中古二輪車販売・買取事業を展開するバイク王&カンパニーは6月24日、新CMの公開に合わせて東京・渋谷駅前で大型ビジョン放映とライブイベントを組み合わせたクロスメディアプロモーションを実施した。テレビCMやWeb広告に加え、リアルイベントを組み合わせることでブランドメッセージを立体的に伝えるマーケティング施策を展開。
渋谷駅前の大型ビジョンで新CMを放映すると同時に、渋谷マークシティで公式アンバサダーの「ずま(虹色侍)」さんによるライブイベントを開催。会場には人気のバイク漫画「バリバリ伝説」に登場するホンダCB750Fを展示し、CM、音楽、実車展示、ライブ体験を一体化させたクロスメディア展開を行った。ライブでは多くの来場者が足を止め、スマートフォンで撮影する様子も見られたという。
プロモーションで特徴的なのは、単に中古車の買い取りや販売を訴求するのではなく「バイク文化そのもの」を発信した。会場を若者文化の発信地である渋谷に設定した背景について同社は、既存ライダーだけではなく、これまでバイクとの接点が少なかった層にも興味を持ってもらう機会を創出することを目的としている。

駅前にある渋谷マークシティの1階のイベントスクエアでは、夕刻に「ずま(虹色侍)」さんによるライブイベントを行った。

新CMは、「走り継がれる、愛車との記憶編」と「走り継がれる、憧れとの出逢い編」の二部構成となっている。前者では長年乗り続けた愛車を手放すオーナーの葛藤を、後者では新たなオーナーがその車両と出会うまでを描き、買い取りから販売、整備、納車までを一つのストーリーとして表現した。そこには「バイクを売ること」ではなく、「愛車が次のオーナーへ受け継がれていく」という価値観を訴求する狙いが見える。
クリエイティブ面でも、ターゲット層を意識した工夫が施されている。1980年代を代表するバイク漫画「バリバリ伝説」というIP(知的財産)を活用しながら、若年層に人気のアーティスト「ずま(虹色侍)」を起用。往年のライダーには懐かしさを、若年層には昭和レトロへの人気、現代的な音楽表現を通じて共感を生み出す構成とし、世代を横断するブランドコミュニケーションを目指している。同社ではIPの持つ普遍的な魅力と現代的な音楽を融合し「バイク愛」に向き合う企業姿勢をエモーショナルに表現したとしている。
CMで訴えている内容も機能や価格ではない。作品全体を通じて描かれているのは「継承」というコンセプトだ。クリエイティブディレクターは、日本のバイク文化の継承とオーナーの想いが次のライダーへ受け継がれる物語を二つの柱として制作したとコメントしている。バイク王が掲げる「愛車循環」という考え方を映像で可視化し、企業ブランドそのものへの共感形成を目指したことがうかがえる。
マーケティングの視点から見ると今回の施策は、YouTube配信、新CM、大型ビジョン、ライブイベント、実車展示を連動させることで、オンラインとオフライン双方の顧客接点を設計した点が特徴といえる。さらに、買い取りだけではなく販売や整備、保証サービスまでストーリーに組み込み、「安心して任せられるブランド」であることを自然な形で訴求している。
二輪市場では人口減少や若年層のライダー減少が課題となる中、新規ユーザーとの接点づくりはメーカー、販売店を問わず共通のテーマとなっている。今回の取り組みはサービスの訴求だけではなく「バイク文化」「体験価値」を伝えることでブランドへの共感を高めようとする活動として挙げられる。
なお、渋谷駅前で大型ビジョン放映は、24日は15分毎放映し、週末の26日の金曜と27日の土曜の2日間では30分毎に1回の割合で放映。

渋谷マークシティ屋上にある大型ビジョンでCMを放映



