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伊ドゥカティ 新型「パニガーレV4」発表  全面的に見直し・進化へ

伊ドゥカティ 新型「パニガーレV4」発表  全面的に見直し・進化へ

2024.08.01

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伊ドゥカティ 新型「パニガーレV4」発表  全面的に見直し・進化へ

伊ドゥカティは7月25日、新型「パニガーレV4」を発表した。11月に発売するという。スーパーバイク世界選手権(SBK)で2年連続のタイトルを獲得し、大幅に進化させて誕生した新型パニガーレV4はデザイン、テクニカルベース、エルゴノミクスを全面的に見直しが行われた。

 

レースで培われたパフォーマンスは、量産モーターサイクルのデザインの進化にも大きな影響を与えており、新型ではスタイルとテクノロジーが完璧に融合させパフォーマンスを向上させたという。官能的な美しさと洗練された技術を備えたモデルを通じてライダーの生活を豊かにし、スーパーバイクの第7世代となる新型モデルは洗練、パフォーマンスにおいてドゥカティの価値観を最大限に表現する使命を達成できる数少ないモデルという。

 

MotoGP世界選手権で培った技術を継承しており、デスモセディGPに近づいたシャシーとエレクトロニクスからフィードバックされたテクノロジーの一例が、デスモドロミック・バルブ駆動システムとカウンター・ローテーティング(逆回転)クランクシャフトを備えたV型4気筒エンジンという。

 

新型「パニガーレV4 S」の重量はわずか187kgで、先代モデルよりも2kg軽く、より厳しいユーロ5規制に適合、最高出力も0.5ps向上させた。

 

ドゥカティは、851から現在に至るまで、7世代にわたって進化。最新モデルにおいてドゥカティ・スーパーバイクの開発は重要な転換点と位置づけている。従来のアプローチでは完成したデザインのバイクに空力パッケージを追加する方法を見直し、空力機能をバイクのラインにシームレスに統合するというグローバルなビジョンに基づいたアプローチを採用。

 

新しいフェアリングは空気抵抗を4%削減、ストレート走行時にライダーをより効果的に保護する。優れた機能を誇るダブルプロファイル・ウィングはフロントシェイプと完璧に統合されているが、先代モデルと同じダウンフォースを発生するとしている。フェアリングの前端をフロント・ホイールに対して後方に移動させることで、高速コーナーでの切り返し時における俊敏性を向上させ、フェンダー形状とラジエーター上流のコンベアの改良により、冷却システム、特にオイルクーラーの効率を向上させた。

 

設計では伝説的な916からインスピネーションを基礎に、新型モデルでは側面から見ると、916の特徴となっているフロントとリアのバランスを保ち、全体的なレイアウトはより水平基調にして近年のMotoGPマシンに近いデザインとしている。

 

 

 

ライディング・ポジションは、バイクの空力特性に最大限に合わせること、コーナリングやブレーキングといったサーキット走行の重要な場面で、車両のコントロール性を高める2つの目標を掲げて開発。燃料タンクとシートの形状を見直したことで、より広いスペースが確保され、縦方向の動きがより自由になり、フェアリング内でのポジショニングを容易にした。

 

タンク上部の深い凹部により、ストレート走行時に、より深くタンクに伏せることができ、燃料タンクの後部エリアは、サイドカバーおよびシート形状の組み合わせにより体の動きを妨げることなく、ブレーキング、コーナーへの進入できコーナリング時にライダーをより適切にサポートするという。

 

ライダーはフルブレーキング時に膝で体を固定し、コーナリング中のハングオフが容易になるため、腕への負担が軽減され、全体的な疲労が軽減。フットレストは、現行のパニガーレV4に比べて10mm内側に移動したことで、地上高が増加、ライダーが足と脚をより内側に配置できるようになり、空力性能も高まっているという。

 

エンジンは先代モデルよりもパワフルかつ軽量で、ライダーにセンセーショナルな走りを提供するために開発。搭載するデスモセディチ・ストラダーレは、MotoGPマシンのエンジンから派生。エンジン構造をはじめ、数多くのテクニカル・ソリューションを共有させた。一例では、デスモドロミック・バルブ駆動システム、カウンター・ローテーティング(逆回転)クランクシャフト、ツインパルス・タイミングで、90°V型4気筒エンジンは、デスモセディチGPとまったく同じエグゾースト・サウンドを奏でるという。

 

