カヤバ(KYB)は5月11日、2023年3月期(2022年度)決算の連結決算を発表し、前年比で増収増益とし過去最高益を上げたとした。
同社2023年3月期の連結売上高は4312億円で前年同期に比べ11%増加で金額にして428億円増増加した。セグメント利益は255億円の3.2%多く金額では前年比8億円増加。営業利益は前年比8.5%の25億円字増加し325億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同20.7%の48億円増加し272億円であった。
このうち二輪車用や四輪車用などの油圧緩衝器を扱うオートモーティブコンポーネンツ(AC)事業は、四輪車用では新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞や半導体不足からの回復し、中東での市販製品の好調、円安による為替影響により、売上高は2022億円と前年度に比べ19.5%の増収であった。また、四輪車用パワーステアリング製品を主体とする四輪車用油圧機器は、電動パワーステアリングやCVT(無段変速機)用ベーンポンプの販売減少により、売上高は210億円と前連結会計年度に比べ11.9%の減収であった。
二輪車用の油圧緩衝器では東南アジア、インドおよび中国での販売好調により、売上高は459億円と前年度に比べ31.6%の増収となった。
その他の鉄道車両用オイルダンパを中心とするその他製品の売上高は94億円でなり、銅事業部門の売上高は2785億円と前年度に比べ17.1%の増収となり、利益は187億円で同27億円の増益であった。
22年度の流動資産は現金および現金同等物が減少する一方、営業債権およびその他の債権が増加した。非流動資産では、その他の金融資産が増加した結果、総資産は126億円増加し4468億円となった。負債では、社債および借入金が減少したことで負債総額は175億円減少し、2558億円となった。資本は当期利益にともなう利益剰余金の増加、為替影響によるその他の資本の構成要素の増加により301億円増加し、1910億円とであった。
キャッシュフローは営業活動と投資活動によるキャッシュフローを合わせて104億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュフローは202億円の資金流出となり、為替換算により12億円増加した結果、現金および現金同等物は前年度末比85億円減少し436億円となった。
理由は営業活動により239億円の資金流入となり、主に税引前利益318億円、減価償却費および償却費187億円、営業債権およびその他の債権の増加78億円、製品保証引当金の減少93億円によるものという。また、投資活動で資金は135億円と前年度比26億円の支出増加とし、主に有形固定資産の取得による支出116億円、定期預金の預入による支出14億円によるものとする。財務活動での流出した資金は、202億円で、主に長期借入金の返済による支出121億円、主な流入は長期借入金による収入18億円としている。
2024年3月期(2023年度)の業績予想は、連結売上高は前年度比188億円多い4500億円、セグメント利益が同25億円増加の280億円、営業利益では27億円減少し298億円、親会社の所有者に帰属する当期利益である最終利益は72億年減少し200億円としている。