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インディアンMC 新型「Scout」5車種発売  ポラリスJ  製品構成で広くユーザー獲得へ

インディアンMC 新型「Scout」5車種発売  ポラリスJ  製品構成で広くユーザー獲得へ

2024.07.19

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インディアンMC 新型「Scout」5車種発売  ポラリスJ  製品構成で広くユーザー獲得へ

インディアンモーターサイクル(IMC)の輸入元ポラリスジャパンは7月11日、約10年ぶりに刷新した主力モデルの新型SCOUT(スカウト)の5機種を発表、受注販売開始した。伝統的歴代モデルの「101」の名称を与えた自信作などでラインアップを構成、新規需要やカスタムユーザーなどへ広く市場拡大を狙う。当日、神奈川県内で行った発表会には米本社IMCの首脳陣が参加し、集まった報道陣らに新型SCOUTをアピールした。

 

新型スカウトはIMCのDNAを堅持しながらも、スマート、シンプル、そしてカスタムのポイントを置き、エンジンをはじめ、フレーム、各部位のパーツのデザインや機能などすべてにおいて新設計された。モデルは「Scout Classic」「Scout Bobber」「Sport Scout」「Super Scout」「101 Scout」の5機種で構成される。さらに3つのグレード「Standard」「Limited」、そして最上級の「Limited+Tech」を設定した。Super Scoutと101 ScoutはLimited+Techのみの設定となる。

 

 

共通する基本デザイン、フレームは従来のアルミダイキャスト製から鋼管製に変更、さらに薄型ラジエーターを採用しスマートなシルエットを実現させた。IMCの特徴であるネック下からエンジン下方へとつながる「Indian Sライン」というすべてのIMCに採用される最も重要とするライン描いている。

 

フレーム構造は従来モデル同様にエンジンをフレームの一部として利用するダイヤモンド式フレームという構造とした。エンジン下部のフレームを廃しエンジン搭載位置を極限まで下げ低重心化を図った。リヤにかけてのフレームは、アルミダイキャスト製として軽量化と自由度の高いフレームワークを可能にしという。足つき性は680㎜(Bobberは665㎜)でクラストップレベルの優れた足つき性で、広くユーザーに対応する。

 

新型の「Speed Plus1250」というエンジンは水冷60度 Vツイン、排気量は10%拡大し1250cc、ボア・ストロークは104 mmx73.6mmで圧縮比12.5:1となる。最大出力は約17%強化し105 HP/79 kW、最大トルクも約12%高めた109Nmを発揮。これまでよりもフラットな出力特性とした。このうち101Scoutの最高出力は111HPとなる。

 

新型Scoutカスタムへも注力していることから、アクセサリーでは100アイテムを超える豊富な製品を用意。このうち70種類は新開発で、30種類は従来からの製品をさらに改良したという。

 

新型スカウトでは5車種、装備も3グレートを用意するなど、カスタムやスポーツ、クラシック、ツアラーなどと多くのユーザーに広く適合でき、主力モデルを一層強化したといえ、市場拡大を狙う計画だ。米本社首脳のプレゼンテーションでは、Scoutへの開発意欲や販売への期待のことばを滲ませている。

 

101 Scout

 

Scout Bobber

 

Scout Classic

 

「28%の顧客、Scoutが初めてのMC」  ベスター副社長

米本社の首脳らが参加した発表では、ポラリス社のインディアンMCインターナショナル担当のグラント・ベスター副社長、同インダストリアルデザイン担当のオラ・ステネガード・ディレクター、同プロダクト担当のカイル・ゴード・マネージャーの3人。

 

ベスター副社長は大きく成長したこれまでの10年を取り上げた。この中で「IMCは世界で20万人を超える顧客がいる。その中で約40%が米国以外の市場での販売となる。過去5年間でビジネスは約2倍の規模に拡大した。世界中でディーラーも顧客も拡大し、ディーラーは85ヵ国で600を超える。

 

 

