SHOEIは12月7日、2023年9月期の連結業績を発表し、増収・増益とした。製品価格の引き上げや新製品の投入、北米や欧州の各市場の需要が高まり輸出でも円安が貢献した。
売上高は前年度よりも46億6300万円(16.1%)増加の336億1600万円、営業利益は同14億4300万円(17.2%)の増加で98億2500万円、経常利益は同1億35400万円(15.9%)の増益98億5800万円と、税金等調整前当期純利益は同13億5500万円(15.9%)の増益で98億5900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同10億5000万円(17.4%)増加の70億6800万円であった。自己資本に対する利益率のROEは28.3%になった。
資材費などのコストが上昇したが、昨年10月に行った一斉値上げと、新たに投入した新モデル「X-15シリーズ」発売にともなう製品単価を高めたなどを増収の要因としている。
販売市場では、世界経済は諸物価の高止まりに加え、欧米におけるインフレ防止策の影響や地政学リスクの高まりなどで、景気の天井感が出始めました。高級二輪乗車用ヘルメット市場は会計年度前半では、二輪乗用車が高い人気を持続。
後半は、ポストコロナにおけるコロナ需要の減速、世界経済の現況下、欧州での天候不順などが加わり、かつての勢いが衰えてきたものの、好調な前半が牽引する形で当連結会計年度を通じ、おおむね良好な販売ができたという。一方で、計画通りに生産・販売が進んだほか、ニーズに沿った新モデルの開発・製造およびユーザーの安全をサポートする販売・サービス体制を持続。
販売では日本および海外を合わせた販売数量は前年度比2.8%増加し販売数量85万個とした。欧州市場では販売数量は需要の落ち着きを反映して前年度比0.2%増加で推移。売上高は前年度比20億6400万円(16.4%)増加の146億5800万円であった。
北米市場では代理店が前連結会計年度において販売好調ななかで積み増した在庫の調整を図ったことや、需要減により前年度比47.7%減少した。北米市場の売上高は前年度比16億4400万円(31.8%)減少の35億2900万円
日本市場の販売数量は前年度比2.3%減少したものの、年度内ではポストコロナの需要減は見受けられず、売上高は前年度比3億9600万円(6.6%)増加の63億6400万円であった。
アジア市場の販売数量は、中国が好調な需要が続くなかで前々連結会計年度の代理店による発注出遅れの影響も一巡し、販売が前年度比90.1%の大幅に増加したことで、アジア全体は前年度比72.8%増加した。アジアの売上高は前年度比35億8600万円(80.5%)増加の80億4300万円を上げた。
◆2024年9月期の業績見通し
売上高は前年度比4.5%増加の351億2000万円、営業利益は同2.0%減少の96億3000万円、経常利益が同2.3%減少の96億3000円、親会社株主に帰属する当期純利益は4.2%減少で67億7000万円の予想。為替レートは1ドル140円、1ユーロ150円を前提としている。
新規ではBMX競技用ヘルメット市場に参入。2024年9月期中に販売を始める予定。投資額は1億円としており、3年後には売上2億円、粗利で1億円を目指す。