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5月の出荷台数 8.5%増  自工会調べ  原二、大幅増で流通も飽和か

5月の出荷台数 8.5%増  自工会調べ  原二、大幅増で流通も飽和か

2023.06.13

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5月の出荷台数 8.5%増  自工会調べ  原二、大幅増で流通も飽和か

51~125㏄の原付二種の出荷台数が増えている。5月の国内「新車出荷台数」は前年同月を超え、前の月の4月も若干増加した。自工会(日本自動車工業会)がまとめた5月の出荷台数では、今年に年頭より原付二種が前年同月を大きく超えており、5月では軽二輪車が11ヵ月ぶりに前年月を大きく超えた。

 

 

新車出荷台数はメーカーの生産工場から出荷した台数で、50㏄以下の原付一種から251㏄以上の大型二輪車である小型二輪までの、全クラスを通して一つの指標で流通台数として確認できる唯一のデータ。さらにオートバイ業界全体に大きく影響するため、関係企業や担当者らが注目する重要な指標の一つとなっている。

 

 

5月の各排気量クラスの合計は、前年同月に比べ8.5%増加の2万8355台であった。前月4月の2万8255台に比べて100台増えた。大型連休で出荷や販売での稼働日が4月に比べ少ないものの、5月の出荷台数は4月を超え比較的に出荷段階では活発であったといえそうだ。ただ、排気量クラスではばらつきがみられる。

 

 

排気量クラス別では、50㏄以下の「原付一種」が前年同月に比べ34.2%減少の6760台であった。前月の4月の8057台に比べ16.1%の減少となる。同クラスは昨年9月以降9カ月連続で前年月を割った。1月から5月までの累計台数では前年同期比26.2%減少4万1173台にとどまる。

 

 

51~125㏄の「原付二種」は、前年同月比で74.0%増加の1万1166台であった。今年1月より連続して前年同月超えとなった。ただ、前年月を割ったとはいえ同クラスは昨年前半に大きく減少したことで、今年が増加に転じていることが挙げられる。前月の4月との比較では3.6%少ないだけで、ほぼ同水準となる。1月から5月までの累計台数では、前年同期比で56.4%の増加で6万6253台となる。

 

 

126~250㏄クラスの「軽二輪車」は、前年同月に比べ26.0%増加して6205台であった。昨年6月の増加以来11ヵ月ぶりの前年月超えとなる。前月4月の3316台に比べても87.1%の大幅な増加であった。5月までの累計台数では、前年同期比8.2%少ない2万5227台となる。5月の稼働日数からすると、特に販売店では台数以上に、大幅に入荷した印象が強そうだ。

 

 

251㏄以上の大型クラスの「小型二輪車」は、前年同月に比べ6.3%減少の4224台であった。減少したものの、昨年5月約24%増加と高い水準との企画からすると今年の5月も高いまま推移しているといえる。前月の4月の5304台に比べて約30%少なかった。1月からの累計台数では、前年同期に比べ21.9%減少して2万3243台となる。

 

 

オートバイ流通新聞では5月までの出荷状況を見て、5月も原付二種の出荷台数が増えており、昨年は比較的に出荷台数が少なく中古車市場でも需要が増え、高値でも多くのユーザーが買い求め、ほぼユーザーの手に車両が一通りいき渡ったところで、今年に入り出荷台数が増加し、原付二種は需要の低下と台数の増加で需要を超える車両供給で飽和傾向にあるとみている。一部の車両販売店ではすでに車両在庫が増え、値崩れも始まっているとする販売店もある。

 

 

一方で、小型二輪は昨年の大幅な増加に比べ、今年は低調に推移していることで原付二種ほどの値崩れは抑えられそうだ。ただ、新型コロナの2021年の様に免許取得者の増加に伴う車両の需要拡大の時とは異なり、すでに免許交付件数は昨年前年を割っており、今年はすでに新型コロナの時の様に外部環境による需要の期待は薄い。新型コロナで増えた新規ユーザーに継続して乗り続けてもらう一方で、経済学者のピーター・F・ドラッカー氏は「顧客の創造」こそが事業の目的としており、各社に改めて顧客の創造への取り組みが問われているといえそうだ。

 

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