川崎重工業は8月7日、2026年度第1四半期(26年4~6月)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比11.3%増の5435億円、事業利益は同74.0%増の357億円となり、いずれも第1四半期として過去最高を更新した。税引前四半期利益は同106.5%増の347億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同271.4%増の156億円となった。受注高も前年同期比17.8%増の5257億円であった。
増益の主な要因は、売上の増加に加え為替変動や売上構成の変化、販管費の抑制などとなる。特に米国のIEEPA関税還付が80億円の増益要因となった。価格適正化による90億円の増益効果もあった一方、インフレ影響や製品ミックスなどによる79億円の減益要因、米国関税政策によるコスト上昇などが利益を押し下げた。販管費は売上成長に伴い増加したものの、固定費を抑制したことで販管費率は前年同期の15.8%から15.4%へ低下した。
セグメント別では、航空宇宙システムやエネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、そしてパワースポーツ&エンジンなどが事業利益の増加に寄与した。なかでも二輪車事業を含むパワースポーツ&エンジンは前年同期の80億円から111億円増加し、192億円となった。全社の事業利益が152億円増加する中で、PS&Eだけで111億円の増益となり、全社の利益改善を大きく押し上げた。
パワースポーツ&エンジン事業は、売上収益が前年同期比104億円増の1707億円、事業利益が111億円増の192億円となった。利益率は前年同期の5.0%から11.3%へ6.2ポイント改善した。増収については、先進国向け二輪車の減少があったものの、汎用エンジンの販売増加や円安の影響などが寄与。増益については、米国IEEPA関税の還付に加え、販売促進費の抑制、固定費の減少、円安の影響などが利益を押し上げた。
PS&Eの事業別売上収益を見ると、先進国向け二輪車は603億円で前年同期比40億円減少した。一方、新興国向け二輪車は261億円で13億円増加。四輪車・PWCは492億円で30億円増加し、汎用エンジンは349億円で100億円の大幅増収となった。PS&E全体の104億円の増収に対し、汎用エンジンだけで100億円の増収となっており、二輪車の減少を補う格好となった。
二輪車の卸売台数は、先進国向けが4万6000台で前年同期比1万3000台減少、新興国向けが6万台で2000台減少した。先進国では日本が前年同期1万台から今期3000台に減、北米が同2万3000台から1万8000台に減、欧州が同2万2000台から2万1000台に減となりいずれも減少。一方、新興国ではフィリピンが同4万6000台から4万2000台に減少したものの、インドネシアは同3000台から5000台、中南米は同4000台から5000台へ増加した。
二輪車市場について、同社は米国の小売市場が軟化する中でも高いシェアを維持している。欧州は市場が緩やかな回復基調にあり、新機種効果によってシェアを拡大。一方、東南アジアでは一部地域に増加傾向がみられるものの、スポーツセグメントは依然として低水準としている。
PS&Eでは、需要動向と在庫水準の変化に応じた機動的な生産・販売を進めるとともに、カワサキブランドに根差した魅力あるモデルの投入を進める。また、北米ではマーケットイン型の商品力向上と収益性改善を進め、米国とメキシコの2工場を柔軟に活用して外部環境の変化への対応力を高める。
◆通期見通し、売上収益2兆5600億円で事業利益1800億円
2027年3月期通期の連結業績予想では、売上収益を2兆5600億円で据え置く一方、事業利益は従来予想から100億円引き上げ、1800億円とした。前期実績の事業利益1451億円から349億円の増益を見込む。税引前当期利益は1570億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1150億円を計画する。受注高については、従来予想から1200億円引き下げ、2兆4200億円とした。
PS&Eの通期見通しは、売上収益7300億円、事業利益300億円で従来予想を据え置いた。前期実績の売上収益6828億円に対して472億円の増収、事業利益227億円に対して73億円の増益を見込む。事業利益率も前期の3.3%から4.1%へ0.7ポイント改善する計画だ。
事業別では、先進国向け二輪車の通期売上収益を2700億円とし、従来予想から50億円引き下げた。一方、新興国向け二輪車は1100億円で従来予想を維持。先進国向け二輪車の減少などを見込むものの、汎用エンジンの増加などによってPS&E全体では通期見通しを維持する。