このうち350のディーラーが米国以外の海外の拠点になる」と販売体制の状況を取り上げ、さらに「生産や技術開発への投資はもとより、工場へお投資もアジア、米国、ヨーロッパで3拠点工場を持つ」とした。

 

主力モデルであるScoutの新型では「さらに市場シェアを伸ばしていけると確信している」と期待を寄せる。数の成長も重要としながらも「ディーラーにとどまらず、カスタマイザーなどの顧客を含めて世界市場でコミュニティが成長を続けており、IMCの大イベントでは実はヨーロッパでのイベントが3000以上のオーナーが集まる大規模なイベントになっている。

 

ビジネスの成長も重要だが、こうしたコミュニティも同時に拡大させることが非常に重要であり、Scoutがコミュニティ拡大をリードしてくれる」と期待を寄せる。

 

また「IMCの中で約40%がScoutの生産となり、グローバルでの販売は約50%がScoutで占める。Scoutの顧客満足(CS)度調査ではライバルを引き離し82点となり、今後もさらにCSを拡大する。特に93%が他社からの乗り換えで、しかも28%の顧客が、Scoutが初めてのMCとしている。今後もScoutの市場をさらに伸ばして行く」とScoutは世界市場の戦略モデルに位置付けていることを強調した。

 

最後にベスター副社長は「今回は5車種を発表したが、近い将来には恐らく6車種目のラインアップを紹介できると考えている」とさらに新型追加車種に言及した。

 

 

デザイン「魂込めた」  ステネガード・ディレクター

ステネガード・ディレクターはデザインの観点から「重要としていることは、今日、明日、未来も美しく、すっきりしたシンプルにとどめることを重要視した。カスタムを容易にできることをカギと考えている」とした上で、「新型Scoutのデザイン目標は、カスタムを理解しているユーザーへ向けたデザインにして、これまでのDNAを残しつつ、すべてを変えた」などと述べた。

 

エンジンでは「外観も新設計し、改善し向上させた。細部にわたり美しさを考えてデザインした。エンジンをベースにシャシーをデザインし、第一印象であるシルエットではScoutと分かるデザイン、V型ライン、燃料タンクからリヤにかけてのラインをスカウト独特のScoutラインに仕上げ、エンジン下部のラインではIMC全モデル歴代共通の“S字ライン”とし、伝えたいデザインを捉えてもらうために骨格をしっかりと設計する必要があった」などと、新旧デザインの融合、進化を強調した。

 

 

第二印象としては「ボディワークの印象となり、車種のキャラクターや性格付けとなる。40、60年代の自動車を想像し美しい表現にした。タンクをはじめ外装は新設計を施し、様々な車種をつくることで魂を込めた。また、第三印象は近くで見える部分、仕上げ部分の精度の高さを感じ取ってもらえるディテール、各部品の構成やデザイン、そして殻や素材、処理の方法まで細部にわたりこだわった」などと述べた。

 

新型は「変革でなく“進化”」  ゴード・マネージャー

仕様や技術面についてゴード・マネージャーは「スタイルやカスタムのしやすさ、ライダーと一体化する3つをポイントの柱とした。変革させるのではなく“進化”させること」と開発の基本テーマを挙げた。

 

柱の一つとして「象徴的なアメリカンスタイルとして、フレームにはS字ラインを基調としたコンパクトなラジエターを収め、低めのシート高、車体の軽量化、人間工学にも続いた乗車ポジションディーラーカスタムが矢の占めるモデルとした。エンジンではメンテナンス性を配慮し、パワーとトルクを拡大しあらゆるユーザーに乗りやすいエンジンに仕上げた。10年前の発表でも101の名称を使いたいと考えたが、今回は101の名称を使った」などと新型への自信を裏付ける発言を行った。

 

エンジンではスタンダードのほかに、先に挙げた大きくは2つのラインアップを用意し、広くユーザー志向に対応していることなどを解説、強調した。

 

左より米本社のゴード・プロダクトマネージャー、ベスター・インターナショナル副社長、ステネガード・デザインディレクター

 

あいさつに立つポラリスジャパンの藤原裕史ディレクター

 

 

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