただ、こうした在庫を長期で確保するということは、それだけお金を寝かしているようなものだ。収益面からみれば成約単価高い現在のオークションへ出品し、現金化することが重要だろう。
車両が高騰していることで、一定の期間、販売につながらない車両は、出品することだ。長期で在庫車として抱えても、利益を上げられるはずがない。店頭在庫の回転を挙げることが重要であり、相場の高騰は売り手市場だ。
また、買い手にとっては、車両高騰の傾向から仕入れを敬遠しがちだ。商売の基本は「安く仕入れて、高く売る」が鉄則として定説になっている。しかし、現状で定説はすでに通用しない時代ともいえる。「高く買っても、販売につながるように競合よりも安く売りたい(売らねばならない)」という意識が働きがちだ。従って「薄利少買」とならざるを得ない。
ただし、中古バイクのオークション業界全体で、単価が上昇傾向を示して、すでに1年以上が経過している。車両相場が全体で上昇している中で車両オークションより仕入れていることは、バイク店は実際には、すでに「高く買って、高く売っている」ともいえなくない。ユーザーへの販売価格もすでに相場が上昇しているということだ。ここで大きく定説に対して逆説でもいいのではないか。一層のこと「高く買って、高く売る」といった考えでもいいのではないだろうか。
そうした考えに切り替えることで、同社中古バイクオークションの評価点が比較的に高い車両を、多くのバイク店がすでに「高く買っても、高く売る」といった、それが次第に平時になる。評価が低い比較的に安い車両を買っても、結果的には整備などの手間もかけられずに安く売ることになり、さらに「薄利少売」では利益が上げられない。車両価格が多少高くても、評価の高い車両を仕入れることで高く販売ができるともいえる。
同社の中古バイクオークションは、「高く買っても、高く売れる」といった、評価点が高くてもやはり良質な車両を仕入れることで、すでに相場が高まった流通市場においては、結果的に利用価値が高いといったことがいえる。