デスモセディチ・ストラダーレは、バルブ駆動のタイミングを見直し、従来よりもリフトが高いカム・プロファイルを採用。オルタネーターとオイルポンプはパニガーレV4 Rに搭載されているものと同じで、ギアボックス・ドラムはスーパーレッジェーラV4で使用されているものと同様。可変長インテーク・ファンネルの長さも変更され、短い構成では25mm(マイナス10mm)、長い構成では80mm(プラス5mm)という。

 

ユーロ5規制に適合したデスモセディチ・ストラダーレ・エンジンの最高出力は216ps / 13,500rpm、最大トルクは12.3Kgm / 11,250rpm。サーキット走行専用のアクラポヴィッチ製ドゥカティ・パフォーマンス・レーシング・エグゾーストの装着により最高出力は228psまで上昇するという。

 

戦闘力をさらに高めるため、ドゥカティ・コルセはスーパーバイクで使用される新しいスリックタイヤの潜在能力を最大限に引き出せるようフレームとスイングアームの新たな剛性目標を設定。加速時のエンジントルクとブレーキング時の力を最大限に受け止めることができる高い縦方向の剛性値を維持しながら、60°を超えるバンク角でもグリップを維持するための最適な横方向の剛性を定義したという。

 

フロントフレームも変更し新しい両持ち式スイングアームを開発。軽量かつ革新的なデザインのスイングアームは、特殊な形状によりエンジン下のサイレンサーの位置が維持でき、量産型スーパースポーツ・バイクの世界において非常に珍しいレイアウトとしている。

 

 

新しいスイングアームは、軽量化のための2箇所の大きなスロットにより横方向の剛性を低下させ、これまでの片持ち式スイングアームに比べて37%の重量を軽減し、コーナーから立ち上がる際のトラクションと加速時のフィーリングを向上。スイングアームおよび鍛造リア・ホイール・アセンブリーの組み合わせにより、重量を先代モデルよりも2.7kg軽量化させ路面へのパワー伝達効率が向上した。ホイールはV4Sには、デスモセディチGPのデザインにヒントに5スポーク・タンジェンシャル・デザインを採用し、新しいアルミニウム製軽量鍛造合金ホイールを装着。ホイール重量はフロントがわずか2.95kg、リアが4.15kgとなる。

 

フロントフレームは以前の4.2kgと比較して3.47kg軽量化させ、横方向の剛性を40%低下。この結果、コーナリング時のグリップが一層高まり、より速くコーナーから立ち上がることが可能だという。V4Sに搭載されている第3世代のオーリンズ製NPX/TTX電子制御式サスペンションは、調整範囲が広がり公道でより快適な設定を選択できるだけでなく、サーキットでもより軽快に走ることができ、油圧バルブの反応速度も向上、あらゆる走行状況で、より正確で精密なレスポンスが得られるとしている。

 

新型パニガーレV4はブレンボ製HypureTMフロントブレーキ・キャリパーを搭載した世界初のモーターサイクル。より軽量で高性能なブレンボ製HypureTMキャリパーは、ブレーキから発生する熱をより効果的に分散し、より一貫したパフォーマンスを提供するという。ボッシュが共同で開発したレースeCBSシステムも重要な世界初の機能であり、サーキット専用のレベルを選択すると、プロ・ライダーのテクニックを再現するようにリアブレーキをかけることができるため、コーナーでブレーキング・ポイントを遅らせることが可能になるという。同システムはプロのライダーがハンドルバー・コントネールを使用して、コーナー進入時やコーナリング時に、フロントブレーキを解除した状態でリアブレーキをかける動作を再現するとしている。

 

新たな電子制御システムを開発し搭載。ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)という70を超えるセンサーの入力をシミュレートし、電子制御ストラテジーを改良することで、量産モデルでは前例のない機能を実現したという。同機能の極めて高い精度により、電子制御システムはほぼ予測的に介入し、最大限のパフォーマンスを求めるライダーの要求を満たすことができるとするもの。

 

パニガーレV4にはエレクトロニクス・パッケージをフル装備した。特にドゥカティ・クイック・シフト2.0システムは、ギアドラムの角度位置センサーに基づいて作動するため、マイクロスイッチが装着されていないギアシフト・ロッドを使用することが可能。レバーの移動距離を短縮してライダーによりダイレクトなシフトフィールを提供するとしている。

 

 

