ヤマハ発動機は2026年12月期中間決算を発表し、売上収益、営業利益、中間利益がいずれも中間期として過去最高を更新した。特に二輪車事業で、インドやASEANを中心とする新興国市場の需要拡大に加え、高価格帯モデルの販売増加により収益改善が大きく寄与した。これを受け同社は通期業績予想を上方修正した。
今年1月から6月中間期の連結売上収益は前年同期比17.2%増の1兆4980億円、営業利益は同88.6%増で1585億円、親会社株主に帰属する中間利益では同114.7%増の1139億円であった。売上収益、営業利益とも中間期として過去最高を更新した。
ランドモビリティ事業では売上収益が前年同期比21.8%増で9846億円、営業利益は同89.8%増の1127億円と大幅な増益を達成。このうちMC(モーターサイクル)事業での売上収益は同22%増9643億円、営業収益が同88%増の1160億円であった。日本市場は販売減となったものの、欧米市場の需要回復に加え、インドやASEAN市場で販売台数が大きく伸長した。販売増に加え、価格適正化や円安効果も利益を押し上げた。
上期におけるMC全体の販売台数は、前年同期比12%増の276万2000台。日本は同16%減の3万5000台、北米が同23%増の5万7000台、欧州は同7%増で13万6000台、アジアが同15%増の215万7000台、その他が同4%増で37万7000台であった。
決算説明会では設楽元文社長がMC事業での現在の利益拡大は「インド・ASEANを中心に二輪車販売が非常に好調」であることが最大の要因と説明。そのうえで「損益分岐点の改善と販売増加が利益拡大に寄与し、MC事業とマリン事業が利益の大半を稼いでいる」と述べ、経営資源をコア事業へ集中させる戦略が成果を上げているとの認識を示した。
さらに同社は、新興国市場ではプレミアムカテゴリーへのシフトが進んでいることを強調した。インド、インドネシア、ベトナムなどでは所得向上を背景に高付加価値モデルへの需要が拡大しており、「台当たり単価が上昇し、モデルの差別化によって利益率も向上している」と説明。今後も同地域へ新型車を投入し、下期も販売台数の増加を見込むとしている。
マリン事業の売上収益は前年同期比7.4%増で3007 億円、営業利益が同18.3%増の460 億円。アウトドアランドビークルは売上収益が同3.3%増の803 億円、営業損失120 億円。ロボティクス事業では売上収益が同24.5%増の601 億円、営業利益で37 億円を上げた。金融サービスが売上収益は同18.1%増で636億円、営業利益121億円は同50.6%増。その他では売上収益が同11.6%減の87 億円、営業損失41 億円へと縮小した。
一方、同社はアウトドアランドビークル(OLV)事業の構造改革に取り組む。その一環で米国ジョージア州のYamaha Motor Manufacturing Corporation of America(YMMC)におけるROV(レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル)の自社生産を終了させ、パートナー企業からのOEM 供給を前提とした協業モデルへ移行する。創出された経営資源をATV(四輪バギー)やゴルフカーへ集中投下することで、OLV 事業全体の収益力向上を目指す。
今回の決算では、日本市場が減少する一方で海外、とりわけ新興国市場が業績をけん引する構図がより鮮明となった。国内市場の成熟が進むなかでも、海外でのプレミアムモデル拡販による収益力強化が、今後の二輪事業の成長を支える戦略として一段と存在感を高めている。
◆通期業績を上方修正
2026年の通期業績予想も上方修正した。売上収益は修正前の2兆7000億円を修正後は2兆9000億円として、営業利益は同1800億円を修正後は2600億円、当期利益は同1000億円から修正後は1700億円とした。
今後の見通しについては、本構造改革を着実に実行することで、2027年に大幅な収益改善を実現し、収益構造の改善および資本効率の向上を通じて、OLV事業の2028年単年度黒字化を目指す。今年2月に公表した米国本社機能のケネソーへの移転を含め、中長期的に安定的かつ継続的な収益創出が可能な事業基盤を構築し、米国市場およびグローバル市場でのプレゼンスと企業価値の向上に取り組む考え。




