20~50代の働く男女の4人に1人が貯蓄をしておらず、その理由として「毎月の生活費で手一杯」と回答した人が6割を超えた。企業年金・退職金制度の導入支援などを手掛けるベター・プレイス(東京都新宿区)が実施した「第2回貯蓄と借入れに関するアンケート調査」で明らかになったもの。将来に向けた貯蓄や投資に回す余裕がない人も約6割に上る一方、借入先ではクレジットカードのリボ払いの割合が前年から上昇。日々の生活費の負担が、資産形成と資金繰りの両面に影響している実態が浮かび上がった。
調査は2026年10月1~2日、全国の20~59歳の働く男女595人を対象にインターネットで実施したもの。質問では、現在の貯蓄の有無については尋ねた回答では、「貯蓄がある」が74.8%、「貯蓄がない」が25.2%となった。前年調査では貯蓄がある人が75.9%で、今回は1.1ポイント低下。働く世代の約4人に1人が貯蓄を持たない状況となっている。
貯蓄がある人の現在の貯蓄額を見ると、「1000万円以上3000万円未満」が16.9%で、「500万円以上1000万円未満」が12.6%だった。一方、「100万円未満」も17.8%に上り、貯蓄額には大きな開きがある。


■貯蓄できない理由、6割超が生活費
貯蓄をしていない人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「毎月の生活費で手一杯だから」で64.0%。前年の53.3%から10.7ポイント上昇した。次いで「収入が少ないから」が36.7%となった。
この結果を回答者全体に換算すると、約6人に1人が生活費の負担を理由に貯蓄できていないことになる。物価上昇などによる家計負担が続く中、日常の支出を賄うことが優先され、将来への備えに資金を振り向けにくい状況がうかがえる。
日常生活費の状況についても、「問題なくまかなえているが、余裕はない」が40.5%で最多となった。「常に不足している」は19.8%、「やや不足することがある」は17.1%で、合わせて36.9%が日常生活費に不足を感じている。


■将来の貯蓄・投資、57.6%が余裕なし
将来のための貯蓄や投資に回す余裕については、「あまりない」が32.8%、「まったくない」が24.9%となり、合計57.6%に達した。前年の53.6%から4.0ポイント上昇しており、将来に向けた資産形成の余力が乏しい人の割合は拡大している。
毎月の貯蓄額については、貯蓄をしている人のうち「3万円以上5万円未満」が20.9%で最多だった。ただし、「わからない・回答したくない」も24.3%に上り、貯蓄額を把握していない、あるいは回答を控える人も一定数いる。

■借入れ経験者は19.5%、生活費の補てんが最多
借入れの有無では、「ある」が19.5%、「ない」が80.5%だった。借入れがある人の割合は前年の25.2%から5.7ポイント低下した。
一方、借入れの理由を見ると、「生活費の補てん」が41.4%で最多となった。前年の34.0%から7.4ポイント上昇している。次いで「借入金返済への充当」が22.4%、「医療費」が17.2%だった。
貯蓄できない理由の最多が「毎月の生活費で手一杯」であることと合わせると、日々の生活費の負担が、貯蓄の難しさだけでなく、借入れの必要性にもつながっている様子がうかがえる。
借入れがある人の借入先では、「銀行(カードローン、フリーローンなど)」が47.4%で最多となった。次いで「クレジットカード(リボ払い)」が37.1%、「クレジットカード(キャッシング)」が29.3%だった。
リボ払いは前年の27.7%から9.4ポイント上昇し、順位も前年の3位から2位に上がった。借入れがある人の割合自体は低下したものの、その内訳ではリボ払いの利用割合が拡大している。
借入れを選んだ理由では、「今すぐに資金が必要だったから」が44.8%で最多。「手続きが簡単だったから/手軽にできたから」が31.0%、「返済の見込みがあったから」が21.6%となった。
■職場の資産形成支援、自動貯蓄制度にニーズ
勤め先に希望するお金のサポートや福利厚生については、「特にサポートは必要ない/利用したいと思わない」が46.7%で最多となった。一方、「給与から毎月自動で貯蓄できる制度」を希望する人も25.0%いた。
そのほか、「給与の一部を投資に回し、自分で運用する積立制度」が17.6%、「給与の一部を元本保証の投資に回し、運用を専門機関に委託する積立制度」が11.1%だった。
今回の調査では、貯蓄がない人の割合に加え、将来の貯蓄・投資に余裕がない人や、生活費の補てんを目的に借入れをする人の実態も示されたとしている。借入れのある人の割合は前年を下回った一方、生活費の補てんやリボ払いの割合は上昇しているという。