新設計のメーターパネルは6.9インチのサイズと8:3のアスペクト比により、フェアリングに体を伏せた状態でもフロントスクリーンを通した視界を妨げることなく、最大限の読み取りやすさを実現。保護ガラスにはオプティカル・ボンディング・テクノロジーという技術を施し優れた視認性を確保するという。

 

メーターパネルには新しいトラック・ディスプレイモードが設定され、デスモセディチGPに乗っているような感覚がさらに高まり、サーキット専用モードは、ライダーが最大限のパフォーマンスを追求できるように設計。新ディスプレイのサイズと「ワイド」なフォルムにより、一連の新しいパラメーターを、画面の両サイドに表示することが可能。

 

 

コーナリング時の横方向と加速・制動時の前後方向の加速度を表示する「Gメーター」やパワーとトルクのパーセンテージを表示する「パワー&トルク」、「バンク角」もバンク角に加えスロットル開度とブレーキにかかる圧力を表示する。

 

トラック・インフォモードでは、時系列のパフォーマンスをリアルタイムで表示。GPSシステムを活用してメーターパネルにはラップタイムが表示され、最初のサーキット・セッションで、ライダーがフラッシュボタンを押して設定できる3つの区間タイムも測定可能。メーターパネルには区間タイム一覧が表示され、MotoGPと同じカラーコードを使用して、サーキットの各セクターで得られたパフォーマンスを示すことができる。

 

ロード・インフォモードは、非常にシンプルな構成が特徴で、中央には円形タコメーターが配置され、その内側にはギアポジション・インジケーターが表示。また、新ドゥカティ・データロガー(DDL)を装着すると、サーキットでピットに戻るたびに新しいDDLデータを取得することが可能。このシステムはパニガーレのCANバスラインから走行に関連するすべてのパラメーターを記録し、移動軌跡を正確に把握できる最先端のGPSシステムのデータと組み合わせた後、ドゥカティ・コルセが作成したテンプレートとレポート機能を備えた外部ソフトウェアを使用してデータを分析し、サーキットにおけるパフォーマンスの改善に役立てる事ができるとしている。

 

【パニガーレV4 S】カラー=ドゥカティ・レッド、アーバングレー・フレーム、ブラック・ホイール、マットブラック・フロントフェンダー

◆主な標準装備

・デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン、1,103 cc

・最高出力216ps/13500rpm、最大トルク12.3kgm/11250rpm

・車両重量(燃料を除く)187kg

・アルミニウム製燃料タンク(容量17リットル)

・ドゥカティ・エレクトロニック・サスペンション(DES)3.0

・オーリンズ製NIX30フォーク、オーリンズ製Smart EC 3.0電子制御システム

・オーリンズ製TTX36ショック・アブソーバー、オーリンズ製Smart EC 3.0電子制御システム

・オーリンズ製ステアリング・ダンパー、オーリンズ製Smart EC 3.0電子制御システム

・アルミニウム製鍛造ホイール

・ブレンボ製HypureTMモノブロック・キャリパーを備えたブレーキシステム

・ピレリ製ディアブロ・スー パーコルサV4タイヤ(リアサイズ:200/60)

・ウィング(バイプレイン構成、一体デザイン)

・6軸慣性測定ユニット(6D IMU)を備えた最新世代のエレクトロニクス・パッケージ:コーナリング機能付きレースeCBS、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)DVO、ドゥカティ・スライド・コントロール(DSC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)DVO、ドゥカティ・パワー・ローンチ(DPL)DVO、ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)2.0、エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)、ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)

・コントロール・レベル変更用スイッチ=8:3のアスペクト比を備えた新しい6.9インチフルTFTメーターパネルライディングモード(レースA、レースB、スポーツ、ロード、ウェット)、DRLとインジケーターを統合したフルLEDヘッドライト、シングルシート仕様(パッセンジャー・キットはアクセサリーとして提供)、ドゥカティ・データ・ロガー(DDL)とドゥカティ・マルチメディア・システム(DMS)に対応

 

【パニガーレV4】カラー=ドゥカティ・レッド、アーバングレー・フレーム、ブラック・ホイール

◆V4Sの標準装備との違い

・車両重量(燃料を除く):191 kg

・ショーワ製44mm径フルアジャスタブル・ビッグピストン・フォーク(BPF)

・ザックス製フルアジャスタブル・モノショック・アブソーバー

・ザックス製ステアリング・ダンパー

・5本スポーク軽合金ホイール

 

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