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【特報】ネオレトロだけじゃないネイキッド  多様化する顧客志向に対応して

【特報】ネオレトロだけじゃないネイキッド  多様化する顧客志向に対応して

2026.06.04

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【特報】ネオレトロだけじゃないネイキッド  多様化する顧客志向に対応して

ネイキッドモデルのカテゴリーが拡大している。レーサータイプに多いフルカウルモデルに対して、カウルを装着しないいわゆる普通のオートバイがネイキッドモデルだが、クラシックモデルのイメージを踏襲したネオレトロをはじめ、オフロード走行も視野に入れるスクランブラー、ハイパワーの走行性能を体現するストリートファイターなどその狙いは様々。ネイキッドモデルとはいえ、多様化するモデルは顧客志向に合わせた結果ともいえよう。今年も神奈川県大磯町の大磯プリンスホテルロングビーチで開かれた「第11回 JAIA輸入二輪車試乗会・展示会」で、他にない独自性を主張するモデルに触れた。

 

ポラリスジャパンによるインディアンモーターサイクルの「Chief Vintage」は、リアタイヤをあえて細くしてスリムに見せるなど伝統のモデルをイメージしたモデルだ。1800CCの空冷OHV、Vツインエンジンを搭載し、余裕あるトルクとパワーをライダーに提供する。クラシックイメージとはいえ、走行性能は現代的でイメージとは裏腹に俊敏性も兼ね備える。デビュー間もないがヒットモデルに成長しており、他社にない伝統的なアメリカンモデルとして人気を集めているという。

 

Indian Motorcycle Chief Vintage  伝統のイメージを訴えかける

 

 

ピアッジオグループジャパンによるモトグッチ「V7 SPORT」は、伝統の空冷縦置きVツインエンジンに、電子燃料噴射(インジェクション)と電子制御スロットル(ライドバイワイヤ)を採用し、厳しい環境規制を乗り越えて現代にマッチしたモデルに仕上げている。伝統のデザインを踏襲しながら、フロントの倒立サスとダブルディスク化は最新モデルにも引けを取らない。走りのイメージを訴えながら伝統のイメージも持つモデルは60歳代のベテランライダーなどからの人気も高い。

 

比較的コンパクトなイメージからか、初心者の女性ライダーからの引き合いも多く、幅広いライダー層にマッチしている。伝統のエンジンと最新電子技術による制御が魅力的なモデルだが、かつて見られたシャフトドライブの癖も見事に解消されていた。特別なデバイスを用いることなく、シャフトの取り出しとスイングアームピボット、サイスペンションの位置関係による絶妙なセッティングの成果ともいえ、伝統と技術の昇華が味わえるのもこうしたモデルの魅力だろう。

 

MOTO GUZZI V7 SPORT 倒立サスを組み合わせる

 

ビー・エム・ダブリューのBMW「M1000R」は、水冷4気筒エンジンを搭載するハイパワーエンジンを搭載するネイキッドモデル、スーパースポーツモデルをカウルレス化したストリートファイターモデルとなる。あるいはハイパーネイキッドモデルとも。BMWの四輪車でハイパワーモデルのカテゴリーとなるMシリーズのイメージを踏襲し、カラーリングもMシリーズのイメージをまとう。

 

レーサーレプリカモデルともいえるS1000RRのカウルレス版といえ、実際の取り回しは非常に軽量に感じる。走行性能も軽快で、ハイパワーでありながら俊敏で軽さが際立つ印象だ。その反面、レスポンスは想像するほど荒々しくなく、ステップも適度な位置で、かつてのレーサーレプリカモデルのカウルレス化といった過激な印象は無い。むしろ想像以上に楽なポジションで走行性能を楽しむことができる。四輪では限られたドライバーが楽しむのがMシリーズとなるが、二輪においても同様に絞り込まれたマーケティングの中にある位置づけだけに、非常に特徴のあるモデルに仕上がっている。

 

BMW M1000R 四輪でも憧れのMシリーズだ

 

 

