バイク販売店がユーザーから車両を下取り・買取り、または業者用オークションで車両を競り落とす場合や出品車として売る場合など、価格決定では「記憶」「勘」に頼り、結果的に損をするという場合が多々あるのではないか。
循環型マーケットデザインを展開する株式会社オークネットの子会社である、株式会社オークネット・モーターサイクル(オークネットMC)は、バイク販売店の経営・運営業務を総合的にサポートする。同社の総合的支援サービスはバイク店にとって「どの様なサービスがあるのか?」、それは「なぜ有効なのか?」「メリットは?」について取り上げる。
今回は同社の中古バイクオークションシステムの「i-moto-auc」での車両「相場」情報を堅く使って、中古バイクの仕入れ・販売時に損しないための活用について取り上げていく。
長年にわたって中古バイクを取り引き、扱っている販売店の中古担当者の中には、中古バイクの売買で長年の経験や勘により、価格を決めているのではないか。売買時の値段決定に長年の勘と経験を否定するものではないが、それだけでは直近の価格相場と売買価格にズレが生じ、損をしてしまう場合があるだろう。さらに経験と勘では、市場での人気車両の変化にもズレが生じてしまう場合がないとはいえない。市場が活発で販売で稼げる時代とは異なり、1台当たりの利益の損失が大きく響く昨今だ。
オークションでの車両相場は、前の週で価格が相場よりも安かったとしても、翌週には価格が高まる場合もあれば、その逆の場合も頻繁に起こる。こうした状況が車両によってや、毎週のようにも繰り返され、記憶や勘の情報が、今週のオークションで通用するとは限らない。ご存じのように相場は絶えず変化している。こうしたズレの発生は、利益の損失を招く。
従って、利益の損失を避けたいのなら、オークションでの出品する場合や落札する場合は、長年の勘や数ヵ月も前の相場情報が今週のオークションでは通用しないといえるため、車両の「相場」情報で、毎週オークション参加前には取り引きモデルの相場の確認が重要だ。オークション参加だけではなく、ユーザーからの車両買い取り時でも「相場」情報を確認して、利益を考慮した上で買い取ることにも活用できる。
「相場」情報の確認は、中古バイクオークション「i-moto-auc」のサイトから、「相場」を選択。「相場」情報では取り引きする車両のメーカー、排気量、車名がそれぞれ選択でき検索可能だ。検索すると過去の車両「相場」情報の検索結果が表示される。検索表示された車両情報は、成約・落札された車両で、出品時に車両検査による詳細な車両情報が確認できる。
「相場」情報は取り引きしたい車両に該当する、過去12ヵ月間、過去6ヵ月間、過去3ヵ月間の情報に絞って閲覧でき、成約された車両情報の詳細と成約(落札)価格などが表示される。特に直近情報の過去3ヵ月の情報が最も重要になる。直近の「相場」情報を確認することで極力、利益を損ねることが避けられる。
さらに、「相場」情報を利用することで、後継者の育成でも可能だ。中古バイクのオークション売買では経験が重要と考える経営者や中古バイク担当者も少なくないことから、若手などの中古バイク担当の育成、後継者に、なかなか任せることができずに、結果的に長年経験してきた中古バイク担当が行い、後継者が育たないといったことが起こる。
しかし、経験豊富な中古車担当者にも落とし穴が生じる。市場やユーザーが欲しい・人気が高い車両とその長年担当してきた担当者の感覚的なズレで、利益を損ねる場合が生じる。こうしたことを避けるためにも、次期中古バイクの担当者の育成が必要だ。
こうした場合に後継者には、取り扱い車両の「相場」情報を使って直近の車両相場と自社の利益の認識、確認してもらうことで、ある程度は後継者を育てることも可能だろう。それにより相場の知識が積み重ねられ、さらに市場の相場の変化にも対応可能となる。中古バイク担当者には「相場」情報が良好な育成ツールとしても効果的といえる。