BMW「R1300R」は、最新のデザインを採用するスタンダードモデルだ。水平対向の水冷ボクサーエンジンを搭載する。二輪車の最新モデルで注目が集まる自動変速化に対応し、クラッチ制御とシフト操作を自動化したオートメイテッド・シフト・アシスタント(ASA)を搭載する。電子制御によって、発進から停止まですべての操作を自動化することが可能で、特に減速時のシフトダウンなどは絶妙で、ライダーの実力以上の変速を可能にする。マニュアル操作も可能だが、クラッチレバーは存在しない。

 

このASAシリーズ装着車は、受注台数のうちほぼ半数を占めるとしており、クラッチ操作による変速が必要な通常のモデルと人気を二分している。最新の技術にライダーが敏感に反応しているといえそうだ。ASA設定モデルのなかでR1300Rはスタンダードモデルとして、BMW Rシリーズのベーシックモデルとしての一角を担うとともに、最新の技術を際立って強調することなくモデルに組み込んできたといえる。誰もが身構えることなく楽しめる技術もまた、スタンダードモデルであるネイキッドの特徴といえそうだ。

 

BMW R1300R 最新のトレンドを取り入れたデザインを採用

 

ドゥカティジャパンのDUCATI「Street Fighter V2S」は、新型水冷890ccのV型2気筒エンジンを搭載するストリートファイターモデルだ。絶対的な特徴は180kgを下回る軽量性で、新型エンジンはあえて伝統の動弁機構であるデスモドロミックを採用せず、スタンダードな機構とした。狙いはシリンダーヘッドをはじめとするエンジンのコンパクト化があり、車重の軽量化とコンパクト化に結び付けている。

 

ストリートファイターしての特徴は、幅広なハンドルと適度な位置にあるステップだろう。乗りやすいポジションでありながら、最新エンジンのパワーを楽しむことができる。オーリンズサスペンションやリチウムイオンバッテリーを採用するSモデルだけに、軽量・コンパクトで取り出しやすいパワーを備えたドゥカティの一面を体験できるモデルに仕上がっている。

 

DUCATI Streetfighter V2S  マフラーでさえ他にない個性を主張する

 

 

トライアンフモーターサイクルズジャパンのTRIUMPH「T120」は、ボンネビルタイプのフラッグシップモデルの位置づけ。伝統のデザインを受け継ぎながら、水冷1200cc並列2気筒の最新エンジンを搭載する。エンジンは空冷エンジンの意匠をイメージし、インジェクションもキャプレターをイメージするなど、あくまでも伝統のイメージを大切するモデルだ。最新の技術を使ってトライアンフの伝統を再現したネイキッドモデルとなる。ラジエターも見事にデザインインされて目立たたない。

 

走行性能も排気量からくるイメージよりも、伝統のボンネビルエンジンを再現するパワーデリバリーを大切にしている。かといって不快に感じる振動もなく、1200㏄もの排気量を採用する並列2気筒エンジンを非常にうまく調律し、T120がイメージするパワーデリバリーを実現したといえそうだ。ネイキッドモデルに採用する最新のエンジンは、そのモデルが求める走行性能を実現するパワーの引き出し方が実現できる時代になったといえる。音や振動もその範囲にあり、すべてを調律して、現代のネイキッドモデルが生まれている。

 

TRIUMPH T120 美しいといえるエンジンやインジェクションの意匠

 

 

 

なぜレトロ・ネオレトロデザインが支持されるのか

近年のオートバイ業界では、電子制御技術やコネクテッド機能など最新技術を積極的に採用した先進的なモデルが増える一方で、往年の名車を思わせるレトロデザインや、伝統的なスタイルと最新技術を融合させたネオレトロモデルの人気が高まっている。この傾向は二輪車に限らず、四輪車、家電、腕時計、ファッション、インテリアなど幅広い業界にも共通して見られる。四輪車ではマイカーを所有する20~30代男女の6割以上が「今後レトロなデザインの車を購入したい」とのアンケート調査結果もある。

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